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論じるのは家族・恋人以外。在宅ワークの心得「らりるれろ」。

アフターコロナでも引き続きリモートワークを推し進める企業もあるようですね。14年来の在宅ワーカーでイラストレーターの私が、在宅ワークを上手にこなすヒントをあいうえお形式でゆるーくお伝えします!

テレワークから出勤再開になったみなさん、通勤や社内の様子はどうですか。新しい様式がきちんと取り入れられているといいな~と願っております。なむなむ。

今回は「ら行」です。


イントロが鳴り出せば自然と手は体側、足が肩幅に広がる国民的体操「ラジオ体操」。オンタイム朝6時半にラジオに合わせてするのは、小学校の夏休み以来ご無沙汰していますが、ふとNHKを点けると「テレビ体操」(と名前が変わる)の再放送が突然流れ出すことがあります。これは在宅ワーカーにとって体を動かす千載一遇のチャンスです。音楽が聞こえたら別のことをしていてもテレビ前に集合です。

あの夏あんなに適当にやっていたあの体操が。校庭でイヤイヤやっていたあの体操が。ものすごいキツイって知ってました? 正しくちゃんと行うとすぐに体が温まって、私なんて中盤からカウントに追いつけません。ピョンピョン跳ぶころには息が切れて汗ばんできます。短時間で全身を効率的に動かせるようによく考えられた体操なのだと体感できることでしょう。

在宅ワークは本当に体を動かす機会が少ないです。「歩く」を心がけていますが、運動としては軽度でしょう。だからといって私はスポーツジムで見知らぬカラフルな皆さまに混じって走ったり踊ったりするほどメンタルが強くありません。万年運動不足である懺悔はあれど積極的にはなれず結局今日も机に向かうわけですよ。そこに鳴り始めるあの夏のイントロは神の思し召しです。

自分の体の可動域の狭さに毎回びっくりします。毛穴が開放するのはいつぶりかしら。それに比べて体育学部と思しきお手本のお姉さんたちの逞しくも軽やかな動き。でも誰の目があるわけでもありません。たったの10分間です。全力で恩恵にあずかろうではありませんか。


これまで数々の心得を紹介してきましたが、これだけ心得ていれば50音もいりません。たったの1つ、そしてこれが最も難しい。

在宅ワーカーにとっての「律する」とは、やりたいこと、やりたくないこと、やるべきこと、やらなくていいこと、やってはいけないこと…これらを制御して仕事をすることです。

在宅の場合なにが難しいって「在宅」してるということです。今回「テレワーク」を経験された人も「プライベート」に「仕事」が流入したような、「仕事」に「プライベート」が流入したような、得も言われぬ気持ち悪さと気まずさと心苦しさを感じたのではないでしょうか。

私もずっとその二つを別けたほうがいいと思って足掻いてきました。でもだんだん不可能だと分かってきたんです。別けようとすると「心得」を「ルール」くらいに厳しくしないと上手くいきません。それでなくても自分で自分を追い詰めないと仕事にならないのに、それじゃあ本末転倒というか、在宅ワークの面白いところや特権を捨てなくてはなりません。それよりもそれに慣れて、それ用に生活を変えるほうが簡単そう。堤防で別けた海(仕事)と川(プライベート)を行き来するのではなく、汽水域で生きてみる? そんなイメージですかね。

とはいえ、汽水域ですから月や雪解けや台風なんかの影響でどっちかが多めに流入したり流出したりするわけです。そういうときがいちばん「律する」のが難しいですね。そう考えるなら「律する」ってのは川の上流にある感情や欲求のダムを操るみたいなものかもしれないですね。本当は自然に任せた清流でありたいですけど、河口には人がたくさんいて、海に流れているから仕方がなくダム作らなきゃですね。うわ~決壊は免れたい。在宅ワーカーのみなさん、たまの観光放水もお忘れなく。


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