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2022.3.19~24 camino de KUMANO vol.2

●昨年に続き一週間の熊野古道の旅。あまりに情報が少ない熊野古道なので、本来のnoteの役割を少し離れて旅の記録を残そうと思います。●

今年も昨年と同時期に、家族で熊野を目指した。

本当は、ポルトガル・・・とか言ってるとキリがないので書かない。今年も書かない。しかしいつかきっと。

それまでは熊野だ。熊野を歩くのだ。

基本的で公共交通機関で現地入りし、通しで歩くスタイルだった前回に比し今回はクルマで直接熊野へ。前回のやり残しや再会を愉しもうという旅だ。

結果和歌山県・田辺市から本宮を目指す「中辺路」がまるっと残るが、それでいい。旅にはやり残しがあるくらいがちょうどいい。

参考まで、昨年の旅はコチラに。

今年は全6日分、通して書きます。よって、長いです。

DAY.1

住居である長野県東部の寒村を朝5時出発。ルートは中央高速長坂IC~中部横断道~新東名新清水JCT~東名豊川IC。中部横断道山梨側が全線開通したことで利便性は一気に上がる。
もちろん新しい道路の開通なんて基本的には反対なんだが出来ちまったらしょうがない。使う。どんどん使う。

国道を経由し伊良湖岬を目指す。

伊良湖からは伊勢湾フェリーで鳥羽に渡る。要するに景観を愉しみつつ名古屋周辺のあのゴチャゴチャした乗り換えを避けようという考え。時間・費用共に船便のがチョイ嵩むが負担は一気に減る。(この辺は人によるのだろう。)

強風の伊良湖岬。

鳥羽から本来ならば最初にご挨拶するはずだった伊勢神宮を。

内宮はすごい人出。臨時駐車場も。おかげで本来いい雰囲気なのであろうはずの杜もお宮も愉しめず。家族はそれでもめげずに赤福を購入していた。
外宮はさすがにこれよりは落ち着いていてOK。

再びクルマの旅に。

伊勢から伊勢自動車道へ。多気から紀勢道に入り南下。
ウチの近くの中部横断道もそうだが紀勢道、基本対面通行で時折追い越しレーン・・・な感じ。オーバースペックでなく個人的には好ましい。交通量が違うとはいえ新東名を走った後なので尚更。

南下するにつれ、森が熊野の感じになっていくのを感じる。昨年は紀勢本線で存分に車窓の景色を愉しんだが今年はほとんどがトンネル。その上長距離運転中・・・景色も存分に、とはいかないが仕方がない。

どこまでも続く感じ、圧力がすごい熊野の森。

目的地である尾鷲の一つ手前、海山ICで下車。少し時間があったので翌日のための視察・・・川はどこで遊べるか・買い出しは?・バスの時間は?・・・等々。

特に熊野歩きは買い出しの場所がとても重要。大きめの町を外れると途端に補給が難しくなる。(本宮町レベルでも買い出し・外食場所がほっとんどないのには昨年、泣かされた。)

加えて今回はクルマで目的地に入り道を歩き、終点から車まで戻らなければならない”周回型”。決して便は多くないバスや電車の時刻のチェックも重要だ。

この日は尾鷲市泊。スーパーのお惣菜で宴会。たまにはこういうのも愉しい。買い出し場所なんかもチェック。

DAY.2

尾鷲市から車でデポ場所まで、そこから馬越峠を歩く。昨年歩きたいと思いつつ叶わなかった峠。

そうそう、この道・森・川の感じ・・・と2度目の感覚を愉しみながら歩き、快調に尾鷲に戻る。途中尾鷲側から登ってくる人たちにも逢ったが恐らく海山側から登るよりはるかに厳しいだろう。

尾鷲に戻ってからは尾鷲神社を参詣後バス・・・の前に時間があったのですかさずこの日の昼・夜・翌朝・・・くらいまでの買い出しをしておく。さすがに尾鷲くらいの町だと買い出しもラク。ちなみに自炊も想定内の今回の旅なのでコメや調味料、スープにレトルト食品・・・くらいは予め用意してある。

