漆塗り弁当箱職人見習い / い し ぜ き は な

食べて、漆塗って、絵を描いて。/ 茶と山と温泉の街、静岡県川根本町へ2021に移住。/…

漆塗り弁当箱職人見習い / い し ぜ き は な

食べて、漆塗って、絵を描いて。/ 茶と山と温泉の街、静岡県川根本町へ2021に移住。/漆の民芸品「めんぱ」を作っています。 / instagram.com/o____iya.diary

最近の記事

やさしい鉄のトナカイ

3年半前に亡くなった清水の祖父は生前、家の隣で鉄工所を営んでいた。 そこは母の実家であり、小学3年生頃までは私もそこで祖父母と共に暮らしていた。 祖父の鉄工所では主に何かのパーツなどを製造していて、工場(こうば)は鉄の粉で真っ黒く、鉄の匂いがこびりついていて、隅にはいつもたくさんの鉄くずが積まれていた。 祖父は寡黙な人で、あまり笑わなくて、顔の堀が深くて、仕事熱心で、クラシックが好きで、苺も好きで、人参は嫌いで、飼い猫に好かれていて、祖母の作るご飯をいつ

    • 世界観の広さがミソ、めんぱ職人。

      お久しぶりです。大井川めんぱ大井屋の従業員、石関ですこんばんは。 私もめんぱ屋に勤めて1年4ヶ月が経ちます。 週5勤務で水、木曜日休みの大井屋。 休日は何してるかというと、静岡のあらゆるスポットへ親方と研修ドライブに出掛けたりしてます。 (今までで、井川メンパの海野さん工房、有東木の天然藍染め工房、天竜の鍛冶屋さん、漆の木の植林で日本平、羽鳥の建穂寺、御前崎の池宮神社、佐久間町の山住神社、掛川の大日本報徳社、芹沢銈介美術館、登呂遺跡などなど、などなど…………) 中には

      • 門出の季節、お弁当の思い出

        雪の降る町、川根本町も最近ようやく暖かくなり始めました。 春といえば、卒業や入学といった行事ですね。今日の出来事で、昔の記憶が蘇ってきたので今回は石関の思い出話も少々。 大井屋は毎年、井川メンパ発祥の地、オクシズ井川の中学卒業生にメンパをプレゼントしています。 これは店主前田さんが自ら考案した企画で、高校生になると街場に進学する井川出身の生徒さんたちに、故郷を思い出して頑張ってもらいたいという願いから始まりました。(なんて素敵なんだっ!!!) 予約もいっぱいな状況ですが

        • めんぱの病院、大井屋の存在

          1月の半ばに差し掛かりまして、私の住むこの川根本町、千頭の冬の厳しさを痛感しております。 私の出身は「ちびまる子ちゃん」の町、静岡県の清水区でして。温暖の国でぬくぬく育ちましたので、雪を見ると走り出す人種です。寒さ対策もド素人なので、風は吹かねど家の中でウィンドブレーカーを羽織る始末です。 この地で生き抜く覚悟を持って、川根の気候に慣れていかねばと日々感じます。 さて年も明け、大井屋は年に一度のめんぱ修理期間に突入しました。 「作る」だけでなく「治す」仕事もするのが大

          めんぱ女も note、はじめました。

          みなさん、こんにちは。 2022年の始まりと共に、私も自分の note を開くことにしました。よろしくね。 まずは改めて、はじめまして。私の名前は石関 華 (いしぜき はな) です。 現在、静岡県の民芸品「大井川めんぱ」の製作販売をする工房「大井川めんぱ大井屋」の従業員として働かせていただいております。 「めんぱ」とは、漆塗りの曲げわっぱ。 ざっくりご紹介しますと、お弁当箱ですね。 その昔から伝わる「漆器」は、ご飯を美味しく保存し、山仕事や漁に出掛ける日本人の日用

          めんぱ女も note、はじめました。