この20年で作ってきたもの

地球市民の会のミャンマー事業スタッフが書くミャンマーにまつわるエッセイ。第82回は鈴木が執筆しました。

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この20年でつくってきたもの

今年は地球市民の会の40周年でありますが、同時に、ミャンマー事業も20周年となります。先日、柴田がミャンマー出張に来た時に改めて話していたのですが、「この20年で、たくさんの人を育てることができた」ということです。タンボジセンター・ナウンカセンターという2つの農業センターで学んだ卒業生が各地にいて、彼らと協力して事業を進めています。

ということで、20周年記念に、卒業生にエッセイを書いてもらうことにしました。今日は、Mさんのエッセイを紹介します。


Mさんからのメッセージ

ミンガラーバー。私の名前はMです。シャン州ピンラウンタウンシップ、ティタリー村に住んでいます。2019年に、TPAのナウンカ農業センターで、3か月研修を受講しました。3か月間の研修では、主に農業と畜産について学び、他にもキノコ栽培、ミシン、リーダーシップ、石鹸・洗剤のつくり方など、たくさんのことを学びました。私の長所は、学ぶことが好きなことなので、たくさん吸収できました。3か月研修では、座学も実習もあり、とてもよかったです。

研修終了後、自分の家に戻って実践しました。まずは、簡単で色々使える洗剤を作りました。興味を持っている友達にも、洗剤のつくり方を教えました。自分のためにも、皆のためにもなるように、村で販売する方法も教えました。今では、皆ができるようになり、コストも安くなっています。

ボカシ肥は、親の畑に入れて使っています。EMと魚アミノ酸も作って、畑で使っています。

キノコも実践してみました。94%成功しました。1600袋やりましたが、ネズミにかまれたり、かびたりして、37袋がダメになりました。最初の実践は、期待以上に成功したので、とても嬉しかったです。2回目は1800袋やって、20袋が失敗しました。続けてやりたいと思っていましたが、水の問題があって中止しています。

2020年1月1日から、図書館の再建のためにリーダーとして頑張ってきました。図書館のためにやったことは、図書館のペンキ塗り、必要な椅子や敷物の整備、新しい本を購入するために村から寄付を集めたこと、友人から本やお金を募ったことです。学生たちを対象に、夏休み研修(仏教とリーダーシップ)をしました。高校卒業した年齢の学生を集めて、読書会を1か月間実施しました。土日の夜に実施しました。これらのおかげで、読書率が少しずつ伸びてきて、読書習慣がついてきました。2020年、2021年に実施し、私もたくさんの経験を積むことができました。

2020年1月1日から、ティタリ―村の若者たちが村のゴミ拾いを始めました。15日に1回、ごみ拾いをしています。4月にTPAからの支援金(※)が入ったので、かなり助かりました。ありがとうございました。ゴミ拾い委員会を組織し、代表として2年間頑張ってきました。経験もたくさん積むことができました。2023年6月13日に代表選挙を行い、他の人に引継ぎをしました。村の人たちや友人からの寄付で、村の基金もしっかりまわっています。

(※)2021年度「積水ハウスマッチングプログラム」で助成をいただきました。 

今は、TPAでスタッフとして仕事を始めたところです。これまでの経験と、頑張る気持ちで、できる限り頑張っていきたいと思います。

最後に、ティタリ―村の代表として、グループ代表として、このプロジェクトを支援してくださった尊敬すべき日本の寄付者さんたちに感謝の言葉を伝えたいです。私たちとは国も違い、民族も違い、会ったことがないにも関わらず、これまでの絆も特にないのに、お気持ちだけで、私たちの村をきれいにするために支援してくださった日本の支援者さんを尊敬し、感謝しています。続けてミニライブラリーも支援してくださって、読書をする若者たちはとても喜んでいます。支援者さんと私たちの間に入って調整してくれているTPAにも感謝しています。この感謝の気持ちを忘れず、村がいつもきれいでいられるように、私たちは続けて頑張っていくと約束します。

私たちの村がきれいで居心地の良い村になったのは、親愛なる尊敬すべき日本の支援者さんのおかげです。いつか、私たちの村に来てください。心豊かで、身体も健康で、厄災から守られますようにと、ミャンマーからお祈りしております。


地域づくりの主役

Mさんは、ナウンカセンターの3か月研修のときから、積極的でした。そして、自分の村に帰ってからも、ごみ拾いや図書館など、村を良くしていくために頑張っていました。地球市民の会も、ごみ拾いプロジェクトやミニライブラリープロジェクトを進めていきたいところでしたので、Mさんと一緒に活動をしてきました。そして今、彼女は地球市民の会のタウンジー事務所で、新人スタッフとして働き始めたところです。

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