見出し画像

ClassroomとZoomの導入支援事例

本記事について

 学生が読んだときに「自分のネガティブな部分を全世界に公開された」と感じる可能性のある話題や表現がある,とのご指摘をいただきました。学生をどのように手助けするかということで苦労している同業者との情報共有のためと思って書きましたが,配慮が足りずに読んで不快に感じたり不安を感じたりした方に対して,率直におわびします。
 また,配慮が足りなかったと思われる部分に関しては,削除したり表現を改めたりしました。申し訳ありませんでした。

アプリが入れられません

 当面遠隔授業に切り替えざるを得ない,ということになったとき,学生には,とりあえずZoomとClassroomをスマートフォンに仕込みなさい,大学で割り当てたメールアドレスのメールを受信できるように設定しなさい,と求めた。ほとんどの学生は,いろいろあったが最終的には何とか無事に設定できた。
 しかし,一部,どうしてもそれができない学生がいた。
 iPhoneを使っているある学生は,AppStoreからアプリを落とせないと訴える。数週間前から,Apple IDが凍結されているといわれるようになってしまったらしい。携帯電話ショップで相談したが解決せず,Appleの公式サイトで説明されている解決方法も試したが効果がなく,新しい機種に買い替えるしか打開策はなさそうだという。
 もう一人,Zoomをインストールできない,という学生は,確認してみると,使っているスマートフォンが非常に古いもので,Zoomが非対応だった。画面がひびだらけの最新型のiPhoneを使っている学生をちょくちょく見かけるが,それとは逆の,実に物持ちのいい学生である。それはともかく,こればかりはどうしようもない。
 これらの学生には,大学が確保した中華Pad…HUAWEI製のAndroidタブレット端末(SIMカードつき)を貸し出した。

Googleアカウントの切り替え問題

 大学が学生に割り当てたメールアドレスは,ドメインはうちの大学のものだが,もとをたどればGoogleのメールで,Googleアカウントを兼ねている。そのアカウントを使ってClassroomに入って情報を見たり課題に取り組んだりする仕組みである。
 ところが,当初から,Classroomに入れないという学生がかなりいた。これはほとんどの場合,Googleアカウントの切り替えの問題である。Classroomには,大学で割り当てたメールアドレスを使わないとアクセスできない。以前から自分のGoogleアカウントを持っている学生は多いのだが,そういう学生がそのアカウントのままClassroomに入ろうとしてもはねられるのだ。
 Classroomには入ったものの,課題を開こうとすると「権限がない」といわれる,という訴えもあった。Classroomに入るときに大学のアカウントで入っても,課題を開くときにはGoogleドキュメントやGoogleフォームのサイトに飛ぶようで,そのときに使うブラウザのほうで別のアカウントを使ってログインしていると,「権限がない」状態になる。これは,ブラウザの方でアカウントを大学のものに切り替えてやると解決する。だが,これを遠隔で説明するのがなかなか難しい。参考のために画像入りで方法を説明しているサイトなども紹介したが,結局大学まで来てもらって目の前でいろいろ指示してやらないとうまくいかない学生もいた。

Classroomの幽霊

 Classroomに入ろうとするとなぜかドメインが違うといわれてはねられる学生が一人だけいた。この学生はGoogleのアカウントもこれまで持ったことがないという。これは対処不能,ということで,管理者の同僚にお願いして,この学生のアカウントを削除して再設定してもらった。この学生は,この更新したアカウントでClassroomに入り直したら,普通に使うことができるようになった。
 だが,別の問題が起きた。教員がスマートフォンやタブレットからクラスを開くと,クラスのメンバーに「不明なユーザー」という人がいるのだ。これが削除できない。パソコンで見ると,不明なユーザーは表示されないが,クラスの人数表示は1人多くなっている。幽霊が1人,紛れ込んでいるのだ。
 管理者がGoogleに問い合わせていろいろ試してみてくれたが,結局お手上げになった。しかしまあ,これは運用上はほとんど実害がないので,放置することになった。

使えたり使えなかったり

 スマートフォンは持っているがネットにつながっていない,WiFiは自宅ではつながるが大学ではつながらない,という学生がいた。本人の弁によると,使えたり使えなかったりするらしい。アプリの導入や使い方の説明をしても,つながらない,使えないということをしきりに言うので,その必要性がわかってもらえないのかと不安になったが,それでも最低限,メールの設定だけはその場でしてもらって,ClassroomとZoomの設定は自宅でするようにと伝えて帰した。
 その後,この学生からはなんの連絡もなく,使えるようになっているだろうかと気になっていた。しかし,同僚から「Zoomでの授業にちゃんと出席していました」と聞いて少し安心した。

おいてきぼりになる学生が出ないように

 このところ,ずっとこういう「他人の面倒」ばかりに手をかけていて,自分の授業の準備は後回しになっている。だが,とにかく,ClassroomとZoomで授業を進めると決めた以上,それが使えないままおいてきぼりになる学生を出すわけにはいかない。やっと,何とかみんなが使える状態になってきたと感じるところまでこぎ着けた。
 この週末は,授業の準備を進めなければなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?