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日本一遅いJFL 2020新戦力まとめ〜その1(Honda、ソニー、武蔵野、宮崎)

第22回日本フットボールリーグ。
本来ならば3/15に開催され、先週末で既に3節まで消化されているはずだった。
現状先の見えない延期が続いている。いつからJFLが開幕するのか、どのような日程になるのかは全く見えず、生活自体も不安が多い。
とはいえ、いつか来るべき開幕に向けて、情報は発信しなければいけない。
ただでさえJFLなんてニッチなのだ。

多分他の方々が開幕に合わせて様々なレビューを書いているだろうなかで、本来の開幕から3週遅れで繰り出す、各チームの新戦力まとめレビュー。
毎日4〜5チーム。自宅待機中の暇つぶしにどうぞ。

(注:試合数は大学・社会人リーグ戦の成績を記載しています。また、各種データについては、各チームのHP、大学・社会人サッカー連盟HP・SNS、適宜Wikipedia等を参照の上作成しました。アップデート不足・記載不備・誤記等ございましたらすみません。コメント頂けましたら可能な限り修正いたします。)

Honda FC(昨シーズン:優勝)

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 昨年度で4連覇を果たしたHonda FC。選手の入退団は4名。大きな選手の入れ替わりはありませんが、10年以上チームを支えた川嶋正之細貝竜太の両ベテランが引退。川嶋は前半戦のレギュラー、細貝はほぼ全試合ベンチ入りと、戦力ダウンは否めません。また、昨年JFLのベストイレブンを獲得し、天皇杯でも大きなインパクトを残した遠野大弥がJ1川崎にジャンプアップ移籍。今シーズンはJ2福岡にレンタル中ですが、開幕戦でゴールを決め、活躍が期待されます。一方、得点源を失ったチームの穴は予想以上に大きいでしょう。
 その穴を埋めるのは、大卒新人3選手とU-18から昇格した平川貴也の4選手。岡崎市出身の岡﨑優希は流経大ドラゴンズでもレギュラーとしてプレーし昨年は6得点。多くの対戦相手と戦った経験がある分、得点源としての期待が高まります。近畿大学出身コンビも退団選手の穴埋めのみならずレギュラーに割って入る活躍を期待。川畑隼人はMFながら185cmの長身でチームにいなかったタイプ。川浪龍平はSB、CB両方こなせる万能DF。3バックと4バックを使いこなすチームなだけに、起用の機会は少なくなさそう。大学時代はキャプテンということもあり、将来の主将候補としても期待。

ソニー仙台FC(昨シーズン:2位)

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 監督の交代がありながらも、きっちりと2位で門番の役割を果たしたソニー仙台。今シーズンは流出の多いシーズンオフとなりました。
 昨シーズン11得点をマークした杉田真彦がJ3藤枝に、在籍4年間で29得点の鈴木翔大・昨年最終ラインで奮闘した田中龍志郎がいわきFCに揃って移籍。さらに、ベテラン金子進森原慎之佑らに加えてここ数年レギュラーだった菅井慎也も引退。

 特に、移籍した3人は入団2〜4年目と、これからのチームを引っ張って欲しいところでの移籍というのは痛いところ。とはいえ、このチームはこれまでも結果を残した若手がステップアップのために移籍していくケースは多いので、ある程度は想定内だったかなと思います。近年だと前澤甲気(沼津)、有間潤(今治)などが移籍先でも活躍していますね。

 新入団は全て大卒選手7名。関東、関西のを有力大学を中心に選手を獲得。順天堂大からは鈴木啓太郎が杉田、石上に続いて3年連続の加入。地元仙台大学からは吉野蓮が加入。こちらも出身選手の多い大学ですね。企業チームはなんとなくコネクション的なものが見えるのも面白いところ。興味深いのは江戸川大学出身の金井冬土。チームの主将で10番だったそうですが、あまり聞かない大学(千葉県大学リーグ所属のようです。)で実力は未知数。気になります。

