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停電の恐れってどう言うこと?


ちょっと前までは、電力の需給のピークは夏の午後であった。ちょうど甲子園が盛り上げっている午後2時ごろ。その頃が冷房の需要がピークに達していたのである。そこがピークになると停電の恐れがある。だから、電力会社は夏のその時間の冷房を止めて、なんとかピークを抑えようとしていた。ピークの需要量で発電所を増設しなくてはいけなくなってしまう。だから、「電気を大切にね!」と言うキャンペーンがあったのだ。よく夏の熱帯夜に老人がエアコンをつけずに熱中症になって亡くなってしまうと言う事故があったが、その点から言えば、これは全くのナンセンス。夜にはピークがないので、ある程度使っても大丈夫だったのである。かわいそうに。真面目な老人のそれは無駄死にである。その事情が根本的に変わった。太陽光発電が増えて、夏の昼間の需要ピークの時に、太陽光発電は発電量が同じようにピークになる。その結果、電気を使うときに、たくさんの電気が作ることができるようになったので、その時間帯のピークは無くなったのである。実際に、電力会社は夏の節電キャンペーンに力を入れていないように思える。

さて、電力需要のピークはどうなったか。冬の夜になったのである。エアコンオンの導入が進んで、暖房器具自体がエアコンが中心になってきた。一般人が会社からの人々が家に帰り、寒いねーとエアコンをつける瞬間にピークがうつった。エアコンはつける時にインバータが働き、大きな電力を消費する。それが夜のピークの正体である。実はこれ昨年の年末も同じような状況があったのだが、これに今回の地震での火力発電所の復旧の恐れが重なった。そう言う意味では事故に近い。だが、もともとシステム自体も脆弱なのである。差し当たりはエアコンの使用を控えるなどの工夫が必要だ。今すぐには対応できないのだが、建物の断熱性能が大事になってくる。断熱性能が上がるとまずピークが分散される。また、断熱性能が上がるとそもそも暖房負荷が減ってくる。おそらく等級6、等級7になるとその効果が実感できるようになる。

断熱はエネルギー需要のピークも低減でき、全体量も減らせる。その元となっている考え方を正しく理解し、国全体でこれを進めていかなくてはならない。現国会で建築物省エネ法が検討中になっていることはまさに愚策中の愚策だと思う。本日、予算委員会で立憲民主党の福山議員が斉藤国交省大臣に「この法案自体の検討中であること、建築物のエネルギー評価の義務化が先送りされたこと」など中心に質問が行われた。そろそろ岸田総理大臣が動かなくてはいけないのではないかと思います。

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