見出し画像

イギリスが民主を求める香港市民に移住権を提案

今朝のBBC記事

今朝のBBCの記事です。「これだよ!」と膝を打ちました。

The UK could offer British National (Overseas) passport holders in Hong Kong a path to UK citizenship if China does not suspend plans for a security law in the territory, UK Foreign Secretary Dominic Raab says.
イギリス外務大臣ラーブ氏によれば、もし中国が今話題になっている香港に関する法律の草案を停止しないのならば、イギリスは香港のBritish National (Overseas)passport保持者に対してイギリス市民権を与える可能性がある。

ラーブ外相の具体的な発言はこちら。

"If China continues down this path and implements this national security legislation, we will remove that six month limit and allow those BNO passport holders to come to the UK and to apply to work and study for extendable periods of 12 months and that will itself provide a pathway to future citizenship," he said.

既にBritish National (Overseas)passport保持者はビザなしで6ヶ月までのイギリス滞在が許可されていたのですがそれを撤廃して、12ヶ月の労働と学業の権利が与えられ、それから永住への道が拓かれるとのことです。

British National (Overseas)passportとは

Wikipediaによれば、

Holders of BN(O) passports are permanent residents of Hong Kong who were British Dependent Territories citizens until 30 June 1997 and had registered as BN(O)s.

つまり、British National (Overseas)passportを保持しているのは香港が中国に返還される前に申請した香港永住者ということになります。その数は30万人。ちなみに香港の全住民は745万人です。

つまり香港全住民の4%を対象とする措置であり、しかも現在23歳以上の人しか申請できていないと考えられますので、香港デモの最前線にいる大学生たちにとっては微妙なラインと言わざるを得ません。

世界は香港市民に選択肢を与えよう

内政干渉はいかんと思うのです。香港は国際法的にも正式な過程を経て1997年にイギリスから中国に返還された中国の領土です。そして50年のバッファ期間を設定して少しづつ政治的文化的なギャップを埋めようと計画されてきました。(そもそも香港みたいな東アジアまでわざわざやって来て植民地を広げていたイギリスが根本的なトラブルメーカー。。。)

以前にnoteで書いた「香港デモ隊の5つの要求」の中で書きました。もし香港市民が民主的な政治体制をのぞむのなら2つの方法しかありません。それは中国本土の政府(軍事費世界二位の中国人民解放軍、経済規模世界第二位の経済力など)と戦って勝つこと、もしくは民主的な国に移動すること。

私は香港市民、特に若者が血を流すのが全く不合理だと思っているので、武力衝突は避けるべきだと考えています。そのためには、どうしても民主的政治体制の中で生活したいと考える香港市民が移動できる権利が必要です。そして、旧宗主国のイギリスがその手を差し伸べるのは非常に自然な流れだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?