東京武蔵野シティFC(昨シーズン:4位)

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 昨年は100年構想クラブとなってから初めてJ3参入条件の4位をマークした武蔵野。飯塚渉金子剛とベテランが引退した他、全試合出場を果たした寺島はるひ、JFLベストイレブンに選ばれた水谷侑暉が揃って奈良クラブへ、ルーキーながらレギュラーに定着した大竹陸が三重にそれぞれ移籍するなど、多数のレギュラー選手がライバルチームに流出し、戦力のダウンは否めない状況。

 一方の新加入は9選手。J3から1名、JFLから3名、大卒選手を4名、トップ昇格選手1名とバランス良く補強をした印象。2選手の抜けたGKは190cmの長身、流経大ドラゴンズでもプレー経験がある西岡佑馬と下部組織出身の児玉潤が加入。J1仙台でもプレー経験のある差波優人の加入の他、一昨年の関東大学リーグを制した早大から金田拓海を、昨年大学3冠を果たした明治大から長身FW中川諒真を獲得。青森から移籍の小口大貴は両サイドバックで大竹の、三重から移籍のレフティー佐々木亜門は水谷の穴を埋める活躍を期待したい。

 選手層自体は充実した感がありますが、寺島の抜けたセンターバックや高さのある選手の減った最終ラインの不安はここ数年未解決。また、昨年ほぼ不動だったダブルボランチの岩田啓佑高慶汰に加えて本田圭佑鈴木裕也が控えるボランチに差波、金田が加入し完全な飽和状態となるなど、ポジションごとにばらつきが生じているのは気になる。池上監督の選手のやりくりにも注目。

テゲバジャーロ宮崎(昨シーズン:5位)

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 一昨年の12位からJFL昇格後最高位となる5位にジャンプアップした宮崎。100年構想クラブ承認に加えて、新スタジアムも着工と、J参入に向けて追い風が吹いているように感じます。

 シーズンオフは10選手が入れ替え。レンタル移籍加入だった橋口拓哉岡村大八がそれぞれレンタルバックで退団したほか、主力級では22試合に出場した川里光太郎が鈴鹿に移籍。最古参の村尾龍矢をはじめ、出場機会が僅かだった鈴木淳宮田直樹の30代3選手が引退、同じく出場機会に恵まれなかった大卒2年目の選手が退団・引退。

 一方の新入団選手は、ベテランと大卒新人、レンタル選手をミックス。JFL15年目の大ベテラン大杉誠人、愛媛・富山で活躍した代健司、長く鹿児島でプレーしたGKの植田峻佑の30代3選手でディフェンスラインの強化を狙います。どの選手も昨シーズンチームの半数以上の試合でプレーしており、戦力として計算できるでしょう。

 大卒選手は地元九州の大学出身選手を中心に獲得。梅田魁斗は九州大学リーグで得点ランキング4位となる13得点9アシストをマーク。水永翔馬サミュエル藤岡浩介らのFW陣に割って入る活躍を期待。また、Kyuリーグで昨年10得点を挙げた海邦銀行SCの川満陸を獲得。海邦銀行SCからの個人昇格というのはほぼ初ではないでしょうか。沖縄生まれ沖縄育ち、プロフィールからもハングリーさが伝わるので、個人的には応援したくなるタイプの選手。リハビリ中とのことだが、DFながら昨年大学リーグ11試合で3得点6アシストをマークしている綿引康も注目。

 昨年に続いてJリーグからのレンタル選手を2名迎えていますが、今年は近隣の鹿児島ユナイテッド、FC琉球からそれぞれの地元出身選手を獲得。この辺りも、九州出身選手の獲得を強く押し出しているように見えますね。


上位チームといえど、ステップアップや引き抜きでの戦力ダウンや世代交代が見え隠れするのがJFL。毎年選手を入れ替えながら、4連覇を達成したHondaの強さがいかに異次元かがわかります。明日は上位を伺う位置の6〜9位をレビューします。

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