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1〜3月で気になった音源をダラダラと書き連ねていく[洋楽編]

件のウイルスによりできた暇で、人々は謎のにんじんリレーや身長リレーとかいう生産性のカケラもないしょうもないリレーをしだした。リレーするならもう少し何か生産性のあることについてやればいいのに、それをできる一般人はたまにしか見かけない。みんな、家の中にいすぎて思考回路が死んでいるのかもしれないと思っておく。

かくいう私も大学の講義開始が1ヶ月先になったこともあり、家にいる時間が長くなったおかげで、論文を読むことと音楽を聞くことが主な生活サイクルになったため、3月までに聞いた新譜たちを振り返るいい期間になっている。
そこで、どうせだし、振り返ったついでにnoteに記録しておこうという気分になったので、今回は、今年リリースされた新譜(シングルEPアルバム問わず)のうち、個人的に良かったと思うものを洋楽と邦楽にわけて、ダラダラと記していく。今回は洋楽編。リリース日順にしようと思ったけど、やめました。無駄話も挟みつつ簡単にレビューしていきます。レコ屋のようにオススメトラックはこれ!なんてことはしてません。


Pet shimmers / face down in meta
英国はブリストルのシューゲイズソロアーティスト・Oliver Wildeによるプロジェクトの1stアルバム。今年の1月あたりに書いた動向を注視したいアーティストでも取り上げたバンドだが、アルバムリリースが嬉しい限り。期待通りのトンチキな内容で、スー●ァミをやりたくなってしまった。いつ途切れるんだろうかという脆さすらも美しさに昇華されている良いドリームポップだった。


Inhaler / we have to move on
コロナ大流行前で、ギリギリ来日公演ができた、北アイルランドのバンドinhalerの新曲。ライブがもう本当に、青春じゃん……青い…眩しい……に尽きる。若くてキラキラしていて、アイドル売りな感じもあるけど、フロントマンのイライジャは、ボノをスタンドとして使っているので、弱冠20歳にして貫禄たっぷり。音楽性は、王道のギターロックから、今回リリースしたポストパンク調までを特徴としていて、これからがますます楽しみ。


En attendant ana / Juliet
おフランスの5人組インディーポップバンドの2ndアルバム。Alvvaysのようなドリームポップではあるけれど、Alvvaysほどの甘美さは無いように感じ、ガレージパンクを内包する、ギターロック好きがハマるドリームポップといった印象があった。何となくこのアルバムを聞きながら牧場物語やりたくなった。


Georgia / seeking thrills
英国はロンドンのアーティストの2ndアルバム。安心と信頼のレーベル、dominoからのリリース。トラック4の「24 hours」を聞いて、一目惚れし、アルバムを通して聞いてみたら、全部キラーチューン(死語)で、胸がドキドキした。ポップジャンルの新譜の中では1番よかった。フジで見られるかなあ…中止にならなきゃ見られるかなあ…


Human pet / itch
英国はロンドンの4人組バンドの新曲。ロンドンも色々なバンドが乱立していて、追いかけるのも一苦労だ…。約1年半ぶりくらいに新曲をリリース。活動辞めたのかな……?と思っていたところ、シンプルにかっこいい曲出してきやがって、心配したんだぞ!() 大して音楽性も変わらず、飛躍があるかと言えば無く、前と似たような曲調のものであるけれど、曲の展開がとても刺さったので、全部チャラです。ちょっと違う雰囲気の曲も聞いてみたいところ。


Lice / conveyor
英国はブリストルの4人組バンドのシングル。shameのインスタのストーリーで紹介されていたのをきっかけに知った。このまごうことなき音の治安の悪さ、shameのストーリーに出てくるだけある。ジャケットも気色悪いし、音楽に合っていて満点。


kevin krauter / full hand
活動休止してるんだかしてないんだか、よくわからないバンドhoopsのベーシストkevin krauterによるソロプロジェクトの2ndアルバム。先行公開されていた「surprise」が、個人的には理想のドリームポップだった。ローファイで、ジャケットと相まって、虹を渡って暗い雲の向こうまで行けそうな王道の浮遊感がとても心地良かったので、上半期ベストには必ず入れる。


Rolling blackouts coastal fever / cars in space
オーストラリアはメルボルンのバンドの新曲。6月にリリース予定の新譜に収録されるそうな。爽やかな新曲をリリースしてきましたねえ。オーストラリアも良いバンドがたくさんおりますね。18年リリースの2ndは、一時期ずっと聞いては、合掌を繰り返すような、そんな青さと尊さがあった。


Jawny / anything you want
アメリカのアーティスト(元ピザ屋)。
思わず踊り出したくなるなんとも癖になるJAWNYの新曲。音がスッカスカなのに、ここまで楽しいなんて。昨年リリースの「honeypie」がヒット。それも含め、過去作は一度聞いたら脳にこびりつくポップでファンクなトラックばかり。アルバムリリースを期待したい。


french beaches / change your mind
英国はロンドンのバンドの新曲。
昨年にリリースされた「under my skin」を聞いて、一目惚れしたが、やはり自分の目に狂いはなく、今回リリースのこの曲もめちゃくちゃキラキラしたポップで、最高の一言に尽きる。定期的に聞き続けたい、永遠の青春トラック。私がもし中学生男子だったら、きっとこの曲を聞きながら、あの子を振り向かせるんだ!などと気合を入れて夏の花火大会に誘う (全て妄想)


Cold beat / mother
アメリカはカルフォルニアのバンドの5thアルバム。
80年代あたりのニューウェーブ的な要素と、エレクトロニックポップが合わさって、ちょうどよいバランスで成り立つアルバムだった。昨年black marbleの新譜を聞いたときと近い気分になった。
ゲームのサントラを聞いているような気分。過去作もどれも耳馴染みがよくて、いいバンドに会えたなあと。1stアルバムはピッチフォークの評価も7.6と高めだったので納得。


