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TomoPoetryー友野雅志の詩

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日々書きためた詩の中から、noteスタートしてしばらくしてからの最近のものをのせています。それ以前は、下をご覧下さい。   …
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2021年12月の記事一覧

数秒のひかり

数秒のひかり

**川をわたるとき 足を洗う 列をたもち いろいろな記憶を流す 列ごとに 旗を掲げている すべての旗はいくつもの色に びっしょり濡れている 首をたれ 滑り落ちないように 登っていく 回廊にのこる足跡は 濡れている 葬ったものの ながれつく泥土の 滑りやすさのままに ときに ひかりが真上をとおる 一斉にみあげる 数秒後に きみは見たか たがいに問

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眼、そして風

眼、そして風

眼が埋まっている

天をみあげ

大地の泥に

海の底に

まばたきはしない

かれらのとなりで

一対の眼は

閉じている

砂になりつつあるからだで

風が

かれらの上を過ぎる

からだが砕け

まいあがる

そのとき いくつかの土の口が    誰へともなく問いかける 見たか 空をめくった指を

見た眼はもう泥に埋まっていない

星はしずかに戻り いたるところで 天井や星空を見上げている眼

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