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町工場でデフレ再燃

 ネットニュースで経済面を読むに
日本経済は堅調に景気回復を続けていてインフレ局面にある
という記事だらけなのですが・・・

なんだろう?
町工場の感覚とかけ離れているんですけれども~
と感じていました。

で、ウチだけがヒマなのかなあ?
だとすれば、私が無能なんだなあ・・・
と思いつつも、得意先さんにアレコレと近況を尋ねたりしていました。
ウチの得意先さんは全滅状態でしたね。
本当に仕事が薄い、ない、というお話です。

う~ん・・・これはと思っていたら、
愛知県で超精密加工を行なっていて人工衛星とか月面着陸とか
NASA関連の高度な仕事までこなしている会社の社長さんが

ヒマや~~、仕事が出てこんぞ~~~

とFacebookでボヤいていました。
(実はそこの社長さんとは面識があり友達登録していたりする)

で、それに呼応する全国の町工場の親父たちが集結していました。
もちろん、忙しいよ~という社長さんもいます。
が、製造業のネット界では結構有名な社長さんたちが
軒並み、ヒマや~~と言っていました。

マジか!? 相当にヤバイ状況ちゃうの?

と驚きました。
なにしろ、その業界では名の通った有名企業さんたちです。
そんな彼らが口をそろえて仕事が薄い、と言っている。

だとすると、全国の町工場は瀕死の状態なのかもしれん?

と思いました。
※)マスコミのニュースとはかけ離れた状態ですね・・・

さて、このように厳しい状況にあることもあり、
世間様ではインフレとか値上げとのお話がありますが・・・

我々町工場は、すでにデフレに逆戻りしています。

数日前に動画を紹介した方も、同じ状態のようですね。
やはり、町工場はデフレ化してるんだなあとしみじみ。

理由の一つが中国による大量の輸出攻勢です。

日本は、EUや米国のように関税でブロックしませんので
とんでもない安値で国内市場が荒らされまくっているわけです。
ダンピングに対する防衛意識がないのが日本行政の特徴でして
これがデフレ圧力の一つになっているんですよね。

日本製鉄も鉄鋼需要が20%ダウンと公表していますが、
単価が上がっているので、売上や利益は減っていません。
鉄鋼業界でこの減少幅なのですが、
ウチらのアルミ業界はそれ以上の減少になっています。

理由は・・・

日本のアルミ材料が高騰したまま維持された

ためです。

今までは、日経の地金取引価格NSPにより、
アルミの材料単価が決まっていました。
ですから本来であればNSP下落局面にあるので
値下がりしておかしくなかったのですが・・・

アルミ業界は、材料費の下落を避けるために、
フォーミュラ価格を導入しました。
過去に計算方法について説明記事を書いたことがあるのですが・・・

このフォーミュラ導入により、アルミの地金単価が下がっても
そう簡単にはアルミの材料価格が引き下がらない仕組みが作られました。

とはいえ・・・添加剤の値段も頭打ちし値下げ局面に入ったのです。

が、今度は、ロールマージンを引き上げてきたのです。

ロールマージンとは、材料を精製しロール矯正するコストのことです。

高止まりし続けるアルミ材料に業を煮やしたユーザーメーカーが
アルミからプラスチックへの材料転換を実施するようになり、
ドンドンとアルミを使う仕事が減っているのです。
※)だから高付加価値を得意とする愛知の会社さんも苦しんでいる。

こうなると我々加工屋はたまったものではありません。

加工単価はそのままで需要が半減しているのですから・・・

その一方で、アルミ材料メーカーは、

需要が減っても単価を引き上げ続ければ採算ラインを維持できる

という考えで、ひたすらに値上げ値上げを続けています。
さらに一部では経費削減のため生産ラインも縮小させていっています。

ということで、
ウチも生き残りをかけたチキンレースに参加しつつ
他に活路を求めて動きまわっているところです。

生き残れるか?  消えて無くなるか?

瀬戸際ですね。
もちろん、すぐに資金ショートして破産というわけではないです。
まだ、資金繰りの点では余裕がある状態ですので。
とはいえ・・・
このまま何もせずに嵐が過ぎ去るのを待つという作戦だと
生き残るのは困難だろうな、と感じています。

本来であれば見込み案件が動き出せば
何の問題もないのですが・・・
見積が通った案件が10件中10件とも延期か中止という
恐ろしいぐらい停滞した状態になっていますので
洒落にならないものを感じています。

専門を生かした有料版noteでも立ち上げようかしらん?
と思うこともしばしば。

まあ、私程度でもnoteの売り上げで月100万ぐらい行くのなら、
全力投球するのですが・・・
私のnoteスキルではねえ・・・

ということで、とにもかくにも色々な方策を準備し
頑張ろうっと。

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。