見出し画像

#20代マーケピザ 養成所 「決算書から企業のビジネスモデルを読み解く」 個人課題

こんにちは!
今回は #20代マーケピザ 養成所の9月定例会の個人課題の発表をnoteにまとめました!

お題についてはこちら

ぜひ、一緒に課題に取り組む方の参考になれば幸いです!!
それでは、早速課題の発表です!!(スライドベタ打ちしてもわからないと思うのでテキストでまとめています。)

目次
①選んだ業界とその理由 
②その業界内の企業の分析(1社目)※ 
③その業界内の企業の分析(2社目)※ 
④その業界内の企業の分析(3社目)※ 
⑤業界の課題と自分がその業界に新規参入するなら何をするか

①選んだ業界とその理由

僕は、「ファッションEC」業界を選びました。
業界を選ぶ際に意識したのは下記の3つです。

1, 自分が分析を楽しめるか 

>決算書ってやっぱり難しそう。。。というイメージが拭えず、自分が興味を持てる業界を中心に業界選定をまずは行いました。(HR系、Saas事業、エンタメ、音楽、ファッションなんかをキーワードに各業界のカオスマップや上場企業を見ながら選定しました。)
2, 深い学びを得られるか?
 >課題図書のシバタさんの著書で得られなかった気づきや学びが得られるかというのを観点に業界選定をしました。そこで、著書にはなかった業界を選ぶか、著書の中の業界を更に狭く、深く分析するかということで、自分は狭く、深く分析することにしました。
3, ITに関係するか
 >これは、最終的に自分がその業界に新規参入するなら何をするかということがアウトプットにあるので、参入障壁が低く、自分が本業でも携わっているという意味でITという縛りをつけました。(オフラインも興味あったので他の方の発表であればめちゃくちゃ興味あります。)

はい!そういうことで、ファッションEC業界を選びました!。
まとめとして、選んだファッションEC業界を課題図書にもあったように分類し、企業選定の際のポイントを書きました。

ファッションEC業界の分類
直販型(ex, ユニクロ、HARE、ユナイテッドアローズ)
直販型は、基本的に店舗を持っているメーカーが販売チャネルを広げるために自社のECサイトを運営しているケースです。
マーケットプレイス型(ex, ZOZOTOWN, BUYMA)
マーケットプレイス型は、ZOZOTOWNに代表される、受託販売を行なって、販売手数料を得るようなケースですね。
CtoC型(ex, メルカリ)
課題図書の中では、直販型とマーケットプレイス型だけだったのですが、今回はメルカリや楽天フリマのようなCtoC型も切り出して考えました。

その中で色々企業を見ていたのですが、結果としてマーケットプレイス型を選択しました。理由としては、何社か企業を見ている中でマーケットプレイス型の企業の各社の差別化が結構はっきりしていて面白いなと感じたことが一番でした。

②その業界内の企業の分析(1社目)

1社目の分析対象企業は「株式会社ZOZO」です。ZOZOTOWNの運営会社ですね。
理由としては、ファッションECモールの中では売上、流通総額、アクティブユーザー数がトップクラス。ECモール評価ランキングでも上位ということで選定しました。

決算書を読み解いての大きな戦略はファッション業界を総取りすることだと感じました。メディアを通しての会員獲得、新品、中古品の販売モール、そしてPB事業への投資、ファッションという軸で事業展開を進めているかと思います。

ビジネスモデルとしては、ZOZOTOWN事業がメインであり、ファッションSNSのWEARやプライベートブランド事業などがあります。

方程式は以下の通り
ネット売上 = 取扱高 × テイクレート
テイクレートは約37%( = 118,405/323,129 × 100) と大変高くなっています。(下図は2019年3月期の決算説明会資料の4Pより)

そんな株式会社ZOZOの強みとしては、
・WEAR、ZOZOTOWN、ZOZOUSEDの連携によるユーザーの獲得
・ユーザー数が多い故出店数も多く、カレゴリの広い商品が出店される
・場の魅力が高いためARPU、平均購入点数が高い(46,315円、11.1点) 
があげられます。
一方今後の課題としては、
・アクティブユーザー層の拡大(現状は20歳前後の女性がメイン)
・大量の物流コストをかけたPB事業が立ち上がるかどうか
があげられます。
決算書を3年分ほど読んだ所感としては、今後はZOZOSUITSやZOZOMATなどで得た消費者のデータとWEARから得られる流行データなどを元にしてPB事業に注力する気がしています。
(2019年3月期にはWEARのビッグデータを用いての共同研究の開始や、2020年3月期には足のサイズを3Dで測れるZOZOMATの無料配布を開始していたり、PBの取扱高増加などが決算書からは読み取れる。)

③その業界内の企業の分析(2社目)

2社目に選んだのはBUYMAを運営する「株式会社エニグモ」です。
BUYMAはインポートブランドを取り扱うECモールです。

そんな株式会社エニグモの大きな戦略は、インポートファッションから入り、横ずれした特定分野に特化したマーケットプレイスを築いていくことになっています。

ビジネスモデルとしては、エニグモが抱える世界中のパーソナルショッパーが出品する商品を、日本の消費者が購入する。そしてその仲介手数料を出品者/消費者双方から得る、というモデルです。

