見出し画像

安曇野: 商工会に相談&口座開設 10/25(月)

安曇野で創業するにあたって、まだイメージしかない私の頭の中を整理するために、商工会に相談に行きました。穂高駅の近くに、広い駐車場を持つ商工会館に10時のお約束です。担当は、同年代(に見える)女性の方でした。私は、企画書案と、グラフィックレコーディングでこれまでの流れをまとめたものと土地の公図を持って、ちょっとぎごちなく相談室に座りました。そこで教えていただいたことを、ざっくりとまとめます。

1)冬の寒さ:舗装されていない別荘地の道は、雪が解けないので、自分で雪かきする必要がある。年末にどーんと降って、道が凍る。来客が来られる場所なのか?車は4輪駆動が必要。建物の断熱も。

2)夏のカビ:森林のある別荘地は日影が多くて湿気が出やすい。建物のメンテナンスに気を付けること。大量に松ぼっくりが落ちるのも注意。

3)野生動物:狐、狸、熊などが出てきて、普通に家の中に入ってくる。敷地の囲いなどが必要。

4)ご近所トラブル:敷地の枯れ葉がお隣に入ってしまうなど。ご近所と交流してください。地域に根ざすことを考えて、自治会に入ってほしい。区の役員などを引き受けたり、区長さんと連絡を取ってください。

5)地域の風習・文化の尊重:古くから住んでいる人と、新しく越してきた人と、考え方などに違いがあるが、おかしいと思わずに、理解してください。5つの市町村が合併して10~15年ほどたつが、いまだに旧町村の思いを持っている人もいる。一方で移住者で市議会議員になっている人も複数いるので、どちらの考えや気持ちも大事にしてほしい。

ここまでは、一般的な暮らしのことでした。続いて、本題に入ります。

6)会社の形態:合同会社が楽ではないか?でも、私は一般社団法人にしようと考えている。司法書士などに相談した方が良いかも。まずは、事業計画書を作ってみましょう!(と書式をいただきました)

利益を生み出し納税できるように考えてみてください、というアドバイスに、「いえ、非営利で、できるだけ税金を払わない方針でやりたいのです」と答えると、個人事業という方法もあると。これは、個人事業の開始届のみで始められるし、個人でとりあえず始めて、軌道に乗ってから法人化するというやり方もあると。事業として成り立つためには、利益、雇用、地域の3つを考えてくださいと。(法人税は、事業が赤字でも県に5万円、市に2万円を毎年支払うのが必須とのこと)宿泊と飲食は保健所から許可を受ける必要がある。助成や補助などについては、県の移住支援窓口へ行くと良い。詳しいことは専門家に相談してみては。

創業のポイントは、「どうしてそこで、それをやるのか」を明確にすることと10年度、20年後を見据えて、後継者をどうするのかも考えること。

そして、特に大事なのは、家族の協力を得られるのか、だそうです。なぜならば借入金が返済できないときは家族のところへも取り立てが行くからで、借り入れ状況を見られてブラックリストに載ることになる、と。(自分で返せないような額を借りることは全く考えていなかった、というか、できるだけ借金せずに、お金をかけずに人材の力でやりたいと考えているので、このお話は、ほ~、世の中はそういうことになっているのか、と)

自己資金は、全体の1/2は必要と聞いて、びっくり仰天。そんなにお金持っていないです、と返すと、せめて1/3~1/4でも、運転資金が必要です、と。まあそうですね。売上見込みに対して、どれくらい自分で用意できるのか大事だと教えてもらいました。毎月の収入から少しづつでも貯金できない人は、事業を経営するのは無理ですよと。ほ~、なるほど。私は難しいかも。

広報やSNSの講習などもあります、と教えてもらい、そういうのって今どき誰でも知っているのでは?と返すと、いえいえ、全くパソコンやインターネットなどを知らない人が多いです、と。例えば、「定年して、お蕎麦が好きなのでお蕎麦屋さんを始めたい」と言って相談してしてきた人に、「包丁など使ったことありますか?」と尋ねたら、「いえ、これまでは料理の経験はありません」とか。ラーメン屋を始めるけど、宣伝の仕方がわからないとか、よくある話です、とのこと。わ~お!

