『シンドラーのリスト』(映画)感想

おおまかな筋立ては知っていたものの、恥ずかしながら初めて見ました。アマゾンプライムで。便利ですね、配信は。3時間超の映画は時間的、また体力的にも一気見することが難しかったため、4回くらいに分けました。

映画って分割して見たら邪道なのかななんて思ってましたけど、考えてみたら、小説なら好きなところで切りながら読み進めていくわけで、別に適当に分けて見てもいいはず。

今年はついに(?)映画を見ようと思い立っての本作。見てよかった。よく「全人類見ろ」みたいな大げさな文句がありますけど、本作はほんとに誇張なく「全人類見ろ」でしょう。お子さまにはちょっと難しいと思いますが。


落書きの絵も描いてみます。

主人公のオスカー・シンドラー(演:リーアム・ニーソン)は実在の人物だそうです。ドイツ人の実業家・商人で、ナチス党員でもあったとか。


舞台はナチス占領下のポーランド・クラクフ。酒好き・女好きでコミュ力の高い、ようするにチャラ男のシンドラーは、ナチスのお偉いさんの覚えもめでたい。強制移住させられたユダヤ人を自分の工場で安く働かせ、利益を得ます。


戦況の悪化に伴い、ユダヤ人の迫害・大量虐殺が本格的に始まります。容赦なく、虫けら以下の扱いを受けるユダヤ人たち。そんな中、シンドラーは自分の工場で働く従業員たちをかばいます。シンドラーの主張はあくまで「貴重な労働力・資産を奪われないため」。はじめはその言葉通りだったのでしょう。しかし途中から、視聴者の目には明らかに、「ユダヤ人を救う」という目的へと変化していきます。

終盤、ユダヤ人たちは絶滅収容所へ送られていきます。シンドラーは自分の従業員だとするユダヤ人の名を書き連ねた名簿「シンドラーのリスト」を用意させ、1000人以上のユダヤ人をチェコへと疎開させることに成功するのでした。


ドイツが負け、彼自身が命を救った大勢のユダヤ人たちの前で、「もっともっと……いや、あとひとりだけでも救えたはずなんだ……」と悲痛に叫ぶシンドラー。無言で彼を慰めるシュターンとの抱擁に、涙を抑えられる人はいないでしょう。

彼が救ったユダヤ人は、犠牲になった数百万人のほんの一部ではあったのだけれど、劇中で引用される「ひとりを救えるものが世界を救える」というユダヤの教えがやさしく響きます。


虐殺シーンが本当にすさまじく容赦ないので、これからご覧になる方は覚悟してご視聴ください。実話をベースにしているとはいえ、エンタメ映画でフィクションなのだけれど、現実に起こったことにそう変わりない、あるいは現実はもっと救いのないものだったかもしれません。こんなバカげたことが、わずか80年ほど前に起きたとはとても信じられない。もっと勉強しよう。そういえば今、『ヒトラーのための虐殺会議』って映画が上映中らしいですね。ユダヤ人虐殺を議論したヴァンゼー会議が題材だとか。タイムリーだから見に行こうかな。


ジョン・ウィリアムズ作曲のこのテーマ曲も、また素晴らしく美しく、物悲しいですよね。


お粗末な絵、失礼しました。でもめちゃくちゃ適当に描いたわりにはよい。また映画レビューマンガ(?)、チャレンジしてみます。


『シンドラーのリスト』原題:Schindler's List

1993年、アメリカ、監督スティーヴン・スピルバーグ


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