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AI-高瀬舟を読んでくれるママ

高瀬舟を読んでくれるママ

ママが高瀬舟を読んでくれます。


ずっとむかしの、きょうとのたかせがわに、ちいさなふねがあったんだよ。
ちょんちょんと、おみずをこいで、うえにもしたにも行くふねだよ。
とくがわじだいには、ちょっといけないことしちゃったひとが、おおきなおしおきになって、そのひとのおにいちゃんやおねえちゃん、ま、まんま、ぱあぱも、ずんずんとおうちの中までよばれて、ねんねんして、あーっておねがいしたんだよ。
そしたら、そのいけないことしたひとは、ふねにのって、おおさかまでいっちゃうの。

きょうとのおまわりさんのともだちたちが、そのひとをまもって、そこにきたおにいちゃんやおねえちゃんのなかで、だいじなひとといっしょにふねこいで、おおさかへいかせてくれたんだよ。
これはひみつのやくそくみたいなもので、おめめをつぶって「いいよ〜」ってやってたんだね。

そのときおしおきされたひとたちは、ぜんぜんこわくないひとがおおかったんだよ。
たいていはちょっとまちがいちゃったから、おしおきされたんだ。
たとえば、おにいちゃんとおねえちゃんが、とってもだいすきで、おねえちゃんだけおそらにいっちゃったら、おにいちゃんだけひとりぼっちになっちゃうってゆうひともいたんだよ。

そういうおしおきされるひとをのせて、ろうそくがピカピカしてるじかんにふねをこいで出発!きょうとのまちはくろぐろしてて、ふねはひがしにびゅんびゅんいって、かもがわをわたっていくの。
ふねのなかでは、いけないことしたひとと、そのおにいちゃんやおねえちゃんが、よるねんねのときにおはなしするの。
ずっときにしてももどらないことをくりかえすんだよ。

おまわりさんのともだちたちは、ちっともうるさいとおもわずに、ずっとおはなしをきいてると、おしおきされるひとのおうちのひとが、どんなにかなしくてたいへんなことがあるかわかったんだよ。
おまわりさんとこの、しろいところで、みんなまえにすわっておはなしをきくことや、つくえのうえでカキカキすることだけしてるひとでは、そんなことわからないってことだよ。

だれでもちがうおもいをもってるけど、そのおしごとをしてるときは、ただうるさいとだけおもって、きこえないふりするつめたいかたもいれば、しみじみとひとのかなしみをじぶんのこころにかんじて、かおにはだせないけど、ことばにしないでむっちむちするひともいたんだ。

ふつうとちがって、おしおきされるひとがおおきなかなしみをもっていたり、そばにいるおにいちゃんやおねえちゃんがよわくって、なきむしなときは、そんな時はこころよわいおまわりさんのともだちが、いっしょにいくことになると、なみだをとめられなくなっちゃったんだよ。

だからね、そのふねのおしごとは、おまわりさんとこで「いやいや〜」って思われるおしごとだったんだよ。

お昔々のことなの。
多分、えどのところでおじいじ樂翁侯が大事なお仕事しちょったころ。
ちおん院のさくらの花びらが、ちょういんの鐘の音にいっしょにちって、春のユウユウが暮れるころ、すっごくめずらしい罪人さんが、たかせぶーぶーに乗っちゃったの。

お名前はきっすけっていって、30歳くらいのおにいさんだったんだよ。
お家がどこかわかんない人で、ひとりでぶーぶーに乗ったの。

ぱあぱのひと、はねだしょうべえっていうおにいさんは、きっすけのお守りをしなきゃって、いっしょにぶーぶーに乗っちゃったのよ。
きっすけおにいちゃんは、おとうとさんをしんでしまった大きいおとちゃいの人だって、はねだしょうべえおにいちゃんは聞いてたんだ。

じゃあねえ、ろうやしろからさんばしまで、きっすけおにいちゃんをつれてくるとき、せやせやの、お顔があおっぽくて、すっごくおとなしい様子。
ぱあぱさんだと思って、ふんばって、わるいことしないようにしてるんだけど、それがね、いつもの悪い人たちみたいじゃなくて、へようしにへつらってる態度じゃないのよ。

しょうべえおにいちゃんは、なんでかなーっておもったんだ。
そしてね、ぶーぶーに乗ったから、ずーっと見はるばっかりじゃなくて、喜助お兄ちゃんの何をするかいつもじ~っと見てたんだよ。

