こんどこそ沖に出る話。
本業を退職します
24年9月末を以て、現在の本業である㈱メンバーズを退職します。21年6月に人生初の社外取締役という役目を頂き、その後、人事や組織の課題に意見するだけではなく執行をして欲しいと命を受け、23年3月からCHROとして入社をしたので、合計3年半お世話になりました。振り返れば30年近くいたクレディセゾン、4年半のカルビー、そして今回のメンバーズと、まるで違う業種に恐れもせずよく飛び込んだなと。そういう意味では貴重な経験を今回もたくさんさせて頂きました。(経験や知識だけでは立ち行かないことも多く、なかなか学びも気づきも山盛りな日々でした。)一方自分でもどんどん短くなる在籍期間にびっくりしていますが、ここら辺の時間の感覚含め、これは自分の整理のためにも少し書いておいた方がいいなとも思ったので、先週に続き、またここに記すことにしました。
ちなみにタイトルの「沖に出る」というのは、TBSのポッドキャスト「Over the Sun」で、私の大好きな(当時TBSからフリーになった)堀井美香さんがご自身に使われていた表現です。既定路線から一歩勇気を出して踏み出すとか、フリーになるとかそんな意味合いで使われていた記憶。去年幸運にもご本人とお仕事をご一緒する機会に恵まれ、その時に前回の転職のことを「沖に出ました」とお伝えしたのですが、今回は前回とはまた違う角度なので「こんどこそ」と書いてみた次第です。
転職ではない
先に書いておくと今回メンバーズを辞めるわけですが、どこかに転職をするわけでもありません。既に複数ある副業を、バランスよくしっかりこなしながら、多分まだあるであろう余白に、あと何を描き込むのか少し時間を掛けながら決めて行こうというのが今の状態です。自分では「パッチワークみたいなキャリア」だと思ってます。因って、月曜日から金曜日まで1社で基本フルで働くという働き方は、今のところ考えていません。
決まっているのは、週の半分くらいは、いくつかある副業先のうちの一つであるZentechの仕事をしていくということです。心理的安全性と言えば・・・というZentechには、設立2年目から関わっているのですが、ありがたいことに企業様からのお問い合わせも多く、色々な会社の人事のチカラになりたい思いは、私自身どこにいても同じなので、この時間の中で実際の案件を手掛けたり、時には営業にも行けたらいいなぁ(私はもともと営業上がりのキャリア!)と思っているところです。
フリーという感じでもない
独立しないの?とはよく聞かれますが、自分で自分を売り込むのは、いくら営業上がりの私でも何故か足が進まないのと、働く仲間がいないと寂しくなる性分なので、いわゆるフリーになるという気はしていません。調べると今後の私を表現するには「インディペンデント・コントラクター」というのが一番しっくりくる気がします。
なんだ読むと、結局そういうことじゃんと思われるかもですが、私の中では微妙に違うニュアンスなのと、このエリアには既に頼れる先輩方が複数いらっしゃるので、その端っこにいられたら嬉しいなという気持ちもあります。
なぜこの選択か?
50歳になったときに、将来を考えてまだチャレンジがしたいとカルビーに転職をしたように、最近の私は60歳までのことや、何歳まで働けるんだろう?ということを、より考えるようになっていました。気づくとこの1年半の間に増えていった副業はどれもやりがいがあるし、自分でも減らせそうにありません。並行して、時間がないなと思うような時があったり、実は春先に少しだけ体調を崩していた期間もあったりして、このまま走り続けるのが不安になったときもありました。考えたのは、より自分らしく時間を使いたい、そして、そのための環境は自分自身で作るべきだということでした。幸い私は一人で子供もいないので、これに関してはわりと自由に考えてもいいのではないか?・・と考えると、自分で今回の決断に至るまではさほど時間はかかりませんでした。
10年前に会社にいながら正社員ではなく、単年契約で働く取締役というものになり(この時は自分で作ったいい制度が使えなくなるのは本当に嫌だったw!)、今度はフルの本拠地がない職業人生になるわけで、不安がないかと言われれればそれは嘘になりますが、それでも生まれつきの「未知=楽しいに違いない!」というスタンスで、今はワクワクの方を大きく感じています。普通なら60歳、65歳でする経験を56歳と半年でしたっていいじゃないか、もしかして私が先にベテランになっておくよ、そんな気分でもあります。
背中を押したこと
私があまり悩まずに今回の選択ができたのは、上記のI.C.然り、既に背中を見せてくれている前を行く方々が複数いるというのが理由かもしれません。「武田さんの周りには、面白くてユニークでステキな人がたくさんいるね」とは、2日を空けずに言われていますが(笑)、その中にフリーで自由に人生を組み立てていく先輩たちの背中やそのパーツを見ているので、次の岩に飛び移るのがそんなに怖くなかった、そんな感じです。またみんなの大好きなあの一冊「DIE WITH ZERO」を読んでしまったことは、間違いなく今回の選択に大きく影響をしていることと言えます。内容にここでは触れませんが、3年前この本に出合って確信に変わったことを今回実行し始めようというそんな気持ちです。ここはまだまだもっと極めていきたいなとも思っています。
ということで改めて
これを書いているのは9月の初旬ですが、10月からの新生Takedaも、引き続き宜しくお願いします。Facebookではこれからも独り身ゆえのライフログを続けていくでしょうし、今後想定外のことが起きたり、もしかしてどこかで躓くこともあるかもしれません。それでも自分のできることを少しでもいい環境を整えて出来たら嬉しいなと思っていますし、ライフテーマである「幸せに働く人を増やす」ことや最近強く思う「頑張る人事の全力サポート」はどこにいても変わらず続けていく覚悟です。新しい環境でも、自分色のパッチワークを創りつつ、世の中のために、自分というツールをうまく使い続けていく、これをし続けていこうと思っています。