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心理支援者は女性が向いていると言われる理由


心理面や精神面の支援者は
女性の方が向いていると言われている。

学生のときは、
二人~三人くらいの先生から、
別々にそのことを言われた。
「じゃあぼくたち男性はどうしろと?」
と思ったが
そこはまったく教えてくれなかった。

精神療法の達人と言われている人の著書にも、
やはり女性の方が良いと書いてある。

ただ、それを言っているのは
全て男性の先生なのだけど笑

でも、男性が言うっていうことは、
「女性のセンスには敵わない」という
意味があるんだろうなと思う。


女性の方が向いている理由として
いま思うこととしては

自分の身体に意識を向ける機会が、
男性よりも女性の方が
圧倒的に多いことが
大きな理由の一つではないか
ということだ。


学校現場にいるとよくわかるのだが、
第二次性徴期が始まった女の子は
初経と同時期に、トイレに友達と行く
という行動が顕著になる。

休み時間になると集団で密になる様子も
高学年くらいから高校を卒業するくらいまで、
よく見る光景だ。

また、同じ密でも、男子のように無邪気で
オープンな雰囲気ではなく
こもっているような雰囲気がある。

そこに共通するのは、男子には立ち入れない
女子特有の「秘密」であろう。


ぼくの想像だけど、
女性はすでに子どもの頃から
定期的な月経の影響もあって
女子同士で、「女性であること」を、
そしてそれを
「受け容れざるを得なくなった事態」を
共有している。

いくら、心身共に健康であっても、
嫌でも身体を意識し続けないといけないのは
男子よりも女子である。

もちろん男子にだって
同じように思春期は訪れるのだが
やっぱり「身体的な違和感」と
それに伴う「不安の共有」という面では
圧倒的に女子の方が多いであろう。

「なんとなく身体がしんどい」
という訴え、いわゆる不定愁訴も、
圧倒的に女子が多い。


また、女子は困り感や気持ちを訴えるときに
男子に比べて原因を一つに絞っていないことや
モヤモヤとしていて苦しんでたりする。

簡単に言えば、葛藤していて、
あまりサッパリしていない。
男子の場合は、もう少しシンプルである。

よって、一人では抱えきれないから、
同性の友達や
母親や女性カウンセラー、
養護教諭などに相談する。

特に養護教諭のところには、
そういった意識を共有しているであろう友人と
話しにくる様子を見かける機会が多い。

だから、話を聞いてもらって、
安心するのも男子より女子が多い。

男子に比べて女子は、
信頼している相手との
相談関係を求めている印象が強い。
話すこと自体が薬になっている感じである。


ぼくの想像だけど、おそらく、
こういう経過が後々に、
対人援助で必須だと言われる
「共感する能力」の土台に
なっているのではないか。

答えを一つに絞り込まなかったり、
決めつけなかったり
相手に寄り添ったり。

だから、自然と男性よりも
「他者の身になる」能力が
沁みついているのだろうと思う。

とくに子どもの場合
身体と気持ちが未分化なため、
身体への共感性が高い女性の方が
支援という意味でも
なおさら良いということだろう。

そのことはぼくも身をもって経験している。

ぼくはもう30を過ぎた男性であるが
昔からずっと身体が弱い。
小学生の頃から月に一回は発熱していて、
布団で寝ている日が多かった。
先天的に感覚過敏だからか
着る服はコットン素材でないとダメだし
かなり強いアレルギー体質なため、
天気や季節の変化にもすこぶる弱い。
アレルギーの炎症による嘔吐と痛みで
救急車に乗ったこともある。

そういった体質のせいなのか、ぼくは男のくせに
これといった原因のない心身の不調で
保健室に行くことが多かった。
きっと「男子には珍しい不定愁訴」
と、ラベルを付けられていたことだろう。

また大人になってからも
喘息の再発やアレルギー、
ストレスからくる過換気症候群を経験している。

このような類の辛さは、なかなか
言葉にならない体験なため、
実体験がない人には
難しい領域だろうと思う。

ただ、このように、ぼくも
「不本意で」かつ「嫌でも」
身体を意識しないといけない体質だ。

そのとき、ぼくの身体に気を使ってくれたり
すぐに対処してくれたのは、母親をはじめ、
養護教諭であった。

さらに、今まで数多く病院にも通っているが、
女性看護師や女性医師の方が、男性よりも
「親身」な印象があった。



昔から身体が弱い自分を
呪ったりもしたが、
それが思わぬ形で活かされた気がする。

こういうことに気づける土台にもなったから。


そして、勘違いしないでほしいのが
男性すべてが女性に劣っている
なんていう横暴な話ではない。

ただ、女性の方が
身体的な辛さや不快感に対する理解、
それに伴う心理的な戸惑いへの共感性が
男性よりも圧倒的に高い傾向にある
ということだ。


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