日本酒と食文化

日本酒は飲んでもおいしいですが、知識があるとそれも肴になります。

今回はそんなSAKEの肴が増えればよいなと思い、日本酒小話を。


さて、質問です。

皆さんが好きな「日本酒」の味ってどんな味?

フルーティな甘口のお酒が好き、キリッとした辛口が好きなどなどここは好みが分かれるところです。

そんな好きなお酒の造られている蔵があるのはどの地方にありますか?

地方ごとの日本酒の味のことを言えば、東北のお酒は舌に残らずスッキリ飲めるお酒が多いです。
西のほうに行くにつれ、飲むと口の中に残る、旨味を感じられる優しい味のお酒が多くなってきます。

では、なぜこのような味の違いが生まれるのでしょう?

それの一つの要因としてあるのがその土地の「食文化」です。

例えば、四国の食文化。

四国は4県それぞれが違う色を持っていて、同じ島の中ではないとまで言われるほど。

今回は「香川、愛媛」と「徳島、高知」の上と下に分けて考えます。

それぞれの食文化を辿ると、香川、愛媛は瀬戸内海に面しています。やはり海が近いとなると魚が多く消費されます。
そうすると、土地柄として食べられるものは瀬戸内の淡泊な白身のお魚が食べられてきたのは想像できます。

下の徳島、高知を考えますと魚はカツオのような赤身の、味の濃い魚を食べますかね。

おいしい魚があるなら、お酒も楽しみたいと思うのはしょうがないこと。おのずとその酒にも食の影響が出てきます。

白身の魚に合わせて飲みたいお酒の味は、白身魚の味となじむような優しいお酒が欲しくなります。
一度、愛媛の「石鎚(いしづち)」というお酒を見かけたら飲んでみてください。食べ物の味を邪魔しない、優しい味の食中酒で白身魚とは相性バツグンですよ。

赤身のしっかりとした味の魚に合わせて飲みたいお酒は、舌に残る赤身の味を流してくれるようなスッキリとした味わいのお酒。
代表銘柄としては「土佐鶴(とさづる)」ですね。
こちらは辛口のキリッとした味をしていて、ニンニク醤油をつけたカツオを食べた口の中もサラッと流してくれます。

愛媛、香川にはやわらかな味の日本酒が多く、徳島、高知には辛口の飲み口のお酒が多く醸されています。

その土地で食べられてきた「食」に合わせて「酒」もその食にあったものが醸されてきたんですねぇ。

では「東京」の酒といえばどんな味なんでしょうか?

東京の食べ物を思い浮かべてみましょう。

東京の食文化は「醤油」です。なににしたって醤油を使う。味が濃いんですよね。

そんな味が濃い料理に合わせる「日本酒」というとスッキリとした軽い飲み口のお酒が好まれます。

なので、東京の酒の味というとスッキリ、軽めの飲み口の酒になります。

例えば、純米酒のような味が濃い酒より本醸造のような味わいが軽い酒ですね。

「澤乃井(さわのい)」は東京青梅にある蔵ですが、こちらの蔵は本醸造のお酒造りがうまいんです。

一度、澤乃井の本醸造の酒、「湧水仕込み」や「本醸造大辛口」を見かけたら飲んでみてください。スルスルっと飲めちゃいます。醤油の味わいの料理(金目の煮つけや煮物など)にももちろん合います。

今までの事からわかるように、その土地の食文化に日本酒の味も影響を受けて、その土地ごとに味わいが発展してきたんですのがわかります。
(日本酒にも味の流行があり、一概にはこれらが該当しない場合もあるのでご注意を!)

いやー、日本酒って本当に面白いですね!

ご自身が住んでる土地の郷土料理を食べる時や旅行に行った際は地の酒と食のペアリングをぜひ楽しんでみてくださいね!

日本酒と食文化についての小話でした!

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