バスで車に戻り、午後は銚子川に遊ぶ。また熊野に戻って来たいと思った大きな理由の一つがこの銚子川だ。

少雨の影響で上流部の水量が少ない。素早く諦めて河口付近に遊ぶ。
そう、銚子川は河口部まで水質最高の川なのだ。


気をつけたいのがエサ釣りの場合の生エサの確保。ここらの釣具屋さんで「エサ」とあったらほぼ海用のエサであると考えてOK。この日はホームセンターでうっていたバイオタイプの虫エサで何とか愉しむ。入漁券はこの日の宿泊地であるキャンプ場などで購入可能。

息子はエサ釣りでハゼの仲間に遊んでもらい、いい時間。

自分はトラウト・タックルしか持参しなかったのだが一応ルアーをキャスト。そうすると川の中心部から結構なスピードでルアーを追ってきて「コツン!」とアタックして逃げていく魚がいる。結局釣りあげられなかったのがアレ、何だったのだろうか。アユかな?それとも海のサカナ?

存分に楽しんでこの日宿泊予定のキャンプinn海山へ。

チェックイン時間までは駐車のみも禁止・・・等すこしうるさい感じでうん・・・?と思っていたが行ってみて納得の大人気キャンプ場。ロケーションも設備もいうことなし。(結果、3連休の中日に当たるこの日は大変混んでいた。)宿泊したコテージも至れり尽くせりで逆にものたりないようだった。

DAY.3

銚子川の朝。

川が一番いいのはこの時間なのになぁ・・・周りは誰も起きていないようだ。残念。

さておき。

この日は本来熊野市の海岸にある花の窟を参拝するくらいであとは昨年も泊まったゲストハウスでホストさんとの再会を・・・などと思っていたのだが。

翌日の天気予報が悪い。

熊野古道はその気候とロケーション故苔むしていてあまり雨の日に歩きたいとは思えない感じ。

ならば・・・と翌日に予定していた「大日越」熊野本宮~湯の峰温泉に至る急登ルート・・・を今日済ませてしまうことに。

ならば急がないと・・・とまずは天然の石を祀った荘厳な花の窟を参拝。

本宮まで移働、世界遺産センターにクルマをデポ。大日越に挑む。

(本宮参詣以外にも情報収集、水分補給等大変便利な場所。バスステーションでもある。)

ナカナカの急登だが、全体的には短い大日越。余裕を持って歩ききりゴールの湯の峰温泉へ。残念ながら湯の峰温泉の公衆浴場は改修工事中なので足湯や温泉卵などして本宮に戻るバスを待つ。

登りも下りも急勾配。だが歩きやすい。

翌日の雨の中動き回りたくないので本宮・大斎原まで参詣しゲストハウスへ。ホストさんたちとの再会を歓び、小宴会。(地物のサカナ・味噌・・・美味かった!)

本宮大社。
大斎原。個人的に一番好きなスポット。パワースポットとか普段関心ないし感じもしないのだけどここだけは何か力を感じる。
ゲストハウス・マタオイナ。昨年大変助けられたので今年も。

ちなみに今日の買い出しはココ。ミニスーパーの役割も兼ねていて大変便利。一応バス道沿いだが歩き旅では寄り辛いかも。

DAY.4

予報通り降り続く雨。

それならば・・・と昨年あまり時間の取れなかった本宮大社すぐ裏の古本屋さん「KUMANO 森のふくろう文庫」へ。(発心門王子まで歩く途中だったので。)

本当に本宮のすぐ裏。本宮は直接裏に抜けれるんです。

ゆっくり本を見て、お気に入りの3冊を選んで。店主さんともちゃんとお話しできて。(ちなみにこの旅、持参した3冊の本のうち2冊がつまらない・・・という非常事態でもあった。こんなこと滅多にない。)

その後はR311で田辺市に下り、南紀をぐるっと一気に回る。クルマ旅の利点。いろんな方が「熊野は雨が降ると一気にアクティビティが減る」と言っていたがコレはある程度本当で、ここはクルマ旅の有利さが出た格好だ。

