シンガポール住民の半数近くが「経済的自由を達成できない」と感じていることについて
お金を稼ぐための国シンガポールで、シンガポール市民(帰化した者も含め)と永住者のリアルが垣間見える記事を発見した。
老後2000万円問題どころではない。老後7,000万円(弱)問題だ。
元ネタである「Singlife Financial Freedom Index 2024: It could now take Singapore consumers 30 years to attain financial freedom」を覗いて、少し補足してみる。
回答者の個人月収の中央値はS$4,922(約547,104円)
年間貯蓄の中央値はS$20,195(約2,244,371円)、月額約S$1,682(約186,943円)。この金額に基づくと、「経済的自由」の達成には30年を要すると考えられている
2023年の調査では、「経済的自由」の達成に必要な金額はS$566,640とあり、今年は金額が8%増加している
更に、もう少しニュースを読んで理解を深めてみる。
子どもを持つことで経済的自立が遅れるという感情は、55歳から64歳の回答者、末っ子が16 歳以上の回答者、また月々の世帯収入が高い回答者の間で、より一般的であった
「経済的自由」とは、回答者によれば、心配することなく希望するライフスタイルを送る能力(21%)、借金の義務から解放されること(19%)、ライフスタイルを支える安定した仕事があること(12%)、自由にお金を使う能力(10%)を意味していた
この調査で用いられる「経済的自由」という表現は、必ずしもFIRE(Financial Independence, Retire Early)を意味しないようだが、「希望するライフスタイル」が気になる。シンガポールでは「5つのC」を持っていることが成功の証と言われているからだ。5つのCとは、すなわち
Cash(現金、というよりは購買力を指す)
Car(車)
Credit card(クレジットカード)
Condominium(コンド)
Country club(カントリークラブの会員資格)
を指す。もっとも、5Cは物質主義から変容し「Cash」「Culture」「Credibility」「Career」「Convenience」になりつつあるという指摘も存在する。
快適に生活するためには月々2,856ドルが必要と考えつつ、現実には月額約1,682ドルしか貯蓄できていない——そんな回答者の「希望するライフスタイル」を聞いてみたい。また、シンガポールに住む永住者以外の外国人のデータがあれば、是非チェックしたい。