ゼンディカーの夜明け色別評価~白・青・黒編~
こんにちは。ドラフトおじさんです。ゼンディカーの夜明けのドラフトにおける色別の現時点でのカード評価を、セットのリリースから一週間ほどでMTG arenaのリミテッドランクをブロンズからダイヤモンドまで上げたプレイヤーの視点で解説していきます。読者の方々のピックの参考になれば幸いです。
はじめに
色別編では、色ごとの積極的に取りたいカードの説明をしていきます。レアについては、逃してはいけない1枚でゲームを終わらせてしまうボムカードと、初手で取ってはいけない罠カードについて扱います。特にここに書いていないレアは初手で取ってしまって問題ないです。
※カード画像の著作権はすべてWithers of Coast社に帰属します。
白/レア
・ボム
<フェリダーの撤退>…まさしく1枚でゲームが終わってしまうカード。何手目でも色を変えてでも取るべし。実質5マナのカードだが、他の5マナのカード併用できるというぶっとんだ特性を持つ。
<スカイクレイブの大槌>…飛行先制+2/+2と、ゲームを完全に壊す性能をしている。装備品シナジーとか考えなくていいのでとりあえず取ろう。これをピックしたなら、1/2/3ターン目とクリーチャーを展開できるようにしたい。再装備は重いので、マナの吐き方にだけ注意。
<エメリアの呼び声>…神話両面土地も文句なしに強い。が、白で7マナまで伸びるゲームプラン自体がやや悠長なので、序盤に引いたら土地としてセットしてしまおう。後述する<タジームの猛禽>で拾うことも視野。
・罠
<エメリアのアルコン>
<軍団の天使>
…残念ながらこれらを取るくらいならコモンの除去を取った方がマシ。色が決まっている状態で取れたら嬉しいが、初手では(よっぽど他にカードがないのでない限り)取ってはいけない。(理由は連載最終回の有料部分にかかわる内容のため割愛)
白/アンコモン
<忘却への旅>…環境に危険なエンチャント・アーティファクトがあるので、それらにも対応できるのが強い。軽減は1~2マナ程度と思っておこう。
<恐れなき雛>…2ターン目に出して除去されなければゲームが終わる。逆に相手にしたら"鳥は見たら焼け"(違う)
<峡谷のトビネズミ>…最強のハツカネズミ。焼かれるエンチャントだが、毎ターン全体+1/+1できればさすがに強い。
<マキンディの暴走>…両面アンコモンでは数少ない初手級。バーランになる土地が弱いわけがない。
<エメリアの隊長>…小さいセラ天。最低でも2/2だが、できれば3/3以上で使用できるように構築しよう。逆にピック終盤に流れてきて2/2にしかならないようなら要らない。(戦士デッキや上陸デッキなど)
白/コモン
・クリーチャーすべて…マナカーブやアーキタイプに沿ったクリーチャーを取ろう。取る価値がないカードない。
<英雄たちの世話人>…白のトップコモン。取れ。
<タジームの猛禽>…超強いカードではないが、土地回収能力を使いたいデッキでは1枚は取ろう。とはいえ土地回収しない前提でプレイすることも多い。
<ナヒリの束縛>…軽い万能除去は最低限働く。他の白のコモン除去にはあまりお世話になりたくない。
白/総括
白はアンコモンのクリーチャーが強く、コモンクリーチャーも最低限の働きができるものが揃っている。ただし、白のコモンしか流れてこないのに積極的に白をやってしまうとデッキが細くなるので注意が必要。アーキタイプによってはもう一方の色を補う役割があるので柔軟にピックしていこう。
青/レア
・ボム
<荒れ狂う騒音>…青黒アーキタイプの専用カードだが、最大値が高いので初手に来たらピックしてしまっていい。最悪の場合でも、ただキッカーするだけの呪文として使える。8枚も削るので運は絡むものの"相手のデッキを薄味に"するという役割も。(注:運が悪いと逆に濃くなります。期待値は半々よりやや分がいいくらい)
<海門の嵐呼び>…新しい瞬唱。が、そこまでは万能ではない。基本的には赤青のアーキタイプカードで、4ターン目に除去を2倍にするために使うのが一番強いが、まあ悪くとも2マナ2/1なので最低限の仕事はある。これも最大値のカード。
・罠レア
<当惑させる難題>…そもそもこのレベルのカードを罠とすら呼ばないが、一応。bo3ならランプデッキのメタとしてサイドインするかもしれない。
<海門修復><泥棒スカイダイバー><珊瑚兜の年代記編者>…色が決まっていて流れてきたら取るカード。これらを初手で取って青決め打ちなど言語道断。ドラフトを上達させたければ迷わず流そう。
青/アンコモン