田辺市では闘鶏神社を参詣。

この像がよかった。

ウチはニワトリを飼っているし・・・やはり鶏好きには外せない場所。

約20年ぶりに古座川も。

天気悪いと川の写真もイマイチで、こちらを。
熊野桜。

今年は熊野も花が遅く、昨年とはまるで違う景色。でも古座の熊野桜は満開。

このまま新宮あたりに泊れれば本当は効率がよかったのだが急な予定変更だったため新宮で買い出し、本宮付近まで戻って宿泊。この日もキャンプ場のコテージで半自炊スタイル。

DAY.5

この日が活動日としては最終。まずは家族で太地町立くじらの博物館へ。

前日訪れたかったのだが時間切れ。と今日は・・・内容はとてもいいのだがとにかく寒かった!震えつつ退散し本宮へ。

昨年は少し下の、駐車場もある大門坂を登って参詣したのだが今年は直接クルマで那智の滝まで。(ここも無料駐車場有。)歩き旅で帰りのバスの時間を気にしつつだった昨年と違いゆとりをもって那智大社・青岸渡寺・那智の滝を参詣できた。(大門坂を省いても結構上り下りする・・・ことは一応記しておきたい。)

那智大社。
青岸渡寺。那智大社の真隣りにある。究極の神仏習合。
三重塔越しの那智の滝。
滝下から那智の滝。



その後新宮へ。主な目的は昨年登る元気のなかった神倉神社・ゴドビキ岩。

とにかく勾配が急な石段を必死に上ると山の上にちょこんと(なんてカワイイもんじゃないけど)岩の載った奇景。そこがご神体。

ということは遠くから見ても十分見ごたえはあるけれど登ってみないと参詣は出来ない。しかしその石段が・・・。

スンゴイ急登です。

・・・急!

一応脇にはエスケープの「女坂」があり下りは試しにそちらを歩いてみたのだが、雨後のこともありそれなりに危険だった。半身で少しづつ降りる・・・がベストアンサーなのだろう。

しかしまぁなんでこんなところにこんな大岩が・・・。

もちろんここまで来たのだから・・・と速玉大社も参詣。コレで今年も結局三山全て参詣。歩く日じゃない・・・といってもよく歩くのは昨年と共通。

速玉大社。三山中最もフィーリングのあう場所です。

活動最終日ということで昨年偶然出会って、いたく気に入った居酒屋で旅の打ち上げ。飲み物食い物本当にみんな美味い。
宿泊は街中心地のゲストハウス。

とても整ったキレイなゲストハウスでしたよ。併設のカフェがやっていなかったのが残念。

DAY.6&総括

帰りは朝6時に新宮を発ち、往路から伊勢神宮を除いた格好の逆コースで16時帰着。
(途中食事・買い物・豊川付近の国道でミスコース1回・・・含む。)

6日で約1300キロ走った今回の旅。
その大半はやはり現地までの行き帰りだが雨天の場合特にクルマ旅のメリットは十分に感じ、また活かせたと思う。

公共交通機関の時間を気にしなくてもいいのもメリットか。昨年諦めたいくつかのことはこの”時間切れ”によるものだ。

反面。

やはり路や土地の感じ方はその分薄くなったとも感じる。歩き旅の場合何にもないただの山道やそこらの町、なによりも出逢った人・・・がとてつもないインパクトを生む。

なにより。

クルマだと自分で出来てしまうのである。いろんなことが。

歩きだとそうはいかない。いろんな助けを得ながら、になる。どうしてもなる。親切を受けることになる。だから記憶に残る。好きになる。

熊野もそうだ。ポルトガルもそうだ。

今回は2回目だったからこその、クルマ。だからよかった。全体的にいい旅になった。改めてあることの良さを感じることができたのは大きい。

次は、どうかな?

3回目の熊野であれば残っている中辺路を歩くことになるかな。(今回クルマですぐ脇を走ってしまったけど。)

それとも、ポルトガル?そうなれば次は(もちろん、”ワープ”も使って。)コインブラを目指す旅。

そんな日もそう遠くない・・・といいのだけれど。

とにかく次は、歩こう。

まだまだ歩く旅は続きます。

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