下妻市にたどり着くまで
断られたファーストアクション
さて、農業を始める!と決めたは良いものの選択肢は無数です。
転勤で愛媛に住んでいたので、柑橘産地の愛媛も良いと思ったり、実家に近い関西の方がいいかなと考えたりと思考を巡らせていました。品目もイチゴ・ブドウ・梨…と決め切れていませんでした。
一つ共通しているのは、どこに行くにしても「よそ者」。
新規就農者を受け入れる意思と素地のある産地でないと苦しくなるのは明白です。
研修先に土地、農業機械をおけるような大きな家などを手に入れるには地域に根付く必要があります。
そんなことを考えていたところ、当時の彼女(今の妻)の実家が下妻市でした。「下妻は梨の産地だよ」と教えてもらい、とりあえず市役所に連絡してみました。
電話で
私「新規就農を考えています。下妻市が梨の産地だと聞いてご連絡しました。新規就農の状況を教えてください。」
市「息子や孫が後継者として園地を受け継ぐところが多いです。なかなか園地が空き辛い状況です」
市「ちなみにおいくつですか?」
私「25歳です」
市「まだお若いので焦らなくて良いと思います」
おおよそこんな感じで、やんわり断られました(笑)
逆転のリサーチ!
これを聞いて、
「後継者が多いということは儲かるってことだな」
と感じました。
後継者不足で悩む産地が多い中、この環境は
「いい産地かもしれない」
本当に下妻市が新規就農者を受け入れるつまりがないのかどうか調べることにしました。
職権を使って、新聞に掲載された下妻の梨関連記事を漁りました。
そこで出てきたのが
生産者で組織する下妻市果樹組合連合会でした。
輸出
ブランドの育成
加工品の販売
https://iju-ibaraki.jp/wp-content/uploads/2022/07/1b2ae37fa374d8575ee5c2feb176b9e5.pdf
など、さまざまな施策に取り組む産地でした。上記の資料にはありませんが、連合会が移住候補者を産地案内したという事例も見つけました。
「これなら断られる理由がないな」と、
改めて市役所へ連絡しました。
私「以前連絡したふなつです。今、日本農業新聞というところで働いておりまして、下妻市果樹組合連合会で移住候補者を産地案内したという記事を見かけました。産地へ実際にお伺いしたいのですが可能でしょうか」
市「日本農業新聞の方なのですね。そういう人がいるということを農協や連合会に連絡してみます」
と、180度変わりました。
取材では事前に調べてから連絡していたのに、情けない。
ちゃんと調べるべきでした。
ある意味試されていた部分もあるのかもしれません。
電話で知らない若者に、しかも愛媛から「新規就農したい」と言われてもどこまで本気にしていいか分からないですよね(笑)
追い風の下妻視察
2022年の8月に下妻市へ視察することになりました。
市役所職員、農協職員、農家など計10人くらいに出迎えられました。
歓迎されているように感じました。
当日は新規就農をするにあたっての不安点を共有した後、園地や選果場を視察しました。
思い出せる限りですが
畑の有無
研修中の金銭関係
梨は儲かるのか
研修先の有無
なんて話をした記憶です。
懸念が払拭!地域おこし協力隊制度
ほとんど大丈夫でしたが唯一の懸念は金銭面。
研修をさせてもらう農家に給料を出してほしいとは言いづらいけれども、無収入はキツイ。
ここが唯一、頭を抱える部分でした。
ただ、「始めるのであれば協力する」と当時の彼女(現妻)は言ってくれていてのでお金はどうにかなる。そうはいっても、自分のやりたい事のために人の収入に頼るなんて情けない気持ちもありました。
そうこうしていたところ市役者から電話が。
地域おこし協力隊で「梨で独立するために栽培技術を学ぶ」というミッションで募集すると連絡がきました。これで懸念が全て払拭。
応募して、採用となり今に至ります。
余談ですが産経新聞が取材してくれました。
リサーチと必要な要素を揃えるのが大事
ざっくりと研修スタートまでの道のりをまとめました。
新規就農したい人に声を大にして伝えたいことは
出口と研修の充実度にこだわれ!
です。
同じ地域おこし協力隊でも、さまざまです。
同じような内容でも「独立する畑がない」「研修が研修とは呼べない」なんて声を聞きます。
自分がどういう経営をしたいのかを基に逆算して就農場所を決めていただくと吉かと思います!
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