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ロックがロックである要因はギターではなくドラム

この曲はロックに聴こえるか?ヒップホップに聴こえるか?と考える。

どちらも一応ラッパーが出した曲である。特に『アリノママ』なんかGreen Dayと全く同じコード進行なのにヒップホップとして聴こえてしまう。

何が違うのだろう?と考えると、やっぱりドラムの音がぜんぜん違う。


人間がドラムを叩いた場合には、もっと強弱のブレがあったり、盛り上がるところで一瞬だけ速くなったりする。機械に演奏させるとどうしても一定になるので、いろいろなエフェクトで音を加工しまくって抑揚を演出せざるをえない。

有名なsmells like teen spiritなんか、楽譜だけ見るとよくあるヒップホップのドラムパターンなのに、いざ聴いてみると完全にロックに聴こえる。


もっと言うなら、ロックのどこに感激しているかというと、視覚的にはギターだが聴覚的にはドラムだ、という人は多いんじゃないだろうか。

試しにエレキギター1本で好きな邦楽ロック曲を演奏してみてほしい。たいていの曲がエレキのフォークみたいな感じになるはずだ。

そう考えると、あえてロック感を排除したドラムパターンを機械に演奏させたSEKAI NO OWARIなんか、すごく頭がいいと思う。


逆に、人間がドラムを叩いてヒップホップらしく聴かせるのは非常に難しい。クエストラブという天才ドラマーがその実例を示してくれている。



ここまで極めるともう生ドラムだから、機械だからどうこうという差なんて関係なくなる。

クエストラブがいわゆるロックらしい曲を演奏したら、どう聴こえるのだろう。