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TomoPoetryー友野雅志の詩

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日々書きためた詩の中から、noteスタートしてしばらくしてからの最近のものをのせています。それ以前は、下をご覧下さい。   …
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2022年11月の記事一覧

TomoPoetry、時をつなぐ風

TomoPoetry、時をつなぐ風

**あおい芽から したたる時の雫 遺跡になりゆく都市 死につつ 産みつづける ねじれのびる指 そのまま石になる 苔は きみの肌をおおう 時の湿りを たくわえる のぼりつつあるのか くだりつつあるのか 呻くのは 百合の咽喉 揺れて折れる 街を湿らせ 木管楽器でふるえる風 あれはあなたの声 終わりの音 朝には静寂がもどる ぴっしょり濡れた 歴史書は

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TomoPoetry、時の海のさざなみ

TomoPoetry、時の海のさざなみ

**立ちあがった時 螺旋階段の背骨のために 視線がずれた 緯度はからみあい 時は戸惑い 位置は苛立ち りんごは斜めに落下した ジェットコースターのはやさで ショーウィンドウを はしりぬける記憶 生きる意味は ミントのクレープ 一日の目的を 舐めて ナプキンでふきとる 終わりのない 散歩 道と脚は溶けだしている 時は海 蓑笠手に 歩み始めた背はちいさい

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TomoPoetry、地と波がささやく日。

TomoPoetry、地と波がささやく日。

**夜 地がざわついている 乳をさがす赤子の指  羽をもがれた蝉の声 海岸線をねじる 舌と ソーセージ 記憶と骨が 沈んでいく 分解する脂肪と流氷 わたしたちの夢では ほそい弦がなりつづける 降りそそぐ星と 黒い絶望 泡だつ地と かがやく眼球 指揮者はからめとる カラフルな夢を 音をたてずに わたしたちの夜を 満たす風の音 黒い鳥の音 夢を刻み のみくだす 朝 地にはあおい足跡 海にはしろい刃跡

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