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世界トップクラスの「フィンランド式教育」とは

導入


皆さんはフィンランドと聞いて何が最初に思い浮かびますか?ダイエットにハマってる私が一番最初に思い浮かんだのは「フィンランド式サウナ」でしたが、皆さんはどうでしょう。日本でも馴染みのある「サンタクロース」や「ムーミン」などを思い浮かべる人が多いかな、と思います。

その中でも「北欧教育」を挙げられる人も多いのではないでしょうか。

PISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる、国際的に実施されている3年ごとの15歳児における学習到達度調査を見てみると、いかにフィンランドが国際的に見て高い水準にいるかが理解できるかと思います。

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引用:Young people struggling in digital world, finds latest OECD PISA survey - OECD

「読解力」「数学的リテラシー」「科学リテラシー」の3つを測定していますが、全ての分野においてフィンランドは上位に君臨しているということがわかります。


今回は、そんな世界トップクラスと言われている「フィンランド式教育」について見てみましょう!

教育制度

まず日本と大きく違うのは、教育制度です。

フィンランドの場合、義務教育にあたるのは、7~16歳で通う「総合学校」です。日本の「6・3・3・4」制度とは異なり、9年間一律で同じ校舎に通う人が多いです。そしてその後は、大学進学のための「普通高校」と就職のための「職業高校」に分かれます。

「普通高校」
ここでは日本の「一律のカリキュラムの基で勉強する」教育方法とは異なり、生徒自らが学習計画をたてて必要単位を取得します。卒業には2~4年程かかり、卒業時には、卒業資格試験として全国統一テストが実施されます。このとき、テスト結果は大学の合否判定に使用されます。

「職業高校」
2~4年間、職業訓練を受けます。生徒は、担当の教師や企業の代表者たちから評価され、職業資格、上級職業資格、専門職業資格の3段階の資格を取得します。フィンランドの社会では「資格」が重要視されているため、ここの資格取得は非常に大事であるといえるでしょう。

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引用:10号:高い質を保証するフィンランドの教育システム (benesse.jp)

小学生の頃から日本の教育システムとは全く異なる環境で学習しているということが分かります。

特徴

フィンランド式教育の最大の特徴は授業料が「無料」であるという点です。

フィンランドは義務教育だけでなく、高等教育も無料なんです!つまり、プレスクールから大学まで学費が掛からない事を意味します。日本の大学は平均して4年間でおよそ300万円くらい掛かってしまうので、そのお金が浮くと考えると幸せな気分になりますね。

奨学金返済に追われる日本の学生の事を考えると、フィンランドには「お金に悩まされず、自分の関心や必要性に応じて教育を受け続けられる理想的な環境」があるといえるのではないでしょうか。

教育方針

日本の学生はテストでいい成績をとらなきゃ!とそれだけに一生懸命になってしまうことも多いのではないでしょうか。

私自身もそうだったのですが、日本は、テストでいい成績をとって、いい大学に進学して、大手企業に就職する、という社会モデルに囚われがちな社会だなと感じます。

それと比較してフィンランドでは

「競争しないこと」
「自主的に学ぶ力を育てること」

がモットーとされています。

また「全ての子供に可能性がある」という発想が根底にあるので、「学生がやりたいこと」を見つけてそれを活かすことが教育方針の中心となります。

そのため、授業はマニュアル化されておらず、具体的にどう教育を行うか、は個々の先生に完全に権限移譲されています。「あなたは何がやりたいの?」といういわゆる自己分析のようなことを行い、そこから生徒がやりたいことを自由な授業スタイルで支援するのです。

また、成績は絶対評価となります。個人の成長を評価するので、日本とは違って偏差値のようなものは一切出ません。


そんなフィンランド式教育の20%は「アントレプレナー(起業家)教育」に配分してあります。

フィンランドでは、2009年に「起業家教育のためのガイドライン」を教育文化省が作成し、幼児教育からこういった教育システムに身を置く環境が作られました。政府の方針として起業家促進プログラムが作成されるなんて北欧ならではだなと感心します。

ではこの「アントレプレナー(起業家)教育」とはなんだ、という説明に移ります。

まずコンセプトとしてはもちろん「起業の促進」を目指すところにあります。

しかしその裏側には起業家を育成するだけでなく

・創造性
・勇気
・協調性
・発想力
・我慢強さ
・常に学び続ける態度

なども身に着けるという目標もあるのです。

こういった偏差値だけでは測ることのできない能力といった部分を伸ばすことによって、結果的に起業家の育成に繋がればいいなといったところでしょうか。

具体的には
「Me and My City」というプログラムを使用して授業を行います。これは一言でいうと「12-13歳のための職業体験場」です。

この施設内には、ミニチュアサイズの街があり、その中に15の企業と独自の金融システムが存在します。ここで学生たちは1日社員として勤務をし、給料を得て、消費者と社会の一員として行動します。この体験を小学生のことから経験することで、起業する難しさや課題を見つける洞察力が身に付くと言われています。
日本にもこのような施設はありますが、これを授業で行えるとなるとわくわくすること間違いなしですね。

終わりに

長々とフィンランド式教育制度について書いてきましたが、日本のいわゆる「学歴社会」からこのフィンランドの「測ることの出来ない能力」を伸ばす教育へと少しでも変化して行けたらいいなと考えております。

これからの日本の教育について考えるきっかけになったら幸いです。

最後にオンラインサロンをやっておりますので、もしよかったご参加ください!


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