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スクラムにおける「ゴール」の捉え方を自分なりに考えて得た気づき

改めてスクラムの基本に立ち返って得た「気づき」

先日ある業務の一環で、スクラムの「理論」と「価値基準」に徹底的にフォーカスして学習する機会がありました。
そこで改めて気づいたのが、「理論」と「価値基準」を如何に実現できるかと同じくらい、プロダクトやチームをより成功に導くために「ゴール」という存在が極めて重要だということでした。
その中で気づいた違和感とこの「ゴール」の重要性を自分の中でしっかり言語化したく、この記事を書くことにしました。

スクラムの理論は「3本の柱」ではなく、「4本の柱」では無いのか?という違和感

ご存じの方も多いと思いますが、スクラムの理論である3本の柱は「透明性」「検査」「適応」と定義されています。ざっくり書いてしまうと
「透明性」があるから「検査」可能な状態になり、「検査」ができるから「適応」するためのアイデアが生まれ、「透明性」あるプロダクトやチームに「適応」することができる。
といった具合です。
今までスクラムを実践していてこの言葉通りの解釈をしていましたが、ここで先ほどの「ゴール」の存在を考えた時に、私はスクラムの理論に「ゴール」が無いことに違和感を感じました。
私の理解をざっくりと書くと、
プロダクトやチームにおける「ゴール」には「透明性」が必要で、プロダクトやチームそして「ゴール」に透明性があるからこそ「検査」可能な状態になる。
「検査」するにはプロダクトやチームと現状と目指すべきプロダクトやチームの「ゴール」の両者がある必要がある。
その「検査」をもって「適応」するためのアイデアが生まれる。
「適応」のアイデアはすべてプロダクトやチームの「ゴール」を達成するためにある。

という解釈です。「透明性」あるゴールは重要だし、「検査」や「適応」する対象には必ず「ゴール」の存在があるはずなのに、なぜ理論に含まれないのか気になって仕方なくなってしまいました。

簡単に図にするとこんなイメージ

理論の先にある「ゴール」

この話を社内外でアジャイルコーチを務める先輩にしたところ、
「ゴール」を実現するためにフレームワークや理論が存在するという解釈を以下のように説明してくれました。
「ゴール」と現在地の差分を知るため「透明性」が必要で、「検査」と「適応」をもって「ゴール」に向かっていくということ。
たしかに読み返してみるとスクラムガイドに以下のような記載がありました。

スクラムはシンプルである。まずはそのままの状態で試してほしい。そして、スクラムの哲学、理論、構造が、ゴールを達成し、価値を生み出すかどうかを判断してほしい。

スクラムガイド2020 「スクラムの定義」より

スクラムの理論もあくまでゴールを達成するための1つの要素であるということだと思いますし、ゴールを達成するためにスクラムというフレームワークが存在するし、多くの現場で使用されているのだと思いました。

すべては「ゴール」のために

「ゴール」はスクラムの理論の柱には含まれず、その先にあるものだと腹落ちすることができました。そこで改めて認識できたのは「ゴール」という存在の重要さです。スクラムでは「プロダクトゴール」や「スプリントゴール」が明示的に定義されていますし、それらを実現する上で「チームのありたい姿」という「ゴール」もまた必要になってきます。
また、スクラムだから「ゴール」が大事なのではなく、手段に捉われずどんなことにおいても「ゴール」を設定することは非常に大事だと思いました。
当たり前のことのように思えますが、大いにして「ゴール」を見失って作業するだけになってしまったということは私も経験上よくあります。
自分たちのやっていることがきちんと「ゴール」に向かっているか?透明性を持って検査と適応を繰り返すことはスクラム以外でも大事な考えだと知ることができました。
私自身もこの経験を経て、改めて自分のチームやあらゆる活動で「ゴール」は何だったか?そしてその「ゴール」は「透明性」があって「検査」と「適応」ができる状態になっているか?を見直す機会になりました。
ぜひこの記事を読んでくださったみなさんも同じように「ゴール」を改めて見つめ直す機会になるとうれしいです。


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