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(20)尻セードは危ねーど。

3月。「厳冬期」が終わり、天気も雪も安定してくるこの時期から雪山に行くという人も多いでしょう。春を感じながら歩く残雪の山、想像しただけでヨダレが出ます(笑)

そんな「残雪期」に急増するのが「尻セード(シリセード)」。元々は「グリセード」という、登山靴で立っている状態でピッケルを使ってバランスをとりながら斜面を滑って下る登山技術をもじったもの。字のごとく、雪の斜面をお尻で滑ってくることです。

童心に返るようで楽しいし、下山時間の短縮にもなります。誰でも簡単にできるし…と思いがちですがそうともいえません。下に停止できる場所が見えている標高差1~3mを下る程度ならまだしも、それ以外の条件で安易に斜度があるところでお尻をつくのも危険です。勝手に滑り出してしまうこともあるからです。

私の山の原点は、雪の誰も歩かない裏山や森歩きだったので身をもってお伝えできます。「尻セード」を成功させるには、斜度とフォールラインの見極め、スピードコントロール技術、滑落停止技術が求められます。間違えた場所で行うと「ただの滑落」となります。本当にご注意を。

というわけで、今回の【お山のマナーブック令和版】は「尻セードは危ねーど。」です。度々マナーから逸脱してしまうこの連載ですが、今回は上記のような「危ねーど」ではなく、マナー目線で「尻セード」の注意点を提案します。

この連載は、当たり前のことから山ならではのことまで色々ある登山マナーを再考していきます。そもそもよく理解していなかったり、昔から語り継がれてきたなかには、時代とともに解釈が変わってきた、あるいは不要なのもあろうかと思っています。
そこで、昭和の登山ブーム世代を先輩に持ち、平成の山ガールブーム世代を後輩に持つ私が、これまでの経験と体感から今の時代にフィットした解釈をしてみようと!
あくまでも個人の解釈ですから、ここに書いたことを山で守っていない人を見かけてもその人が間違っていると思いこまないようにしてくださいね。

週1回更新(目標)、全50回(予定)でお送りします。自主出版化を目指します(野望)。ご支援よろしくお願いします。

第1回から抜粋

「尻セード」が危ないのは、なにも

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