精神科のお薬の話

メンがヘラって20年近く経つ。数年前に双極性障害と診断され、それからちょっと入院したりもしつつ、なんとか生きてきた。

病気と今までの自分についての同人誌を作ったりもした。

でもその中でも薬のことについてはあまり触れなかった。なんとなくふと思いついたので、今日ここに書いておく。

今飲んでいる薬は以下の通りだ。

朝:アリピプラゾールOD錠3mg ×1
  スルピリド錠50mg ×1
  フェロ・グラデュメット錠 ×1
昼:スルピリド錠50mg ×1
夜:レキサルティ錠2mg ×1
  スルピリド錠50mg ×1
寝る前:ベルソムラ錠15mg ×1
    ルネスタ錠1mg ×2
    トラゾドン塩酸塩錠50mg「アメル」 ×2

ジェネリックなのもあって何が何やらって感じなので軽く解説する。

アリピプラゾールはエビリファイのことだ。双極性障害の躁状態の改善に用いられる。大昔に飲んであんまり合わなかった記憶があるんだけど、今は合っているみたいだ。

スルピリドはドグマチールだ。胃の働きを良くし、鬱状態の改善や気分を安定させる作用がある。私は調子が悪くなるとご飯が食べられなくなるのでこれを処方され、以後飲み続けている。

フェロ・グラデュメットは鉄材だ。赤い錠剤で、これを飲んでいると便が真っ黒になる。入院した時に鉄欠乏性貧血で、これを飲むようになってから入眠時の足のムズムズや唇の皮がべろべろに剥けるといったことが減った。これだけのせいじゃないかもしれないけど。

レキサルティは双極の躁状態や混合状態に効くらしい。これはジェネリックじゃない。比較的新しい薬なのかな?

ベルソムラは眠剤。これがないと眠れない。入院時にこれと出会って以降飲み続けている。

ルネスタも眠剤だ。特筆することはない。

トラゾドン塩酸塩錠「アメル」はレスリンのことだ。憂鬱な気分をやわらげ、意欲を高めてくれる。

と、今飲んでいる薬はこんな感じ。躁鬱と言えばリーマス、というイメージがあるかもしれないし、実際飲んでいた時期もあるけれど、今は飲んでいないし、それでもうまくいっている。これは個人差があるので何とも言えないけれど、絶対リーマスを飲まないとダメというわけではないらしい。リーマスは血液検査を定期的にしなくてはならないので、その煩わしさを考えると飲まないほうが楽ではある。

薬と言えば、過去一で飲みづらかったのがシクレストだ。前の病院で出されていたのだけど、これがめちゃくちゃ苦くてまずい。でも舌下錠で舌の下に入れてそのまま数分耐えなくてはならない。あまりの苦さとまずさに涙目になりながら服用していた。効き目があったかどうかはよく分からない。あんまりなかった気もする。

今もそこそこな量の薬を飲んでいるけれど、これでも少なくなった方だ。前の病院では確かもっと多くの薬を出されていた。しかも効果がイマイチだった。入院のために転院して薬を見直したところ、現在の処方で落ち着き、状態も改善した。前の病院ではちっともよくならなくて絶望的だったけれど、今は快適なので、セカンドオピニオン的なことって時には大事なんだなと思ったりした。

私は今のところ頓服は処方されていない。よく頓服として安定剤を処方される人もいるみたいだけど、私は前にちょっと貰ったきりで、今は必要ないとしてもらっていない。実際何とかなっている。いいことだ。

いわゆるメンヘラの人たちの一部ではお薬談議に花が咲き、やたら薬に詳しい人がいたりする。私も昔はそういうタイプだったけど、最近は関心をなくしてあまりそういう話はしないし、興味も持たなくなった。健全と言えば健全である。

いままでいろんな薬を飲んできたけれど、ほとんどよく覚えていない。どれがどんな風に効果があったとか、どれが合わなかったとか(合わなかったのは覚えてるべきなんだけど忘れちゃった)。そもそも何を飲んだかよく覚えてないし、お薬手帳のシールの印字も薄れて解読できない。だからお薬服用まとめ本みたいな同人誌出してみたら?と勧められたけど書けないな、と思って断念した。記憶がないのだ。

でもあんまり薬に執着しすぎるのも良くない気がしている。疲れるから。ほどほどの関心を持って付き合うのが一番な気がしている。少なくとも私はこれから先も一生飲み続けることになると思うので、ほどほどに関心を持ちつつ、気楽に付き合っていこうと思っている。

ちなみに「精神科の薬は危ないから飲むな」という人には近づかないことにしている。実際そう言われて悩んで病院の先生に相談したこともあったけど、勝手に辞めたりせずに処方の通りに飲むのが一番の回復への近道だ。なにより私は科学を信奉しているので薬は飲むことにしている。そもそも辞めろという人は私の人生について責任が取れるのか?取れるわけないのである。なのでいうことは聞かないほうが身のため。医学を信じよう。

さっきも書いたけど少なくとも私は薬とは一生の付き合いだと思ってる。それを苦しいとも悲しいとも思わない。目が悪い人がメガネをかけるのと同じで、人生を補助してくれるツールだからである。なかなか自分に合う薬と出会うのは大変で、私もそうだったように多くの人がその過程で苦労するけれど、いい薬と出会えると人生がちょっとだけよくなる。生きやすくなる。私は薬と二人三脚で、これからの人生を歩んでいきたい。


頂いたサポートは同人誌の制作、即売会等のイベントへの参加、執筆のための資料の購入などに充てさせていただきます。