その日は夜になると、かぜもやんで、おそらじゅうをおおっていたうすいくもが、おつきさまのかたちをぼんやりさせてたの。
あったかくなるなつがちかづいてきて、りゅうがんのつちからも、かわのそこからも、もやがたっちそうだったよ。
しもきょうのまちをはなれて、かもがわをよこぎるころからは、あたりがしずかで、ただおぢずのさきにわかれるみずのおはなしする音だけなの。

よるぶーぶーでねんねするのは、おかーできるんだけど、きっすけお兄ちゃんはよこになろうともしないで、くものこいかるいについて、ひかりがつよくなったりよわくなったりするおつきさまを見あげて、しずかにしてたんだ。おひたいはすっきりして、お目目にはちょっときらきらしてるの。

しょうべえおにいちゃんはちゃんとはみてないけど、ずーっときっすけお兄ちゃんのお顔からお目目をはなさないで。ふしぎだねーって、こころの中でずっと言ってるの。
きっすけお兄ちゃんのお顔はどっちからみても、すごくうれしそうで、もしやおにいちゃんにきをつかわなかったら、くちぶえをふいたり、おな歌をうたいだしそうだと思ったからなのよ。

しょうべえお兄ちゃんはこころの中でおもってるんだ。
ずっとこのたかせぶーぶーのえらきゅうをやって、どんなにたくさんやったかしらん。
でもね、のっていくおとちゃいの人は、いつもほとんどおなじように、みるのもかわいそうなようすをしてたんだ。
それにこのおにいさんはどうしてこうなんだろう。
ゆさんぶーぶーにでものったようなお顔してるよ。
罪はおとうとさんをしんじゃったってことらしいけど、もしやそのおとうとさんがわるいにんげんで、どんなことになったとしても、ひとのきもちとしていいおもいはしないはずでしょ。
このあおっぽいおとうとさんが、そのひとのきもちってものがまったくないくらいの、めったにないわるいひとだろうか。
どうもそうはおもえないんだ。
もしかして、きちゃくってるのかな。
いや、いや。それにしてはなにひとつつじつまのあわないことばやおこないがないよ。
このおにいさんはどうしたんだろう。しょうべえおにいちゃんがこころのなかでおもうほど、わからなくなるんだよ。

えっとね、にぃにがね、「しょうべいさん、たくさん思ってることあるでしょ。」って聞いたんだよ。
にぃにがびっくりして、えっとね、おまわりさんに怒られたのかなーって思って、どきどきしながらしょうべいさんを見たんだって。
しょうべいさんはね、にぃにに「なーんでもないよ。」って言って、ね、島に行くのがどんな気持ちか聞きたかったんだって。
しょうべいさんはね、ずっとね、たくさんの人を船で島に連れて行ってね、でもね、みんな島に行くの悲しそうで、ちゃんとお別れする人たちもいっぱい泣いてたんだって。
でもね、にぃには島に行くのがいやじゃないみたいで、ね、しょうべいさんはなんでかなって思ったの。

にぃにはね、笑ってね、「ありがとうね。みんな島に行くの悲しいかもね。」って言って、でもね、にぃにはね、いつもいろんなこと苦労しててね、島に行くことがね、命が助かるからありがたいんだって。
島でね、どんなことするかわかんないけど、ね、お病気にもならない自信あるって。
それにね、お金ちょっとでもらったんだって。
そのお金ね、わたしは初めて自分のものにできたの。島でね、どんな仕事するかわからないけど、ね、そのお金で何かしたいなって楽しみにしてるんだって。

しょうべいさんはね、「そっかー」って言ってね、でもね、びっくりしてね、なんて言うかわかんなくなっちゃったの。
しょうべいさんはね、家にね、おかあさんとこどもたちが4人いて、ばあばもいて、ね、7人家族なんだって。
でもね、ぱあぱが妻のこと考えて、お金をちゃんと使って、でもね、おかあさんはちょっと大々的な家から来たから、ぱあぱが思うほど節約できないんだって。
でね、お金が足りなくなっちゃって、おばあさんからお金もらってちょうどにするんだって。
しょうべいさんはね、それがちょっと心苦しいんだって。
だからね、しょうべいさんはにぃにのこと考えて、自分と比べてみたんだって。

にぃにはね、お仕事しても、もらったお金すぐ人にあげちゃうんだって。
それがね、かわいそうでね。でもね、しょうべいさんもね、お米もらっても、結局人にあげちゃうから、ほんとはにぃにと同じなんだって思ったの。
にぃにはね、お金あるのがすごくありがたいんだって。
しょうべいさんはね、いつも足りなくならないか心配して、おかあさんがお金出してくれるの知るとね、もっと心配になるんだって。

