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消息からのあらすじ【Epi.1-1】

「芸術家はなんというか、秋に元気になる人種らしくてね。それだから夏にフェスティバルを開催するようにしたんだよ。世界基準だといえばみんなが納得する。とても良いことだよね」

「チケットが手に入ったんです。いっしょに参戦してくれる人、募集します!」
参戦という勇ましい言い方は比喩ではない。調査団のひとりである俺に笑いながら語ってくれたのは何も知らない向こうの重鎮だった。

芸術家はいつの頃から喧しいモスキートに成り下がってしまった。外国の真似事をして風刺ばかりに気を取られていること、奥ゆかしい感性を持ったこの国にはそぐわないと思いませんか?
風刺というのは大変下品なことだと思うのですよ、失礼、透析の時間なので場所を移しますよ。こちらへ。

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