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サイクリストの腰痛とMSI
このブログは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。
MSIについては、こちらをご覧ください。
MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。
はじめに
今回は、サイクリストの腰痛とMSIについてです。
諸谷先生が主催されているMovement System MonthlyでRenee先生から、サイクリストについての講義が行われた事に刺激を受けて、記事を作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1721948421962-GuLwEzF86y.png?width=1200)
サイクリストは長時間同じ姿勢で、同じ動作を繰り返します。
その結果、小さな動きのエラーでも痛みとして表面化してしまいます。
サイクリストにどのような痛みが出やすく、どのような対策がとれるのでしょうか?解説していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1721883569414-hPjyyNmRan.png?width=1200)
サイクリストに起こりやすい痛み
サイクリストは同じ姿勢で動作を繰り返すことから、使いすぎによる問題が生じやすいです。
以下のような痛みが起こりやすいと言われています。
・膝痛
・腰痛
・首痛
・手首の痛み
・殿部の痛み
今回は、腰痛に絞って考えてみたいと思います。
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サイクリストと腰痛
ロードバイクに乗るサイクリストは、空気抵抗を軽減するために背中を少し丸めた姿勢をとります。
そのため、サイクリストは腰椎屈曲に伴う痛みが生じやすいです。
サイクリストの腰痛についての研究も行われており、
腰痛のあるサイクリストは、サイクリング後腰椎の屈曲が増加し、痛みも増加した
と報告されています。
これらの根拠から、サイクリストの腰痛は”腰椎が屈曲方向に過剰に動いてしまうこと”が原因になることが多いです。
これを、MSIでは”腰椎屈曲症候群”と表現します。
![](https://assets.st-note.com/img/1721948378032-5kmGp0tvtH.png?width=1200)
痛みに対して出来ること
サイクリストの過屈曲に伴う痛みに対して、2つの対策を取ることができます。
自転車のポジション調整と身体の調整です。
自転車のポジション調整
自転車は様々なパーツの位置や高さをカスタムすることができます。
ここではロードバイクをイメージしています。
・サドルの高さ:低くする
・サドルの角度:前傾させる
・ハンドルの高さ:高くする
・ハンドルまでの距離:遠くする
腰椎の屈曲を減らすという観点で考えるとこのような調整が考えられます。
パフォーマンスやサイクリングのスタイルなどから、一人一人に合わせた調節が必要になります。
身体の調整
腰椎が過剰に屈曲しない体の使い方を獲得することです。
そのためには股関節を屈曲するという課題において、腰椎が安定しており屈曲しづらいことが大切になります。
次の章で腰椎を安定させるためのエクササイズを紹介します。
腰椎屈曲症候群に対するエクササイズ
腰椎が屈曲せず安定するためのエクササイズを2つ紹介します。
ロックバック
お尻を後ろに引き、股関節が屈曲していく中でも腰椎が屈曲せず安定した状態を保つためのエクササイズです。
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腸腰筋エクササイズ
股関節が深く曲がった際も、腰椎が屈曲せず安定した状態を保つためのエクササイズです。
![](https://assets.st-note.com/img/1722208350137-Xjo8MYtFbS.png?width=1200)
これらのエクササイズはシンプルですが、腰椎安定化の最初の段階として大切なエクササイズです。
これらのエクササイズが安定して出来るようになったら、徐々に実際のスポーツ動作につながるようにステップアップしていきます。
まとめ
今回はサイクリストの腰痛とMSIというテーマで解説しました。
長時間腰椎が屈曲位をとるサイクリングという運動は、
腰椎屈曲方向のストレスが生じやすい競技です。
サイクリストの腰痛に対して動作の修正という観点で見ることが出来るとよりリハビリ、コンディショニングの効果が高まります。
MSIに興味を持った方へ
2024/9/7-8にMSSTOKYO2024が行われます。
ワシントン大学教授のナンシー先生とMSIを世界で広める活動をしている諸谷先生のお二人から学べる貴重な機会です。
学びを深めたい方に大変オススメです。
アップデートされた最新のMSIについて、実技付きで日本で学べる機会は本当に貴重です。
私も参加しますので、一緒に学びを深めていきましょう。
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