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コンピテンシー採用面接~科学的手法で絶対に成功する採用面接

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コンピテンシー採用面接とは 「経験」や「直感」に頼った面接は採用ミスを引き起こす。世界のリーディングカンパニーが取り入れる「コンピテンシー面接」で企業と人材のベストマッチングを実… もっと読む
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2023年5月の記事一覧

「量」の採用から「質」の採用へVol.8(1/7)

1.採用が変われば組織が変わる先に私は、採用の目的を「企業競争力のアップにつながる人的資源の確保」というように記しました。企業のエグゼクティブたちは、企業価値を生むのは、「人」であると確信し、人材の採用のあり方について強い関心と問題意識をもっています。「人という資産」が自分たちの企業を存続・発展させ、競合他社との差別化につながるということを実感しているのです。 企業の採用意欲は高まっていますが、その一方で、若者の意識をはじめ働く人たちの考え方や価値観、キャリアの選択はます

「量」の採用から「質」の採用へVol.8(2/7)

3.採用活動は企業目的達成のための一環私が、このコラムを通して提唱する科学的アプローチをとり入れた「戦略的」採用システムとは、中・長期的経営戦略に基づいて自社に必要な人材像をまず策定する。そのうえで、求める人材を惹きつけ、確実に採用するために、「組織が必要とする人材」に極カアピールできる方法を通じて母集団形成をし、科学的な選抜・合否決定をする。そして、人材の定着のために、その後の配属・研修・育成まで、コンピテンシーをベースに一つのシステムとして構築していく――こうした一連の内

「量」の採用から「質」の採用へVol.8(3/7)

5.人物像と経営戦略をリンクさせるここでいう「将来」とは、10年後20年後の将来ではありません。転変の急激な現在のグローバル経済にあって、そんな先のことは神様でないかぎり見通せないでしょう。そうではなく、少なくとも3年後、5年後くらい先は見据えていただきたいというのが、戦略的採用を提唱する私の趣意です。 その時点においてどんな人材が必要とされるか。そのことを考える資料となるのが、会社の中長期の事業計画であり、そのもととなる経営戦略であり、そして自分たちの組織の客観的な診断

「量」の採用から「質」の採用へVol.8(4/7)

7.採用にはトップ自身がかかわるべき事実、トップ自身が前項に挙げた危機感や認識をもっている企業は、採用活動のあり方が明らかに違います。 私がよく存じあげている経営者の場合、自社の採用活動に対して積極的にかかわっていらっしゃいますが、それは最終面接に自ら立ちあうということだけにはとどまりません。 「わが社は今、こういう方向に進んでいる。したがって、今年の採用活動におけるミッションはこうで、わが社の求める人材はこういう人だ」 と、人事部門の担当社員だけではなく面接を担当する

「量」の採用から「質」の採用へVol.8(5/7)

9.応募者増は必ずしも募集戦略の成功ではないさて次に、新卒採用における募集(母集団形成)戦略について話を進めましょう。 このことに関し、企業の人事部門、ことに大手の企業によく見かける勘違いがあります。どんな勘違いかというと、学生募集の成否を応募者の人数(エントリーの数)によって判断していることです。応募人数が昨年より増えていれば成功、減っていれば不成功という見方です。 たしかに、応募者がたくさん集まれば、人事の採用部門としては安心できるでしょう。しかし、私にはこういう

「量」の採用から「質」の採用へVol.8(6/7)

11.ある素材メーカー新任社長の決断ところで、こういうお話をすると、いわゆる中小企業の経営者や人事部長からは、「それは大手企業の話ではないか」といわれるかもしれません。 「ウチはネームバリューもないし、ブランド品を売っているわけでもないし、応募してくる学生も少ないし、おまけにレベルも低い。そんな現状でいくら『自社に必要なコンピテンシー』を掲げても、それにふさわしい優秀な人材が採れるわけない」と。 ほんとうにそうでしょうか。私がこのようにおっしゃる経営者の方に申しあげた