<マーフォークの鷹匠>…環境唯一の4/4飛行。別にキッカーデッキで使う必要はない。シンプルにスタッツを頼りに使う。
<ドレイクの休息地>…青のトップアンコモン。これを取ったらキッカーできるカードを気持ち高めに取ろう。青緑にこだわる必要はない。
<風乗りの魔術師>…赤青のアーキタイプカード。…だが、やはり赤青にこだわらなくても十分強い。相手にする場合は、赤青でなければ除去する優先度は下がるが、赤青がこいつを使ってきたら除去の最優先目標のひとつ。
<遺跡ガ二><マーフォークの風泥棒>…青黒のアーキタイプカードだが、見た目に反して初手級。1枚でゲームが終わるほどではないが、これらを持っているといないとで青黒は最大値が変わってしまうので、青黒をやりたければ初手で取ること。
青/コモン
<動乱への突入>…青のトップコモン。初代ゼンディカーからの再録。実質"Time Warp"。つよい。余談だが、ドミナリアでは完全同型再販の"一瞬"として収録されていたが、これは"動乱/Roil"という言葉がゼンディカー次元に紐づいた固有名詞のため。
<泡の罠>…1マナで使っても4マナで使っても水準に達した性能を発揮する。<ナヒリの束縛>もそうだが、後述する<大群への給仕>には注意。前述の<ドレイクの休息地>と組み合わせるとあっという間にゲームをまくれる。
<探検隊の占者>…できればウィザードデッキで使いたいが、地上を膠着させるデッキであれば十分な性能。パワー3の飛行は偉大。
<目覚めし激浪>…青にはキッカースペルが多いので、能力の誘発には困らないはず。困っているようなら構築ミス。
<氷河の掌握>…フリーズ/切削/キャントリップと三拍子揃っているが、非常に安い。3マナとやや重いので頼りすぎることはできないが、青赤のようなクリーチャーを減らさざるを得ないデッキでは安さに対してコスパは高い。
青/総括
青はコモンから参入するきっかけがある色なので、青で勝てるようになっておきたい環境といえる。青赤以外はスペル過多にならないように注意。
黒/レア
・ボム
<切望の褒賞><魂の粉砕>以外すべてのレア・神話
・罠
<切望の褒賞>…さすがに遅い。ピックしてもデッキに入ることはない。
黒のレアは上記2種類を除いてすべて初手で取っていい。どれも文句なしに強い。その中であえてピックアップするなら、<希望の死、タボラックス>は2パック目に流れてきた場合も色を変えて黒に参入したいくらいには強い。逆に<魂の粉砕>はbo1なら積極的に取るカードではない。弱く使わざるをえないシチュエーションがある除去は信用しない方がいい。
黒/アンコモン
<ブラックブルームのならず者>…アンコモンの両面カードでは唯一の初手級。単独ではサイズアップできないことだけは玉に瑕だが、スレッショルドを達成すると一気にゲームエンダーに。
<血の長の渇き>…1マナでも4マナでも水準に達している。除去として強い。
<影のとげ刺し>序盤のストッパー性能がダントツに高い。他のならず者との併用は必須。初手級かといわれると、守るデッキが好きなら、といったところ。
<ゾフの消耗>…引導火力つきの土地が弱いわけがない。ただしあくまで土地なのでシグナルにはならない。序盤で回ってきても喜び勇んで飛びつかないように。色が決まった後は点数が爆上がりする。
黒/コモン
<大群への給餌>…とうとう出てしまったエンチャントに触れる黒の除去。あまりデカブツを除去するのには使いたくないが、序盤のテンポの取り合いを制する可能性のある一枚。エンチャント除去を引っぺがせるのを忘れないように。(使われる側も。戒め)
<弱者成敗>…パワー3が多い環境なので、インスタントタイミングでアタッカーに触れる除去は頼りになる。<命取りの協力>は逆に受け札にならないので注意。
<恐怖の薄暗狩り>…見た目よりやる子その1。キッカーしない前提なら何か装備してあげたいが、何もなくとも十分仕事をする。キッカーするとダメージレースぶっ壊すマンになるが、やはり6マナは重い。白黒では必須級。
<ニマーナの忍び歩く者>…見た目よりやる子その2。スタッツがよく、スレッショルド達成時のボーナスも威迫とおいしい。どちらかというと相手を詰ませるカード。
<血の招き>…1枚取っておくと安心のカード。クリーチャーをぶつけ合った後や、除去でテンポを取られそうなときに使う。
黒/総括
とにかくレアが強く、白黒や青黒といったアーキタイプの人気と相まって人気色になりがち。逆に黒をやると決めたらとことん主張する必要があるので、下家をどかすドラフトの練習にはもってこいの色。中途半端は弱くなる元なので、気合で主張していこう。
赤・緑・その他編へ続く…