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今年の海は多分ヤバイ

続々と今年の海水浴場開設中止が決まっています。都内からアクセスが良く、例年だと320万人ほどが利用する神奈川県の海水浴場も、そのほとんどが開設をしないことが発表されました。県から要請のあった感染防止策の徹底ができないとの理由によるものです。

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海水浴場とは?

海水浴場とは、県などの承認を元に市町村などの自治体が管理運営をし、定められた区域と期間内においてお客様に安全で楽しく遊んでもらう為の海岸及び海に設けられた一定のエリアのことです。期間内であれば自治体は海水浴場という名の下お客様を誘致でき、事業者はルールを守り商売ができます。お客様としては、その事業者から海を楽しむ為の付加価値としてシャワーや更衣室が設置された施設を利用でき、かつライフセーバーによる安全も担保されている。という状況です。

今回、神奈川県においては県からの要請により新型コロナウィルス感染防止の為の規定が海水浴場開設の条件に盛り込まれました。その内容には砂浜における2m(最低1m)間隔の人と人とのソーシャルディスタンスを施す為の目印の実施義務。など、現実的には実施不可能な内容が掲げれれており、各海水浴場を取り仕切っている自治体や団体はやむなく開設を断念したのではないでしょうか。

海水浴場を閉鎖したからと言ってコロナの感染リスクがなくなるの?

それではこれで、本来の目的である海岸におけるコロナウィルスの感染リスクがなくなるのでしょうか。間違ってはいけないのは海水浴場が設置されないからと言って、海岸及び海への立ち入りが禁止されたわけではない。ということです。そもそも海は常にそこにあり、生活に根ざした一般的な共有財産です。むしろ、海水浴場が開催されないことにより、遊泳者、サーファー、ジェットスキーなどの様々なレジャーを楽しむ人たちの線引きがなくなり、より無法地帯、人とのトラブルや事故が多発するという懸念が上がっています。

なぜこのような事態に陥ってしまったのでしょうか。私が思うに、今回の海水浴場の開催において議論されるべき方向性、本来の目的は、【新型コロナウィルスの感染リスクを減らした上で、いかに海を楽しんでもらうか】であるべきでした。その為の手段としてソーシャルディスタンスなどの必要要素が現場主導で検討されるべきだったのです。

しかし、実際の管理運営をする現場の意見は聞かず、規定ありきの要請を県が出してしまったことにより、現場においては海水浴場開設における規定の【ソーシャルディスタンスをどのように実施、実現するか】が目的となってしまいました。もちろん現場を知らない人間が出した規定の中身など、到底実施不可となり、海はそこにあり人は来るのに海水浴場は開設しないという前代未聞の矛盾した構造が出来上がってしまったのです。

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今後の動き

このままではまずいと、海水浴場を守るライフセーバーなどが、土日限定で海の治安や秩序を守るべきではないか。という動きもで出ています。私自身もいちライフセーバーとしていつでも参加できる準備できています。しかしこれもまたその場しのぎの対応にしかなりません。

一番大事な事は、これからのコロナの時代において自治体や事業者、ライフセーバーなどの団体による現場主導のルールづくり、そして、そのルールが管理者がいなくても当たり前にできるという一般の方への海辺教育なのではないかと考えます。本来海とは誰のものでもなく私たち一人一人に平等に与えられ、私達の手によって未来永劫守っていかなければならない共有財産なのですから。


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