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電気自動車の普及時期

 中国や欧州では、2035年以降、電気自動車か燃料電池車以外の新車販売が禁止されることになっています。
※)ここにきて欧州は合成燃料ならOKになっていますが。

日本の場合、ハイブリッド等ならOKとなっています。

個人的に、電気自動車はまだまだと感じています。
そもそも、リチウムイオンバッテリーや全固体電池を製造するための資源が、圧倒的に足りない。
※)現状流通する自動車台数からみて15分の1ぐらいしかない状態。

これでは、早晩、生産が停滞するのは目に見えています。

それに、充電の問題もあります。
何といっても、充電設備を用意するのが大変ですし、充電時間もかかりすぎです。

特に日本のように集合住宅が多い国では最悪です。
ウチの場合は、マンションなので充電設備を設置するのに2億円かかるという見積が計上されていました・・・
一軒あたり100万円程度の計算です。
これを10年ごとに更新していくとなると年間10万円かかる計算です。
高齢になり免許返上の世代になると、こんなの設置して欲しくないですよね。
多分、私は反対運動を起こすと思います。

さて。現状の充電状況なのですが・・・

Q&Aにあるように、200V充電が推奨されています。
家庭用ブレーカだと結構大変な量の電流が流れ、危険域に達する可能性があるからです。
充電時間も物凄くかかります。(およそ14時間。)
※)週に一回は充電日をしっかり取らないと厳しそうですね。
結局、急速充電設備のある場所で充電するか、自宅に電気自動車専用に充電設備を設置しないといけなくなります。

それでも・・・

現状の電気自動車の平均的走行距離は、1KWhあたり6Kmとされています。
一方、電気料金は1KWhで35円程度。
電気料金がどうなるか? は、その時々の変動次第ですが。。。
ガソリン車は、リッター20Kmぐらいしか走行できないので、3~4KWh分ぐらい。
リッター105円~140円ぐらいの計算なので、電気自動車の方が安いという感じでしょうか。
もっとも自宅に充電設備を設置する初期費用やメンテナンス費用がどの程度かかるかは心配ですが。
とにもかくにも、ガソリン価格が高騰し続けるのであれば、電気自動車の選択肢はあり得ると思われます。

さて。
自宅で充電できる場合、充電についてはコストメリットもあるのでしょうが、ウチのようにマンションの居住者の場合、まだまだ充電設備は高額であり、メンテにかかる費用もありますので、そう簡単には導入できません。
ということで、私は、恐らく2035年以降は、ハイブリッド車を選択すると思います。
※)法人契約中のガソリンスタンドが廃業してしまうと難しいですが・・・

多分、ガソリンスタンドが存在する限りはハイブリッド車を選択し続け、免許返上に至ると思います。
だから、自宅用の車で電気自動車に乗るのは、生涯ない可能性が高いかな?
と考えています。

でもまあ、世の中、ドンドン電気自動車の方向へシフトしています。
ただ・・・下記の記事は、電気自動車シフトがもう少し遅くなるんじゃないか? という記事になっています。

記事にもありますように、バッテリーの安全性については、まだまだ問題があります。
弊社も社内フォークリフトは電動ですが・・・
新品バッテリーは無茶苦茶高額(バッテリ単体購入だと1台150万円級)です。
やむなく、中古バッテリーを20万円で購入したのですが、1年も立たないうちに煙を上げて炎上寸前になり、廃車せざるをえなくなりました。
純正じゃなかったので、相性が悪かったのか? バッテリーそのものに難があったのか? までは、分かりませんが・・・ 
結局、バッテリー消耗の少ない中古フォークリフトを探し出して購入し、現在に至っております。
それぐらい、電気自動車とバッテリーは難しいです。
フォークリフトを電動にしている理由は、場内の空気清浄化のためです。
だから、ある程度の欠点があっても使っていますが、屋外を走る自家用車となると話は別です。
やはり、ガソリン車の安全性の方を取ります。

メンテナンスについても、新興の電気自動車の場合は、評判が悪いです。
理由は単純で、メンテナンス網を張り巡らすには、時間とコストがかかるからです。
楽天モバイルが基地局増大で苦戦しているのと同じで、ハード分野というのは、一朝一夕では確立出来ないからです。
単純に言えば、種をまいて翌日収穫できるお米なんてありません。
ソフトウェア業界では出来たことでも、ハードウェア業界では物理的に出来ないのです。

ノルウェーのようにEV推進で歪んだ税制と補助金制度を使えば、普及率を飛躍的に高めることは可能です。
が、その財源は北海油田という本末転倒を引き起こしてもいます。
また、電気自動車の製造や運用で発生する二酸化炭素排出量の多さ、バッテリーの廃棄物処理をするための技術やコストが不十分な点も見過ごされがちです。

鉱物資源としてのリチウムは、環境規制の緩い中国なしでは生産が出来ず、塩類平原の地下に眠る塩水(地下水)からの精製には大量の真水を必要とし、農作物の生産に深刻な影響を与えることが指摘されています。
環境への負荷という観点でいうと、ガソリン車より電気自動車の方が大きいという皮肉な状態なんですよね。。。

で、個人的な結論ですが・・・

電気自動車が本格的に普及する(世界で2/3以上)ようにはならないのではないか?

と思えて仕方がないのです。
このまま突き進めるのは、自国でバッテリーを生産可能な中国ぐらいでしょうか・・・
結局、欧州は挫折すると思います。
かつて、環境配慮車としてディーゼルカーが欧州で持て囃されていました。
今は見る影もありません。

作為的ムーブメントなんてのは、所詮こんなものなんですよね。

日本は、世界の流れに飲まれ過ぎないように気をつけてほしいものです。
基本は、ハイブリッド車でつなぎつつ、電気や水素等々、様々なスタイルで分散するのがベターな選択かと思います。
遅れていると言われている日本の自動車業界ですが、個人的には、トヨタの全方位スタイルは正解と感じています。

あと5年ぐらいすれば、電気自動車の普及を遅らせる話になるんじゃないでしょうか。

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。