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進む円安

 想像以上に堅調? ならしい米国が利下げを先延ばしするというお話と。
予想通りに弱い日本が金融引き締めに動けないことから、

円安

が進んでいます。

政府が行なう経済政策は、財政政策と呼ばれます。
日銀が行なう経済政策は、金融政策と呼ばれます。

ですから、下記のように

A-1)緊縮財政(政府が投資しない・増税路線)
A-2)積極財政(政府が投資する・減税路線)

B-1)金融引き締め(日銀の金利引き上げ等)
B-2)金融緩和(日銀の金利引き下げ等)

政策の出所がAとBとなり、1もしくは2のいずれかしか選択できない、というお話です。

失われた30年と言われていますが(40年になるのかどうかはこれから次第)
それまでに行なわれてきた政策を振り返ってみると・・・

(A-1) & (B-1)  主に白川日銀総裁時代の金融引き締め
(A-1) & (B-2) 主に黒田日銀総裁時代の金融緩和

このパターンしか実施されてきませんでした。
さて・・・
頭の良い読者諸兄であれば、何が言いたいのかお見通しだと思います。

そう。Aの側。政府サイドがずっと増税路線&財政不出動路線なんです。

ということは・・・金融緩和では効果がない云々と論じる以前に

なぜ、

(A-2) & (B-2)

の組み合わせを一度も試さなかったのか? ということに疑問を抱くわけです。

いいじゃないですか一度ぐらい「大型減税」を仕掛けてみても

今回、岸田政権が「定額減税」をぶち上げていますが・・・
円安と少子化対策負担金と電気ガス補助の減額、その他もろもろで減税分なんか軽く吹っ飛ぶお話になっています。

つまり、「岸田定額減税」は、現状の国民の窮乏化を半年程度を遅らせる程度しか効果が無いというお話です。

円安は、日米の金利差の影響が大きいのですが・・・
負けず劣らず、日本市場に魅力がないことも関係しています。

たとえ話をしてみましょう。

銀座に高級クラブが立ち並ぶ時代がありました。
今でもそうと言えばそうなのですが、往時ほどではないですね。

その当時は、椅子に座れば数万円が請求されました。
それでも銀座に出向くお金持ちが大勢いました。
価値観の相違というのもありますが、ハイクラスの女性(美貌だけでなく知性や高い教養)がいて、彼女たちと会話を楽しむことで一種の心理的快感を得られたからです。
もちろん、他にも様々な魅力が銀座にはありましたが。

で、その当時、テーブルチャージが高いから客が来ないなんていうセリフは誰も言いませんでした。
魅力ある市場であれば、お値段が高くてもお客は来たのです。

何が言いたいのか?
市場や国家としての魅力があれば、人や金が集まり、少々高くても商売は成り立って行く、ということです。
にもかかわらず、日本国政府(特に財務省と経団連)は、法人税を引き下げないと企業が国外に逃げるから~という理由で法人減税を繰り返し、代わりに消費増税を繰り返しました。

法人減税分と消費増税分が相殺される形で失われた30年が過ぎ去りました。

その結果、日本国民は貧乏になり市場としての魅力を失いました。

円高に頼らなければ物が買えないと騒ぐ国民が大多数になったのです。
でも、弱体化した日本経済に円の通貨価値を高める手段は限られます。

金利引き上げ?

いえいえ、そんなの対ドルで世界各国が金利引き上げをしてもドル高を抑えきれていないじゃないですか。

基本には、市場としての魅力が米国にはあり、他の国には無い、もしくは少ないというお話になるだけなのです。

日本が再び魅力を取り戻すには、購買力を引き上げるしかありません。

政府はそれを賃上げに求めているわけですが・・・
80%の国民は中小零細企業に勤めています。
そして、中小零細企業の賃上げは微々たるものです。
経団連の賃上げや連合の賃上げは、社員数3桁以上の会社のお話です。

1桁企業群では賃上げはほとんど行なわれていません。
2桁企業群が人材確保のため無理をして賃上げしているぐらいです。

だって、資本主義社会ですよ?

利潤の最大化を求めているわけですから、わざわざ調達先の価格引き上げを容認するわけがないじゃないですか?
そんなの日産をはじめ、様々なメディアで様々な企業が値上げに応じず値下げを強要している実態が明らかにされましたよね?

資本主義社会で、政府がそれ(賃上げ)を求めることが無謀なんです。

政府が行なうことは徴税分配です。

法人税をしっかりと取り、消費税をしっかり下げる。

日本国が復活するには、その方向性しかないわけです。
この辺り、20年以上前からネット論壇で言い続けてきたお話なんですけどねえ・・・

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