ラスタ(画像)との重ね合わせについて
地図にスキャン画像を重ねるのって難しいと思っていませんか?
実はカンタンなんですよ。それにクリック操作のみで可能なんです!!
というか、座標参照系の方が取っつきにくいですよ。
スキャン地図に座標を付与する
「ラスタ>ジオリファレンサー」を開く。
「①画像を開き」、「②変換の設定(後ほど説明)」をする。背景地図は表示させておき、地図と画像の同じ位置に「③ポイント追加」していくとリストに追加されていく。最後に「④実行」すると画像が重なる。
変換設定の画面
空間分析の基本は使用する座標参照系を同じにすることだから、これから使用する座標参照系を計画してから選択しよう。
変換タイプの種類
各変換タイプの違いは、スケーリングや回転、ねじりといった、組み合わせのパターンです。複雑になればなるほど、多くのポイントが必要になってきます。
下図のサンプル(同じポイント位置・同じポイント数)で、変換タイプ別に処理してみたので紹介します。
ポイントに一致した場合は◯、不一致の場合は✖️で評価しました。
✗ 線形(Linear):直線的な伸縮(つぶす or 伸ばす)によって、一致していたポイントが不一致になり、平均をとった感じになる。
✗ ヘルマート(Helmert):縦の平均、横の平均をとった感じになり、アスペクト比を固定したスケーリング?そりゃあ、一致していたポイントすら不一致になるわけだ。
△ 多項式1:線形と似た結果となったが、ねじりが加わったのか、左側の上下の突き出しが少なくなった。もうちょい!
◯ 多項式2:多項式1よりも縦・横・ねじりを使い、丁度良く重ね合わせしようとし湾曲する箇所あり。多項式1よりも多くのポイントが必要。
✗ 多項式3:ポイントを必ず合わせるあまり、大事な地図が歪むほことになるので、劇薬みたいなものかな。もっと多くのポイントがあれば、完璧にはなりそうだが、コスパは悪い気がする。もしこんな形になったら、下記で説明する「シンプレート・スプライン」に切り替えたほうが良い結果が出ると思う。多項式2よりも多くのポイントが必要。
◯ シンプレート・スプライン:同じポイント数の多項式3よりも、再現性が高く、ポイントを追加した箇所を必ず通るようにし、ベジェ曲線のような波打つ感じでポイントを通る。
ちなみポイント数をさらに多くしたら、ほぼ完璧になった。
✗ 投影変換:一致しているポイントも動かしてるなんだかわからない曲者。ヘルマートみたいだけど、ヘルマートより一致していない。
結論:おすすめの変換タイプ
「多項式2」か「シンプレート・スプライン」のどちらかでしょうね。ただし、今回は極端なサンプルでテストしてみましたが、現実はスキャナが普及していたり、PDFでネットに上がってたりと、そもそも既にねじれた資料自体があんまりないはずですし、「多項式1」でも大丈夫のような気がします。
折りを重ねた資料は至る箇所にヨレがあると思うので「シンプレート・スプライン」を使うとか状況に応じて使い分けるようにしましょうね。
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