Far cpspian / today
英国はリーズのバンドの新曲。どことなくアメリカのインディーロック・ポップの雰囲気を持つのが音楽的な特徴。beach fossilsを好きならばまず好きだと思うし、むしろ知っていらっしゃる人の方が多い気がする。天気の良い休日のお昼下がりに似合うような、でも少し暗い。そんなドリーミーな曲。外出自粛中だから、これ聞きながら、家でピクニックできるんじゃないかな()


Hotel lux / eddie's gaff
英国はポーツマスのバンドの新曲。
パブロックやらポストパンクやらの要素がごちゃ混ぜになった、乾杯しながら聞きたいこの感じ。どこまでが本気でどこまでが冗談なのかわからない、なんともいい意味で気味が悪いバンド。個人的にはこういうバンドがとても好き。前シングル「tabloid newspaper」は、各所から称賛の嵐だった。幻のSXSW2020にもラインナップされていて、まさにこれからが期待される得体の知れない5人組が本当に楽しみだ。まずはEPのリリースを心待ちに。


Spinning coin /hyacinth
英国はグラスゴーのバンドの2ndアルバム。
結局、私はこういった80年代や90年代を想起させるような多幸感溢れるキラキラギターポップからは逃れられない。こちらもdomino recordsからのリリース。トラック2の「Feel You More Than World Right Now」は、どことなくスピッツの「アパート」に似たような雰囲気で、ニマニマしながら聞いてしまった()


Wilsen / ruiner
ブルックリンのバンドの2ndアルバム。アルバムはリード曲で目をひくのも大事だが、実際聴く時は、はじめから再生するわけだから、1曲目でどれだけ惹きつけられるかも大事になってくると思う。その側面からいくと、このwilsenのアルバムは100点中5億点をつけたいくらいには完璧に、1曲目としての役割をアルバムと同タイトルである「ruiner」は果たしていた。1曲目の4分25秒で深い水底にじわじわと確かに落とされていく感覚があり、一通り最後まで聞き終えても、しばらく浮き上がることを許さないアルバムだった。プロデュースは、big thiefなどを手がけるAndrew Sarlo。


The garden / kiss my super bowl ring
ジュリアンカサブランカスに顔が似ていることでお馴染みの兄弟バンドの4thアルバム。
今回も安心できる気狂いアルバムがリリースされて嬉しい限り。頭の中どうなってるのかなと気になって仕方ない。前回の来日公演は、彼らの音楽に出会う直前に行われてしまって、見逃しているので、コロナが落ち着いた頃に、拝みたいところ。


Goodbye honolulu / cut off
カナダはトロントの4人組バンドの新曲。
楽しいガレージロックをやってらっしゃるバンドという印象。ちょっとキラキラ要素もあって良かった。音源数的にもアルバムもリリースするかもしれないので、動きは注視しておきたい。


shopping / all or nothing
英国はロンドンの3人組バンドの4thアルバム。
俺らのshoppingの新譜。安定した芯のあるポストパンクが今回もつまっていた。ピッチフォークの評価も7.8と高い。ディスコっぽさもあり、テンポの速い天才的なダンサンブルなダークウェーブが31分間堪能できる素晴らしいアルバムだった。


The chats / high risk behaviour
タイトルの英語の綴りからして、イギリス英語圏のバンドだとわかるわけだが、オーストラリアのバンドだそう。アー写がバカっぽくてすんごい好き。ホームページのアドレスは、thechatslovebeer.com。アー写の通り、ほんとにパッパラパーなのかもしれない…。((失礼)) パブロックや、初期のarctic monkeysのようなガレージロック色が強い。MVもチープだし、飯食い逃げダッシュするだけだし、推せる。


Nap eyes / snapshot of a beginner
カナダはハリファックスのバンドの4thアルバム。
カナダも良いバンドに遭遇できる確率が高い国というのは、音楽を聞いている方であればご存知だと思いますが、大事なことなので、書きました() このアルバムもまた、どこか青臭い感じがあるのだけれど、暗くてもの悲しい感じもあって、夏の暮れというイメージが連想されるアルバムだった。


folly group / butt no rifle
英国はロンドンのバンドのシングル。
so young magazineでも特集ページが組まれたので、そろそろ知名度を大きくしていく頃かもしれないガレージパンク・ポストパンクを鳴らすバンド。アングラ感が強めで、もしかしたら、頭角を表す日はそう遠くないのかもしれない、けど次の曲が似たような感じであれば埋もれそうな感じもする。(どっちだよ) いずれにせよ期待したい。


Sorry / 925
英国はロンドンのバンドの1stアルバム。
私のフォロイーたちの中では、かなり話題になっていたsorryが、遂にデビューアルバムのリリースまできた。しかもdomino recordsから。現段階では、下馬評通り、今年1のデビューアルバムだ。こんなにも陰鬱な雰囲気が漂うのに、聞き終えた後に残るのは謎の高揚感。前にもトゥイッターの方でも呟いたが、sorryの音楽は自分にとっては心地の良い音楽ではあるけれど、良い夢見心地というよりは悪夢を見ているような心地になる。でも不思議とそれが気持ち良い。ロックの可能性を提示してくれるバンドがまだまだいるんだなというのを感じさせてくれる素敵なアルバムだった。



長々と書いてしまった……。他にも載せたいものはたくさんあるが、割愛。ここまで長くなるとは思ってなかったので、邦楽編はまた後日にあげます。

お読みいただいた方、ありがとうございました🙇‍♀️


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