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本棚:「エッセイストのように生きる」とは?

『エッセイストのように生きる』松浦弥太郎

装丁が櫻井久さん、装画・挿絵が串田孫一という、
著者だけじゃない買いポイントがたくさんの本書。

松浦さんは自分を励ましてくれるんだ。
「自己啓発」と言われればそうだけど、
「世の中生きづらいよね〜、わかるよ」みたいに寄り添って、
「自分はこうしてるよ」とアドバイスをくれる。
そのアドバイスはちょっと頑張ればできるような手に届きそうなもので、
「ちょっとやってみよう」と思えるもの。
日々の暮らしのヒントになっている。

自分がエッセイを書こう、エッセイストになろうなんて思っているわけではなく、
毎日毎日モヤモヤしている、イライラしているものを吐き出したいだけ。
はけ口にしていたSNSにUPすると知りもしない他人からボロクソに否定される。
日記に書けばいいのかもしれないけど、
日記帳にネガティブワードばかり並ぶのがわかっていてはモチベもへったくれもない。

とにかく頭と心にたまったモヤモヤをスッキリさせたいのだ。

書くことが得意なわけじゃないけど、話すよりかはマシだと思ってる。
話そうとすると言葉が出てこなくて、
楽しみに出かけていった割に、帰りはひとり反省会をする。

「相手にとって楽しい時間だったろうか」
「自分の話ばかりじゃなかっただろうか」
と心配になる。

会社でも雑談しない。しないというかできない。
どんな変な話をしてしまうのかわからないから。

育休からの復帰がコロナ真っ只中で、
家族ぐらいしか話す相手がいなかった1年がさらに伸びた。
そして会話がしづらい状況になって、
こんなにもおしゃべりできなかったかと絶望する復帰となった。

今までどうやって過ごしていたのか。
鉄分欠乏症により貧血を起こしやすくなって、
駅までの徒歩は息切れし、電車で座れないと目眩を起こす。
元気に出かけても頭痛で食欲もなくなる。
一緒に出かけた友達に迷惑かけるし、ちっとも楽しくないだろう。
趣味だった山登りもこんなだから誘えないし、誘われない。
ひとりで出かけることが不安で心配で、
元々の引きこもり体質に拍車がかかっている。

世の中どんどんコロナ前の環境になっているのに、全然追いつかないでいる。

・あたらしい生き方を考えよう
から始まる文には、「エッセイストという生き方」を勧めてくれる。
「自分の豊かさ」と「自分のしあわせ」を知って、大事にする。
自分がどんな人間になりたいのかと考える。

自分を知ること、40代は振り返るにもよい年頃みたい。

松浦さんは、寝る前にその日の「よかったこと」を3つ思い出して手帳に書くようにしているそう。
「よかったこと」と限定すれば、ネガティブワードも出てこないし「いい言葉」を使えそう。
なかなか寝つけない自分には、おそらくこの方法は睡眠の質向上にもいいんだと思う。

そして何も考えない「ぼんやりタイム」をもうけること。
気づけばスマホを手にしてしまっている習慣を見直して「アンプラグドな時間」を意識したい。

初めて知った「ドクター・ユアセルフ(あなた自身の医者であれ)」という言葉。
自分自身を深く知り、心身の健康を守れる。
自分の人生に責任が持ってよりよく生きる。

書くことと決めつけず、それでも「エッセイストのような生き方」を目指していたら
心穏やかに日々の暮らしに満足できるのかもしれない。

#エッセイストのように生きる #松浦弥太郎
#Hütteの本棚 #ムササビ文庫

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