方程式は以下の通り
ネット売上 = 取扱高 × テイクレート
テイクレートは約12%( = 52.8/455.3 × 100) と著書にあった日本のテイクレートの参考値7%~8.5&に比べるとやや高くなっています。
(下図は2019年1月期の決算説明会資料の7Pより)

そんな株式会社エニグモの強みとしては、
・世界中にパーソナルショッパーという出品者を抱えていること
・平均購入単価10,900円という高さ
があると思います。
一方今後の課題は、
・ユーザー層の拡大(現在は高感度なアーリーアダプター層までがメインユーザー)
・ファッション領域以外の事業の立ち上がり
があげられます。

決算書を読み解いたところ、過去にBUYMA BOOKSという書籍の翻訳・販売事業や現在はBUYMA TRABELという海外ツアーの企画・販売事業を立ち上げており、世界中のパーソナルショッパーを軸に、海外と日本をつなぐような事業をファッション領域でも立ち上げ、今後はそちらで事業展開を行うような形でした。一見ファッション領域で事業を行う会社と思っていましたが、ファッションから横ずれして事業展開行うのが個人的には面白いなと思いました!

④その業界内の企業の分析(4社目)

最後の3社目は株式会社ロコンドです。株式会社ロコンドは靴をメインに取り扱うECモールを運営しており、ザッポスをモデルにした「顧客至上主義」(送料、交換、返品無料)のECモールになっています。

ロコンドの基本戦略は消費者向けに高単価商品を販売しながら、そことシナジーのある在庫管理や情報管理サービスをBtoBにも提供する。そして、靴のEC市場を総取りすることを目指す、というものだと感じました。

ビジネスモデルとしては、靴をメインとしたECサイトLOCONDO.jpの運営です。出品者からの販売手数料として30-40%を得るモデルになっています。

方程式は以下の通り
ネット売上 = 取扱高 × テイクレート
テイクレートは約48%( = 67/141 × 100) と今回比較した3社の中では最も高くなっています。背景は販売手数料が高く、直販も一部行なっていることからかと思います。
(下図は2019年1月期の決算説明会資料の7Pより)

そんなロコンドの強みとしては、
・高いテイクレート
・消費者は返品、送料無料などから高単価の商品への購入ハードルが低くARPUが高くなりやすい
・自社の倉庫を保有し、倉庫のシェアや在庫情報の一元管理を他ブランドに提供することで、他ブランドに出品してもらいやすい
ことがあげられます。
一方今後の課題としては、
・ユーザー層の拡大(現在はF2層)
・靴以外の市場へ進出できるのか
ということが考えられます。

決算書を読み解いたところ、ブランド数2,193点という点数は他の企業に比べても多く(ZOZOTOWNは1245点)、ブランド数増加に寄与する在庫管理や情報管理プラットフォームを他社へ提供しているのがシナジーを生んでいるようです。一方靴以外の市場への進出はまだ読み取れませんでした。

⑤業界の課題と自分がその業界に新規参入するなら何をするか

まず、上記3社を分析してのファッションEC業界の課題を考えてみます。
・男性ユーザーの少なさ(現在は20代、30代の女性が中心)
・高単価の商品販売が難しい(最も高かった単価がBUYMAの10,900円)

そして、上記3社に共通するファッションEC業界で事業を展開する際の基本戦略も挙げてみます。
・重要KPIであるブランド数とユーザー数を増やすために投資する(どちらかを増やさないと一方が増えないニワトリと卵問題)
・ユーザー数の獲得はマス向けのメディア投資が効果的
・自社メディアでユーザーを獲得してから、ECサイトへのCVを狙う

これらを参考にして、自分がその業界に参入するなら何をするかということを考えてみました。
結論から書くと、男性向けファッションEC事業をメインにファッションから横ずれした美容などにも事業を展開するというのを基本で行いたいと思います。(理由は単純で自分が事業のターゲットになるだろうというのと男性ユーザーを現状か超えているECモールが無さそうという部分です。)
ただ、そもそもの市場規模が日本だけに止まりそうなど小さく収まってしまいそうな感もあるのでそこらへんはもう少し考えたい部分ではあります。

まとめ!

最後に、まとめとして課題の発表には含まれないのですが、事前課題を通しての学びや気づきを2つ書こうと思います。
・決算書を読むの面白い
 >初めて決算書を読んでみて、まず1社の決算書を複数年読むことで、その会社が過去から現在までどういった展開で事業を行なっていたのか、その中心にある戦略は何かということが読み取れるのが面白い。(エニグモはファッションECではなく、特定領域のマーケットプレイスを目指すなど)また、複数企業を比較することでその業界で勝つための基本戦略みたいなのが読み取れる。これも面白い。
・他社の動向のインプットは自社の事業に活かせそう
 
>これは、今回複数企業を比較する中で各企業共通の戦略もあったりしたのがわかったことから、決算書から競合の動向を読み取るのは面白そうだなと感じました。今までは、メディアやニュースなどで他社の施策なんかのインプットはしていたのですが決算書からのインプットは行なっていなかったので一度行なってみたいと思います!

少し長くなってしまいましたが、今回は #20代マーケピザ 養成所の課題の事前発表をまとめました。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!

=======================================================
株式会社POLについてはこちら
https://www.wantedly.com/companies/pol

個人のツイッターではPOLでの学びとか発信しています
https://twitter.com/ksmtmss7428

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?