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憧れていた『檸檬』の聖地を歩く【日記】

いったい私はあの檸檬が好きだ。
レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。

『檸檬』(梶井基次郎)

ということで京都府京都市中京区。
大阪くんだりまで足を運ぶ用事があったので、兼ねてから焦がれていた『檸檬』の聖地に寄ることにしました。
まずは何と言っても『丸善』の京都本店。作中の主人公がかつて好きだった場所、かつ忌々しく思っていた場所でもあります。

丸善としても『檸檬』には強い想い入れがあるようで、特設コーナーやコラボ商品なんかも設けているとのこと。それを知った時から、いつかは訪れたいと心に留めていました。

ちなみに、京都の丸善は2005年に1度閉店し、そこから10年後に移転と復活を遂げたそうです。
それこそ『檸檬』のファンが閉店を惜しむ声も多かったそうで、場所は違えどこうやって存続してくださるのは有難い。

今の丸善は商業ビルの地下1階と地下2階にあります。
地下1階には「文庫・新書」の棚があり、その一角には檸檬の特設コーナーがありました。

様々な出版社から発行されている『檸檬』の文庫本と、梶井基次郎の全集。また本物の檸檬と記念のスタンプも用意されていました。
檸檬のフィギュアかと思いきや、ちゃんと本物の檸檬が置いてあって面白い。

地下2階にも特設コーナーがあり、こちらにも本物の檸檬が。
おそらく「乗せていい」ということだと思うので、丸善で購入した全集に檸檬を乗せて記念撮影。
スタンプもしっかり押させていただきました。

また、檸檬にちなんだグッズも多く売られていますが、意外と人気で品薄。
自分は栞を買いました。デザインが非常に良い。

丸善を出た後は、作中で実際に歩いたとされる道を散歩してみることにしました。といっても、厳密な道は分からないので、なんとなく寺町通のあたりとその裏路地をぶらぶらと歩きました。

京都観光に来ているとは思えない、ある意味ごく普通の町並み。
裏路地は人も少なくとても静か。でも、そういう通りが好きだったんだよなあと思いながら、『檸檬』の本文を脳内で再生させつつ歩きました。

そしてここは、作中に出てくる八百屋さんがあった通り。
多分合ってる……はず。

八百屋さんは2009年に閉店されていて、1番手前にある改装中のビルがその八百屋さんがあった場所らしいです。
もちろん面影も何も無いのですが、何となく感傷に浸りつつ、そのままぶらぶらと歩きました。



まさに「どこをどう歩いたのだろう」と言った具合に、地理の全く分からぬ土地で適当に散歩を続ける。
ふと、セブンイレブンの前で足が止まった。
そうだ、この前見つけたアレを握りしめて歩こう。本物の檸檬を握って歩くのも憚られるから。

ちょっと丈が長いな。


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