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シンガポール生活のこと(日々の色々〜本帰国まで)

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シンガポールの生活について。支出のことは「お金のこと」マガジンでまとめています。
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2024年9月の記事一覧

エリック・クー監督「12階」のロケ地を訪ねて(シンガポールの街を知る:クイーンズタウン)

 シンガポールを代表する映画監督の1人であるエリック・クー(Erik Khoo)の作品、「ミーポック・マン」(Mee Pok Man、1995年)。その後に制作された「12階」(12 Storeys、1997年)は、同年カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で上映され、海外にシンガポールの存在感を示した。同じHDB住宅に住む3人(同じ空間にいることはあっても、交流はない)の暮らしが、飛び降り自殺をしたある男性の魂と共に描写されるという、少しシュールな演出がなされているが、経済成長

アメリカ大統領選挙2024に「参戦」した懐かしい方

 私のパートナーはアメリカ人だが、大統領選挙にはコミットしていない。今回に限らず、大体毎回。  私はというと、2016年の選挙から専らリアリティ・ショーとして経過を追っている。時に歯切れ良く、時にスキャンダラスにアメリカ大統領選挙を報じる政治系Youtubeチャンネルを、最近視聴し始めたものも含めて紹介したい。トランプ政権で話題になった、ある懐かしい方もお目見えしている。  ちなみに、「フェイクとポピュリズムは民主主義の本質」と論じた佐伯啓思氏の京都学派的エッセンスが詰まった

シンガポールで近江牛に舌鼓【1】

 滋賀県出身の身として、近江牛には特別な思い入れがある。最近、シンガポールで近江牛が静かなブームになっている気がしており、良い意味で心がざわざわ。 今回遂に近江牛を味わってみたので、そのレポートを簡単に行いたい。 Ginkyō by Kinki(創作和食)  ホランドビレッジに2023年12月オープンしたショッピングモール、One Holland Village。その3階にある、和食フュージョンレストランに今回お邪魔してみた。  狙うはもちろん、近江牛ステーキ。  

日本映画祭と、シンガポールの穴場映画館

 あと1週間弱で、The Japanese Film Festival(JFF、日本映画祭)が始まる!  黒澤明監督の「夢」「天国と地獄」「生きる」「乱」「羅生門」「七人の侍」が上映されることはもちろんエキサイティングだが、森田芳光監督レトロスペクティブ特集というチョイスも何ともいえない。しかも、 シブがき隊 ボーイズ&ガールズ(1982年) (本)噂のストリッパー(1982年) 家族ゲーム(1983年)*4K RESTORATION* ときめきに死す(1984年)

【後半】シンガポール日系クリニックの機微

「日本人医師は、日本の医師免許だけで医業ができる代わりに、その業務内容が制限される(つまり、条件つきでシンガポールでの医師免許を与えられる)」 「条件つき医師免許を取得できる日本人医師の数にも、限りがある」 その根拠は何か? そんな素朴な疑問から、この記事はスタートした。【前半】では、 外国人医師(またはシンガポール以外の国の医学部で学位を取得した医師)がシンガポールで医業を行う際の免許登録条件 外務省「日・シンガポール経済連携協定」等様々な文書に目を通した結果、「日本の

【前半】シンガポール日系クリニックの機微

 シンガポールにはいわゆる日系クリニックが複数あり、日本人医師が数多く在籍している。 ※日本人患者のみの診療を対象としている場合、シンガポール資本のクリニックでも日系クリニックと呼ばれることが多い  そう遠くない昔、日系クリニックで働いていた時に 「日本人医師は、日本の医師免許だけで医業ができる代わりに、その業務内容が制限される(つまり、条件つきでシンガポールでの医師免許を与えられる)」 「条件つき医師免許を取得できる日本人医師の数にも、限りがある」 という話を、医師か

古本貸し出し屋?

  ショッピングモール帝国、シンガポール。その中でも、渋いレトロモールを愛してやまない。建物は古いが店舗はしっかり営業していて、そこそこ賑わっている。どこにニーズがあるのか分からないビジネスも垣間見ることができる。特に、煤けた結婚相談所のオフィスは食い入るように見てしまう。  オーチャードのFar East Plaza(1982年開業)も、かなりいい味を出している。ヘアケア用品、スキンケア用品、ドレス等の販売店やエステサロン等が目立つが、飲食店や洋服仕立て直し屋(alter