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狂気山脈アニメ映画化プロジェクトがヤバい

いい意味でね。

狂気山脈アニメ化プロジェクトとは
“クトゥルフ神話”と登山を融合させたTRPGシナリオ 『狂気山脈 ~邪神の山嶺~』を原案とするアニメ映画制作に挑戦するプロジェクト。

※2023/5/17追記
このプロジェクトは、2023-02-28に募集を開始し、17,299人の支援により201,769,387円の資金を集め、2023-05-14に募集を終了しました

前提として、わたしはただの実況者オタクであり、TRPGは自分でプレイしたことがない。正確にはTRPGがなんなのかをWikipediaでさらっと読んだくらいの知識で1度だけプレイして、割としっかり、よくない感じになった。

その程度の人間でも、このプロジェクトはヤバいぞと感じたというお話になります。

第一回目のクラウドファンディング

一回目のCFでは、ナポリの男たちの狂気山脈面白かったし、せっかくだしやってみっか〜くらいのテンションで支援をした。正直この時点では「素人にしてはすごいな」くらいの自主制作アニメが作られると思っていたので「まだら牛さんがんばれ〜」以上の思いはなかった。

そんな軽い気持ちで支援したCFはあっという間に目標金額を達成し、最終支援額は1億を超え、「CAMPFIRE クラウドファンディング アワード2022」では総合賞第1位を受賞。

想定以上に集まった支援金を元手に、恐らく想定以上のクオリティのパイロットフィルムが完成した。

このパイロットフィルムを見たことでタイトルにある「ヤバい」に繋がるのかと思いきや、パイロットを見ただけの段階のわたしは、まだ「自主制作の域を超えている!すごい!」くらい。

わたしがヤバいと思ったのは実を言うとドキュメンタリーの方。

制作側からしたら「出来たもん見て感動してくれよ」って感じでしょうが、ヤバいもんはヤバいんですよ。見てない人は見た方がいいと思います。このドキュメンタリーでは、アニメを制作しようと思い立った経緯や、パイロットフィルム制作の裏側等が描かれており、ラストに映画本編を制作するにあたって再度CFを実施するというお知らせがあった。

クラウドファンディングで大事なこと

本プロジェクトについてミュージシャンのbambooさんがツイートをしていた。(ちなみにこれを見て言いたいことが溢れてきたので記事を書いた)

実はこのbambooさん、今回のCFでも使用しているプラットフォーム、CAMPFIREの顧問を2022年まで務めていた人物なのだが、そんな人が「お手本のよう」だと本プロジェクトを褒めているのだ。
何がすごいのかはbambooさんの著書「推される技術」を読むとよく分かる。(ステマじゃないよ)

詳しい内容については是非購入して読んでいただきたいのだが、当書ではCFをする上で重要な「サクセスに必要な6つの要素」として下記を挙げている。

  1. 予算組み
    目標額をいくらに設定し、調達した資金をいくらなにに使うか

  2. ムード
    人々に参加したいと思わせる空気を作れるか

  3. ドラマ
    支援したいと思わせるストーリーがあるか

  4. メリット
    金額以上の価値を示せるか

  5. ロマン
    物を買う以上の体験を提供できるか

  6. 客観視
    自分が支援したいと思えるものになっているか

ということなのだが、支援者側から見ると大体が3つ目の「ドラマ」に集約されていると感じる。

なぜ作りたいのか、どれほどの熱量・覚悟があるのか。人の心を突き動かすドラマがあるか。先にも述べたドキュメンタリー映像がこれにあたる。わたしはこれに突き動かされた。このドキュメンタリーが人に夢を共有させるための映像として完璧だった。

ドキュメンタリーを見たとき、まずわたしが最初に想像していた「素人にしてはすごいなレベルの映画」に終わらせてたまるかという気概を感じ申し訳なく思った。TRPGの狂気山脈を知らない人が見ても面白く感じるよう、山をやる人が見ても違和感がないよう、あらゆる分野の専門家を呼び寄せ、文字通り“山を創る”ところからスタートしていた。本当に人生を賭けているのだ。

映像内でまだら牛さんが仰っていた「一緒に夢を見てください」という言葉。そして再度CFを行うことが知らされた際「任せろ」「金ならある」「いくら必要なんだ」と頼もしい言葉で溢れるコメント欄。この人の夢が叶う瞬間を見届けたいと思わせるドラマとして十分すぎるものが揃っている。
これは言うまでもなく「ロマン」であり、これを見届ける体験こそが「メリット」になる。

そして客観視について。オーナーが支援者だった場合に支援したいと思えるかどうか。本プロジェクトはCF実施の発表後、想定以上の速度で高額リターンがOUT OF STOCKとなり追加リターンを望む声が多かった。そこでCFの発表翌日どんなリターンが欲しいか、いくらなら妥当かを視聴者に問う配信を行っていた。ファンの希望をできる限り叶え、その上すでに支援してくれた人が損をしないようにしなくてはならない。まだら牛さんはこういったことを自然に考え、行動に起こしている。そして、こうした支援者を巻き込んでもがく姿を見せることすら「ドラマ」になっているのだと感じた。

なるほどこれが「個人制作クリエイターがCFやる時のお手本になるようなやり方」であり「推される技術」か。
bambooさんがCF参加するなら俺の本読め、数倍面白くなるぞって言ってる意味がわかった。

制作費用3億円

らしいです。映画一本作るってんだからそりゃあそうでしょうよ。そもそもCFって手数料と消費税だけで支援金総額からざっくり27%くらい引かれるらしいですよ。そこからリターン品制作費送料その他諸々引かれて、目標金額8千万達成したところで、じゃあ残り2億2千万だね!とはならないわけだ。

手数料と税金たけ〜

アニメ制作素人が1から映画を作るという途方もないプロジェクト。かかる時間もお金も途方もないことくらい誰にだってわかる。

前回、あんなにもたくさんのご支援や応援を頂いたのに。
さらに助けを求めなければ先に進めない自分が歯がゆく、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。

謙虚すぎる。

今回、目標額である8,000万をもし達成したとしても、本編制作の全てを賄うには至らないでしょう。
同時並行でスポンサー獲得など様々な手段を模索します。

どう思います?
CFだけで3億達成して欲しくないですか?

支援しようか悩んでいる人。ためしにパイロット制作ドキュメンタリーを見てみて欲しい。まだら牛という男がどれだけこのプロジェクトに人生を賭けているかを知って、願わくばプロジェクトに加担してみて欲しいと思う。

人のクソでかい夢の片棒かつげることってそうそうないと思うので、良い体験ができると思いますよ。

貰えるものは貰っておきたい