しょうべいさんはね、にぃにのこともっと考えたんだって。
にぃにはね、仕事見つけるの大変だったけど、見つかれば一生懸命働いて、ね、ちょっとでも満足してたんだって。
でもね、お牢に入ってからはね、ぱあぱがね、食べ物もらえて、働かなくてもいいからね、初めてすごく幸せって感じたんだって。
しょうべいさんはね、心の中にね、ふいとおかみして、お大事なんてなったらどうしようって心配があるんだって。
けどね、にぃには、お金持ってるだけでね、幸せに感じてるんだって。
しょうべいさんはね、にぃに見て、すごく驚いたんだって。
しょうべいさんはね、にぃにのこうべからね、ひかりが出てるみたいに見えたんだって。

じいじがね、にぃにのこと、ちゃんとよんであげたんだよ。
にぃにって、さんってつけてね。
じいじも、やだ!って思ったけど、もう言っちゃったからもどせなかったんだって。

「はい」とにぃにも、「さん」ってよばれたのがふしぎだったんだね。ちょっとじいじのおかおを、きょとーんと見ちゃった。

じいじはね、ちょっとこわいおはなしをしなきゃいけなかったの。
にぃにがね、おおきなしごとをしちゃったみたいで、それでね、とおいところにしかられにいくんだって。
じいじが、「どうしてあんなことしたの?」ってきいたんだよ。

にぃにはすっごくこわいかおして、こっそりおはなしはじめたんだ。
「すごくわるいことしちゃって、しゃべりにくいんだけど、ちーっともわかんないの。なんであんなことできたのかなあって、じぶんでもびっくりしちゃうんだよ。ほんとにむちゅうでやっちゃったんだ…」って。

おとーさんとおかーさんはね、わたちゅめちゅぐんでなくなっちゃったから、にぃにとおとうとちゃんでふたりきりになったんだって。
しゅっしゅのおうちのもとでうまれたわんわんのこがわんわん!ってなくと、みんなから「かわいそうねえ」っておれいもらって、がんばっておおきくなったんだよ。

にぃにとおとうとちゃんはいっしょに、がんばって仕事さがして、いっしょにおしごとしたんだって。でもね、おとうとちゃんがびょうきになっちゃって、もうおしごとできなくなったの。
ふたりはね、しょぼく、ほってついたおうちみたいなところでねんねしてたんだって。夜な夜なぱんとかかって買ってかえると、おとうとちゃんがえらかったって。

ある日にぃにがいつもみたいに「ただいま」って帰ってくると、おとうとちゃんはふとんでぱたんってしてて、どこもかしこもちーっとも周りがまっかっかだったの。
にぃにはびっくり!しゅしゅの竹のふくろやなんかポロンとおいて、おとうとちゃんのそばにいってね、どうしたのー?ってきいたんだ。

おとうとちゃん、さむざむってしたかおしたって、何もはなせなかったの。ぃひゅー、ぃひゅーって切なそうな音がするだけだったんだって。

にぃにわからないから、「どうしたの?ちーもしたの?」ってきいちゃったの。おとうとちゃんはちょっとだけたちあがって、けっとばし体を起こしたんだって。ひだりてはね、ほっぺのしたをぎゅっと押さえてたけど、きれいなどろ血がやっぱりはみだしてたんだって。

おとうとちゃん、目で「きてほしくない」といって、何か話し始めたんだ。すぐにはなせるようになって、ね「だめだよ。ほんとうにごめん。わるいはやすけど、もうよくならないから、はやくねんねして、にぃにをらくにしたいの。ふえをきったら、ぱぱんってねんねできると思ったのけど、ぃひゅーってちゅーするだけで、ねんねできないの。だから、ちょっとおって、まっすぐおしてねんね!」って。

おとうとちゃんね、ヒューシューって切なそうな音してるけど、早くねんねしたいっていってたから、にぃにが手伝っておっけーしたんだ。

じいじもね、にぃにの話をしっかりきいて、だんだん「これほんとうにだめなこと?おとうとちゃんのためにやったけど、それがちがうのかな」って迷っちゃったんだ。

けどね、じいじ心の中でがんばって考えて、「じょーずなひとにまかせよう。じょーずなひとにいうとおりしよう」って思ったんだよ。じいじがどう思うかも大事だけど、もっとじょーずなひとがいいことするって思うんだって。

でもね、じいじもまだなんだかよくわからないことがあるんだよ。だから、じょーずなひとに会って聞いてみたいんだって。
そうしてふたりは、それからもずっとしずかにおんもするたかせぶねにのって、おおきなかわをびよーんとすべるんだよ。


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「高瀬舟を読んでくれるママ」は、 #GPT4ハッカソン24耐 で作った、既存の文章をママの読み聞かせに変換するAIアプリケーションで作りました。
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