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仕事を辞める前に一回読んでおいたほうがいいかもしれない

そういえばこの前、突っ立ってスマホを見てたら、美女に「絵になりますね」って言われたんです。社交辞令だと思うじゃないですか。でも、発言って思わないとまず出てこないじゃないですか。思うところからじゃないですか。つまり、本当に思って言ったということ。そう思うようにしています。

その美女に「普段は何をされているのですか」と質問を受けたので、「"今は"仕事はしてないです」と"今は"の部分を激しく強調して伝えた。実は今も昔も、それどころか将来就職する予定もないのだが強がってみたら「いいですね!」と即返答。

話が早くて助かると思った。一方で私が「週5で働くなんて凄いですね」と言ったら、「それが普通だと思ってました」と言う。確かにその通りだ。俺はどこかおかしくなっていたらしい。常識的に考えると平日週5で働くのは普通のことなのだ。

いよいよ感覚が麻痺してきたなという実感を持つ。冗談半分で「仕事なんてやめちまえ」と言ってしまった。よくよく考えてみると基本的に仕事はあるほうがいいのだ。労働は地獄という印象が脳にこびり付いている。ボーナスが出るまでは、失業保険が出るまでは辞められない、と彼女はそう言った。

たしかに「いいですね!」の響きには実感が込められているように感じられた。正直、無職になるとジリ貧だし、徐々に退屈になってくるし、世間体も良いとは言えないのであまりおすすめはできないのだが、多くの人には休む時間が足りないのだろう。

世の中には自由な時間があることに耐えられない人もいる。語弊まみれになるが、楽をしたいのなら心を鍛え上げないといけない。まず、退屈はモンスターだ。あいつはやばい。そして、例えば久々の友達に会ったとして、その友達から「最近何してるの」と聞かれた場合に丹田に力を込めながら、「何もしてないよ」と言うメンタルが必要になる。

世間体スルー力と深い退屈回避力がないと無職は勤まらない。無職が勤まらないってなんだ。何を言っているのかわからなくなってきたが、往々にして退屈の中に放り込まれると、「自分とは何か・生きる意味とは何か」について深く考えすぎてしまい、地獄の沼に嵌まる。

なので勢いで無職になる前に一旦「武装」をしておくべきだ。自分の過去からニュルニュルと黒歴史が浮かび上がってきて発狂しそうになったり、将来はこのままでいいのだろうかという漠然とした不安に押し潰されそうになったりする前に、世間体と退屈に対する「盾」を準備しておいたほうがいい。

盾がないままだと鬱になる。ぶっちゃけ盾は何だっていい。打ち込める趣味か、優しく話を聞いてくれる恋人か。時間を持て余さないように武装をしておくと何かと困らない。それに何事も「深く考えない」という技術が要る。

話が長くなったが、働かないメリット。それは深いところまで自分に潜り合った人間同士、話が合うというか馬が合う可能性が上がるくらい。いつまでも寝ていられるのもあるけれど、昼夜逆転すると鬱になるので危険である。

仕事の重圧と、無職の重圧。そのどちらもある。レールから外れると戻るのに時間がかかる世の中なので、一旦、立ち止まって熟考されたし。

苦しいからこそ、もうちょっと生きてみる。