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2022年聞いてよかった小説6選

2022年にAudibleで聞いてよかった小説を6作紹介。
本当は5選にしたかったけど絞りきれなかった。
年末年始の耳のお供に。

一度Audibleを試したけれど

今年に入って子供の保育園や習い事の送り迎えのときにAudibleをよく聞くようになった。
数年前Audibleを試したときは途中でやめてしまった。
最初は仕事関連の本なども聞いていただけれども、データや図解の部分を耳で理解することの難しさや、知りたいところだけを拾い読むことはやはりできなくて、早々にこれらを聞くのはよしてしまっていた。
では好きな小説や読んでみたかった小説はというと、まだAudibleになっていないなど利用価値を感じられずにいた。

三体をAudibleで

今年に入ってなんとなくAudibleを開いてみると、『三体』があるのを見つけて聞き始めた。
実は『三体』は数年前に書籍で購入したものの、途中で読むのをやめてしまいまっていた。
一度中断した小説だったが移動中に耳で聞くため、自ら途中でページを止めることはなくなかば強制的話が進んでいく。
小説を読むときは、「小説モード」にならないと読む気になれないので、ここ数年小説を読む量がめっきり減っていたので、この体験は新しかった。

読む小説と聞く小説の違い

これを気に習慣的Audibleを聞くようになった。
Audible小説を聞くようになって気がついたことは、起伏のあるストーリーが向いているということだ(個人的に合っているという意味)。
これまでは私小説を好んで読んでいて、SFや推理小説はあまり読んでいなかった。
しかしAudibleでこれを聞くと特別面白く、切りの良いところまで聞きたくて少し自転車のスピードを遅くしたりすることもあるくらいだ。
それから、やはりナレーターは大事で、個人的に引っかかりを感じるナレーターだと途中で聞くのをやめてしまう。

2022年ながらで聞いた小説

そんなわけで、個人的に2022年にAudibleで『聞いて良かった小説』ベスト6を残しておこうと思う。(以下記載順は特に順位ではない)
小説の内容はもちろんだけども、どれもナレーターが良いものだ。
各作品に既にレビューがついているのでここでは特段言及しない。

1.三体 著者: 劉 慈欣, 立原 透耶[監修], 大森 望, 光吉 さくら, ワン チャイ[訳] ナレーター: 祐仙 勇

中国SFの『三体』シリーズ。
Audibleでは三体三部作だけでなく、公式のスピンオフである『三体X 観想之宙』までナレーターが同じで、とても聞きやすい。
普段SFを読まない人も、耳だからこそ楽しめると思う。


2.孤狼の血 著者: 柚月 裕子 ナレーター: 吉開 清人

映画にもなった『孤狼の血』シリーズ。
映画は第二作のレビューが散々だけどもAudibleではシリーズで一気に聞ける。
昭和末〜平成にかけての刑事モノ。広島弁がクセになる。

3.じんかん 著者: 今村 翔吾 ナレーター: 堂島 颯人

歴史的には「裏切り者」というような評価がされる松永久秀の「悪行」の背景を別の角度から照明をあてた歴史小説。
ナレーションも重すぎず「漫画的(実際に漫画化もされている)」な起伏のあるストーリーをテンポよく進めてくれる。

4.海狼伝 (著者:白石 一郎 ナレーター:後藤 敦)

第97回直木賞受賞作。
「海洋冒険ロマン」と評される小説。シリーズで次作の『海王伝』もAudibleになっていて、これも良い。
戦国時代の対馬から瀬戸内海を舞台にした冒険小説。
ナレーションが落語のように軽妙で、聞きやすく且つ一人ひとりのキャラクターの違いを声で演じ分けていて、聞いていて映像が浮かぶようだった。

余談だが、これを聞き始める前にブラタモリで対馬の回を見ていたので、冒頭の地理地形の話が苦労なく理解できた。

5.黒牢城 著者: 米澤 穂信 ナレーター: 荻沢 俊彦

これも時代物。
松永久秀ほどではないけども、歴史的には「裏切り者」の評価がされているだろう荒木村重の物語。
これは歴史的なストーリーというよりも、荒木村重の近辺でおこるある事件の「サスペンス」として描かれている。
ナレーションは重厚(すぎるくらい)で、荒木村重の心情表現をさらに強めている。

6.犯罪者 著者: 太田 愛 ナレーター: 青木 崇

絶品サスペンス。登場人物の個性や事件の展開どれも最高だった。
ナレーションもそれぞれのキャラクターを立体的に描いている。
続編にあたる『幻夏』もAudibleに有り内容は面白いが、ナレーターが今作とは別で個人的にはあまりハマらなかった。


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