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ハムスターがやってきたの話|2020.5.29

この自粛期間中私は普段バイトしているところも軒並み営業中止になって毎日毎日本当に引きこもり生活を送っている。
でも元々が引きこもり体質なので全然苦ではない、別に特に何かコンサートやライブなどの予定もあったわけではないのでそんなにいたくもない。

しかし毎週のように恋人と釣りやキャンプに出かけていたのでそれができないのちょっと寂しい。

遡ること4月2日そんな中で家にいると普段やらないことが気になり出すので一緒にベランダの掃除をしてすっきりしたのでついでにベランダの植木も整えようとホームセンターへ向かった。
一通り花や木を選んだ後、併設されたペットショップでちょっと犬猫を眺めてから帰ろうとしたらそこで恋人がポツリと
「ハムスターぐらいならウチでも飼えるけどね」
と言った。そんな言葉は前々から言っていてその度に私が「でも長期で家空けたりするから飼えないよ、可哀想だよ」と牽制していた。

しかし、もう飼いたいスイッチの入った彼はもう止まらない。
「貴方ハムスター飼ったことあるって言ってたよね、それなら知識もあるから安心だし」
「確かに、2回ぐらいは飼ったことあるよ。
だけど長期の休みはどうするの?」
「連れてくしかないじゃない」
「んー、連れてくのは難しいよ。
私の実家に預けられると思うけど」
もう既に顔が爛々としている彼と未だ踏み切れない私。
「勢いだけで飼っちゃダメだよ…命だよ…小さき命…」
「何言ってるの、こういうのは何事も勢いだよ。ある程度環境変わってもハムスターなら飼えるし、大丈夫だよ」
「そうか…そうか…」

そうして閉店間際のホームセンターでどの子にするか選び始めた。
店員さんに声をかけて直に見せてもらう。
ケージを開けると小さくてまん丸の生き物がチョロチョロ動いている。
最初に見た子達はジャンガリアンの子ハムで
ノーマルとプディングの子達がいた。
ノーマルはジージーと鳴きながら小屋を駆け回り、対照的にプディングはのそのそ歩き彼が手を差し出すと乗っかってきた。

次に見せてもらった子達がスノーホワイトのもう少し大人ハムで大きくなっていて動きが俊敏でケージから逃げようとしているところを彼に抑えられる、
抑えられた子は指をカジカジしている。
生命力が強い…と彼がぼやいていた。

あとは部屋の隅でこちらにお腹を向けて幸せそうに寝ている子がいた、かなり可愛い。

「さて、どの子にしようか」
「んー、少しでも長く一緒に居たいからやっぱり子ハムがいい。
手に乗ってきた子にしたい、おっとりしててすごく可愛い。プディングの子は飼ったことないし」
「そうだね、貴方がいうならそうしよう」

彼が同意書を書いてる間に私は、プディングちゃんが暮らすための小物を選ぶ。
たぶん軽く10年ぶりにペットのために物を選んだ、長く使うものだからとても迷っていたけれど使っているところを想像しながら考えるのはとても楽しい。
まだ、心配事は少しあったけれど一緒に暮らす楽しみの方が大きくなっていた。

そうして彼がお会計を済ませ、
やっと帰路につく夕方前に来ていたのに植木を選んで家に運んでから再度ハムスターを買いに来ていたのですっかり時間は9時ごろになっていた。
飼える途中に
「手に乗って来たのはずるいよ、可愛いよ。
でも同じ小屋にいたあの子すごい鳴いてたね、あまりにも正反対」
「そうだね、
でも生命力強いのはあっちの子だったかな」
「んー、大丈夫だと思うけどね」

家に着き一息つく前に小屋を組み立てて巣材を入れ小物を設置し、いよいよプディングちゃんを中に入れる。
不安そうにウロウロしつつも餌を入れるとすごいスピードで頬袋にかきいれていた。

「こんだけご飯食べるなら大丈夫、
すごいスピードだけどひょっとしてあのよく鳴く子といつも争奪戦してたのかな」
「かもしれないね」
「そうだ、名前決めないと!どうしよう何がいいかな」
「じゃあ、次釣れた魚の名前にしよう」
彼がどうぶつの森で釣りをしながら言う。

「えー、どうせ鱸でしょ」
「たぶんどうせ鱸だと思う」
どうせ鱸だった。

「すずきってダメじゃない?」
「そうかな、すずき…すずき…」
「あ、すずきさんって呼ぶの可愛いかもしれない。すずきさーんとかすぅちゃんとか」
「すぅさんすずちゃんとか呼べば普通に可愛いと思う」
「決まりだ」
「決まりだね」

命名:すずきさん

家に来た日の写真。
小さい本当に小さい、今年の2月に生まれてこの時まだ生後2ヶ月。

そこから2週間ぐらいの写真。

ハムスターは本当あっという間に大きくなってしまう。
でも大きくなるともふもふ感や重みも出てくるから愛しさもドンドン増してくる。
小さい時も勿論だが大きくなってからの方が可愛い。

僅か2ヶ月でここまでメロメロになってしまって、ハムスターの寿命が短いことを改めて恨んでいる。
幸せに長生きさせられるよに尽力を尽くそう。

頂いたサポートは写真活動に活用させていただきます。