おもちゃを整理していたら 手作りのかわいらしい切手が貼られた 折り紙で作られた封筒が出てきた 楓が誰かに宛てたお手製の封筒と切手 中には丁寧にセロテープでラミネートされた厚紙とお馴染みのお手紙 ばあちゃん宛かな? と開けたら私宛だった あの頃は忘れてしまうくらい たくさん貰った手紙達 こうしてぽつぽつと なにかに紛れて現れるから 今送られてきたのかと思ってしまう いつも 『いつまでも げんきにいてね わかりましたか』 『𓏸𓏸𓏸𓏸(フルネーム)ままだいすきだよ』
今日は 楓の誕生日でした 楓の事をいつもより たくさん考える5月 うれしいけど さびしさをいつもより感じてしまう でも まださびしいと思えて 昔の写真をみて笑って泣けて あの日々が昨日の事のようで もう5年経ったなんて嘘みたい 生きていたら14歳 楓の制服姿みてみたかったな 私と瓜二つだったかな? 車椅子のままだったらきっと ママもヒーヒー言いながら学校まで押していたのかな? 楓の事だから 友達たくさんできたかな そっちでは お友達と遊べてるのかな 走れて遊
これから何をしていこう 楓とできなかったことや 行きたかったところ 楓とやったことや、行った場所 いつか全部いけたらいいな あとこれから 何か残せるだろうか 誰かの何かのきっかけづくりも まだまだ続けていきたい 誰かをひっぱれはしないけど 遅れてる人がいれば一緒に 歩いてあげられるはず 今日1日が悪くない日、まあまあな日で 終わらせられるような人に これからなっていきたい 私がたくさんもらったものを 誰かにおすそ分けできるように これからもちゃんといきよう
楓が悪性脳腫瘍と診断されたあの日 5年間の闘病生活から旅立ったあの日 それから今 それからこれから ずっと生きていく それしかないし それしかできない このぽっかり空いた穴と 寂しさと、辛さと 楽しかった、大切なあの日々と 全部抱いたまま 生きていく 楓にあえるまで