脱サラして自営業を始めようとする人で、特にNGなのは「孤独な人」だそうです。人づきあいが苦手だから、会社の組織に縛られるのが嫌だから、自分で好きに仕事ができる道を選ぼうとされるけれど、むしろ逆に、営業したり、お客さんとお付き合いしたりすることが多くなるから、ひとりでいる方が好き、とか、人が苦手、というのは難しいと。おお~、そこは私クリアできそう。というか、人が大好きだから始めたいので。

それでも、創業するには「センス」が必要です。とここはかなり重要点という口調で教えていただきました。自己主張ばかりはNGで、周囲とうまくやれること、と言っても仲間内だけで楽しく盛り上がっているのもダメで、人が入りづらい、出づらいと思うようなお店だったら、良くないですね、と。ふむふむ、何となくイメージが浮かびます。頑固おやじが一見さんお断りとかいう感じかしら。マダムのサロンみたいな喫茶店も入りづらいかも。

そこで登場してきたのが、「安曇野スタイル」です。これは、ペンションのオーナーからもおすすめされていました。安曇野市内の小さなお店や個人が提供している、手作りの品物や体験、サービスなどを地図を片手にめぐって、人と出会ったり、新しい体験をしたり、素敵なものを手に入れたりするという企画。個人だけで商品やサービスを宣伝するのは限りがあるけれど、こうやって町全体で、散らばっている小さな魅力をひとつにまとめて見せてくれるのは、初めて来る観光客も、長く住んでいる地元の人も、わかりやすくて入りやすいですね。行ってみたいところばかりだったのですが、今日の夜には帰宅する予定なので、今回は諦めました。でも、ここにこんなお店がある、ってわかるのでまた次回のお楽しみにします。

最後には、具体的にその場所で営業するための広報として、まずは看板の立て方、規制があるかどうかの確認を市役所の都市計画課にすることと、地主さんに相談すること、電柱の管理をしている中電に確認することなどを教えてもらいました。生まれも育ちも安曇野だという相談員さんは、「やっぱり毎日、山が見える暮らしは、たまに東京に遊びに行って帰ってきたときにホッとしますね~」と話していました。新宿や渋谷に遊びに行くのは時々の楽しみだけど、この地域での暮らしが日常の当たり前なんですって。今日は天気がいいから、ちょっと山へ行こうと思えば、普段着で水筒持って気軽に行ける。山頂でおしゃれな装備の人を見るとびっくりするけど、ジャージとスニーカーで行けるのが良い、と。そうだよね~。山や川が日常にあるって、そういうことですね。わざわざ高級ブランドで全身そろえて、特別にお出かけ、ということではないですね。いいな~。

「創業計画書」「資金繰り表」「開業届」などの書式をもらい、次回は専門家に相談に乗ってもらえるということで、もう少し頭の中を整理してきます、と帰りました。

その足で「松本信用金庫」に行って、口座を開設しました。住所が練馬だったので、「どういう目的ですか?」と聞かれたので、これから移住して創業します、と答えたら、創業支援の担当の方もお話を聞いてくださいました。建物を建てるにあたって、練馬の家の住宅ローンの残額が大きくて、もうこれ以上借りられない(と、別の銀行のセカンドハウスローンで言われた)ので売却を考えていると話したら、事業のための融資であれば、住宅ローンとは枠組みが違うので、借り入れもできるとのこと。おお~!それはありがたい。では、張り切って事業計画をつくります。

以前は、「2拠点生活」と話しても、別荘としての借り入れの相談になっていたから、どこの銀行でも不動産屋でも、良い顔はされなかったのですね。安曇野で仕事をするための会社と社屋であれば、お話は違うということか。今のところ、広さが120㎡くらいの建物に、私が暮らすための部屋と事務所があって、広いダイニングキッチン兼リビングエリアがあって、畳の部屋と、洋室が2つくらい、あとはライブラリーコーナーが欲しいな、というイメージで考えています。ログハウスの建築士さんに見積もりをお願いしているところなので、思い描いているものが具体的な数字で表れてきたら、また先に進めていきたいです。

穂高駅前の観光案内所と、松本信用金庫前のクラフトショップでお土産を買って、みなさんからおすすめされていたKIIYAさんでお食事して、いったんmigrantさんに戻ってオンライン会議に参加して、日が暮れるころに安曇野を後にしました。帰り道は空いていて、スイスイ楽に4時間かからずに帰宅できました。

移住&創業のスタートラインに着こうとしてるところ、という気持ちです。いい感じで流れてゆく。

おまけ:今回の2泊3日の安曇野滞在中、「マスクをしてください」と言われたのは2回だけ、この日の観光案内所とKIIYAでした~。それ以外は、いつもおいしい空気を吸うことができて、とっても気持ちの良い町です。ありがとうございます。これからどうぞよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?