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シンガポールで近江牛が静かなブーム?

 ここ1週間ほど、散歩中に近江牛のメニューを見つけることが続いた。滋賀県出身として、驚きとささやかな感動と共にこの記事を書いている。
※いずれも通りかかったのみで、食レポはなし。悪しからず。


La D'Oro(イタリアン)

 マンダリンギャラリー1階のイタリアンレストラン。外からは分からなかったが、La D'OroとTrattoria di La D’OroでHPが分かれている。業態が違うのか。

Trattoria di La D’Oroのメニューより。
Daikichi Farmということは、滋賀県高島市の大吉商店(明治創業)から卸しているのか

 「200gで98SGDだったら、妥当な値段じゃない?」と母。サービスチャージとGSTが加算されることを説明したら、声のトーンが少し落ち着いていた。

Ushiyama Yakiniku(焼肉)

 ホランドビレッジのホランド・アベニュー沿いにある焼肉屋。こちらも、HPに大吉牧場(Daikichi Ranch)の近江牛を取り扱っていると記載されている。上記と同じ、大吉商店から取り寄せていると考えていいのだろうか。

Google Mapsのレビューは一番古くて1週間前のもの。最近オープンしたのだろう

Ginkyō by Kinki(創作和食)

 ホランドビレッジに2023年12月オープンしたショッピングモール、One Holland Village。その3階にある、和食フュージョンレストラン。運営は、オーチャードのBedrock Bar & Grillや、Camden Medical Centreの1階という変わったロケーションにあるFAT COW等と同じCommonwealth Concepts

この値段で、どれぐらいの大きさのステーキなのか気になる

銀閣寺大西(精肉店)

 滋賀県ではスーパー「スター」「阪急オアシス」に入店する銀閣寺大西。海外初となるシンガポール店は、2019年9月ジョー・チャット/カトン地区にオープンしている。2022年1月には、第2号店をウエストコーストプラザにオープン。オーチャードやリバーバレーではなく、かつ日本人が住んでいる地域を何となく押さえて出店しているところに、堅実さを感じる。

銀閣寺大西のHPより拝借

近江牛の輸出歴は長い

 ここ数日でOhmi Beef、Ohmi Wagyuを見かけることが多かったが、近江牛輸出振興協同組合によると、10年以上前に近江牛の輸出を開始しているようだ。

取扱頭数・主な輸出先
2010年度 H22年度 87頭 シンガポール・マカオ

近江牛輸出振興協同組合「事業実績」より

 また、2023年には海外バイヤーを招聘し、県内の食肉センターで特別オークション(競り)を開催している。

 近江牛の拡販は、三日月大造知事肝入り?の事業だ。

 滋賀県の畜産を巡る官民の代表は(2024年3月)22日、県庁で特産の「近江牛」の品質向上、生産の担い手育成を目指す協議会の設立総会を開いた。(…)
 立ち上げたのは「全国和牛能力共進会『近江牛』出品対策協議会」で、(…)県は2023年11月、アルファベットで「Omiushi(おうみうし)」と表記した近江牛の新たなロゴマークを定めるなど、外国人需要を意識している。

日本経済新聞「滋賀の官民、近江牛売り込みへ新協議会 輸出拡大にらむ」より

 近江牛など県産の農畜水産品の輸出拡大を図るため、県は生産団体などでつくる「県農畜水産物等輸出促進協議会」を設置し、(…)海外の商談会や物産展への出展、商品の輸出を希望する事業者らへの情報提供や相談窓口の役割を担う。(…)
 県によると、現状では主に近江牛や米、茶、酒といった県産品が輸出されている。2022年度は近江牛はシンガポールやタイなどに922頭が輸出されたほか、22年産の米が台湾や香港などに998トン、23年産の茶が米国や欧州連合(EU)などに199トン輸出された。

読売新聞オンライン「県農畜水産物 輸出拡大へ」より

 総合近江牛商社も相当パワフルだ。契約牧場直送の近江牛と、農場から直送される近江米が看板メニューの焼肉店「近江焼肉ホルモンすだく」の1号店を2019年に出して以降、急ピッチで店舗数を拡大。現在、滋賀県内で20店(東京、大阪を含む全国で45店)を展開する。
 その勢いはとどまるところを知らず、一気に世界へ足を伸ばしている。

 株式会社総合近江牛商社(本社:滋賀県栗東市、代表取締役:西野立寛)は、シンガポール法人の設立と、シンガポールで開催されるフランチャイズイベント「Singapore Expo」に出展いたします。(…)

株式会社総合近江牛商社「【近江牛を世界へ】滋賀県発の焼肉店のシンガポール法人の設立とSingapore Expoへの出展のお知らせ」より

 シンガポールでなかなか手が出なかった「Sushi」。そのイメージ(とアクセシビリティ)が、ドンドンドンキ(出店開始:2017年)とスシロー(出店開始:2019年)によって一変したように、今後更に手頃な価格で近江牛を手に入れられる日も近いかもしれない。

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