数秒のひかり
**川をわたるとき
足を洗う
列をたもち
いろいろな記憶を流す
列ごとに
旗を掲げている
すべての旗はいくつもの色に
びっしょり濡れている
首をたれ
滑り落ちないように
登っていく
回廊にのこる足跡は
濡れている
葬ったものの
ながれつく泥土の
滑りやすさのままに
ときに
ひかりが真上をとおる
一斉にみあげる
数秒後に
きみは見たか
たがいに問いかける
なにを見たかったか
思いだすことなく
泥になりつつある
足を見る**
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