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寄付にまつわる小話連載

こんにちは。地球市民の会の鈴木亜香里です。ミャンマーで地域開発の仕事をしながら、寄付集めをしています。寄付月間2023の賛同企画として、12月のあいだ、できるだけ毎日自分のSNS(Facebook、X、Syncable)に寄付にまつわる小話の連載をしてきました。こちらのnoteにまとめます。

#わたしの寄付を語ろう


【坂井さんの涙】

坂井さんは泣きました。その場にいる誰よりも。

坂井さんは、とっても素敵な支援者さんでした。すらっとした長身で、シルバーの髪の毛。助平なジョークもときどき言うけど、どことなく品が漂うジェントルマン。お金持ちで余裕があり、地域のために働きながら、年金をミャンマーの学校建設のために寄付する紳士でした。

その坂井さんが、ミャンマーで建てた学校の落成式で泣いたのです。私がミャンマーに来てすぐのこと。この光景が、今の私を作ったと言っても過言ではありません。

私が国際協力の仕事をしたいと思ったのは、現地の人たちと一緒に活動をして「感動」したかったからです。でも、あの場所で一番感動していたのは、間違いなく坂井さんでした。学校を建ててもらった子供たちや村の人でもなく、NGOスタッフでもなく、寄付者の坂井さん。「一番感動できるのは、寄付者なんだ」と驚いた瞬間でした。

それから私の夢は、「寄付で学校を建てたい」「たくさん寄付できる人になりたい」に変わりました。当時は月給10万円。すぐに寄付をする勇気は出ませんでしたが、いつかは自分も寄付して学校を建てたいと考えるようになりました。

それから約10年後、クラウドファンディングで皆から寄付を集めて学校を建てることができました。私も3万円を寄付しました。そして、今年はこれまでにすでに40万円以上の寄付をしています。

残念ながら坂井さんとはもう会えなくなってしまいましたが、いつまでも坂井さんの涙は、私の中で輝き続けています。


【寄付は減らない、寄付は増える】

何か物を買うときは、お金を払って物を得ます。自分の財布からお金は減るけど、物が手に入るので「交換」です。1を払って1を得るので、プラマイ0です。

では、寄付は?

自分の財布からお金を出しても、物が自分の手に入らない。1を払って、0を得ますのでマイナス1。寄付をしたいと思えない人は、「お金が減る」「損する」と思っているじゃないでしょうか。

でも、本当にそう?

寄付をすると
①寄付した人の幸福度があがります。(プラス1)
  ※ちゃんとした研究結果も出ている!
②寄付を受け取った相手が幸せになります。(プラス1)
③善い行いをしたので、良いことが還ってきます。(プラス1)
  ※情けは人の為ならず

寄付をすると、1払って3戻ってくるので、プラス2です。
寄付をしない人は、「寄付はマイナス1」だと考えていて、
寄付をよくする人は、「寄付はプラス2」だと思っている。

私ほどの寄付オタクになると「寄付すると10倍になって戻ってくる!」と思っていますので、寄付しないほうが損な気がしています。虎視眈々と、寄付チャンスを探しています。


【寄付もできて、リターンももらえる!】

寄付をすると、何かリターンがもらえるクラウドファンディング。私は「別にリターンはいらないから、その分を現地のために使ってほしい」と思う派でした。でも、先日、「リターンがあるのもいいなぁ」という体験をしました。

ファンドレイジング業界では、知人がクラファンをやっていたら、とりあえず支援することがよくあります。「義理寄付」です。特にリターンも必要ないので、「ただただ応援3,000円・5,000円」を選ぶことが多いです。

先日、知人のクラウドファンディングに義理寄付をしようとしたところ、欲しいリターンを見つけてしまいました。小学校の教科書に載っているお話の絵がもらえるリターンです。息子と一緒に教科書を読んで、とっても好きな話でした。

息子と相談し、このリターンを買うことにしました。好きな一文を作者の直筆で書いてもらえるとのことで、一緒にお話を読みなおし、好きな一文を決めました。

「これ、寄付もできて、絵ももらえるの?めっちゃいいじゃん!」

この息子の言葉を聞いて、とっても嬉しくなりました。寄付できるだけでも嬉しいのに、さらに絵ももらえちゃうなんて!!ということらしいです。

・NGOで働く友人を支援できて嬉しい。
・現地の困っている方を支援できて嬉しい。
・好きな絵がもらえて嬉しい。
・絵本の作者にも、お話が好きな気持ちを伝えられて嬉しい。
・親子で楽しく本を読み直せて嬉しい。

1回のクラファン支援で、たくさんの嬉しいが生まれました。義理寄付にしてはけっこうな金額でしたが、親子のコミュニケーションにもなって楽しい時間となりました。


【誕生日は寄付する日】

日本では、誕生日の人は周りから誕生日プレゼントをもらいます。でも、ミャンマーでは、誕生日の人が周りの人にご馳走を振舞う日です。友人や同僚などにご馳走したり、ひいきの僧院でお坊さんたちにご飯を振舞ったりします。誕生日寄付をする人もいます。

学校に通う子供たちも、誕生日には学校で誕生会をするのが楽しみのようです。チキンライス、焼きそば、チャーハンなどのランチとケーキをクラスメイトに振舞います。お金持ちの家だと、文房具やぬいぐるみ、子どもの名前入りグッズのプレゼントまでくれることもあります!うちの子も「お誕生日会をやりたい」と言ってきたので、ケーキを人数分準備したこともありました。小さい子どもでも、友達にご馳走できるのは嬉しいみたいです。

皆に振舞う喜びを幼いころから知っているミャンマーの人たち。ミャンマーは、世界寄付指数でもいつも上位にランクインするほどの寄付大国です。


【学芸会で寄付集め】

先日、子どもの学校でミャンマークラブがありました。ミャンマーの伝統的なダンスや歌・劇などを子供たちが披露する学芸会的なイベントです。

そのオープニングで「私たちはボランティアクラブです」と、高学年の生徒たちが楽しそうに孤児院に寄付している映像が流れました。「今日は、ミャンマーの伝統的なお菓子を販売しています。利益を孤児院に寄付します」と。

自分の出番を終えた子どもたちは、お菓子を買いたがります。普段はたくさん買いませんが、孤児院への寄付になるということで、親の財布は緩みまくり!お菓子は飛ぶように売れていました。

学芸会で寄付集め。日本でもやってみたら良さそうですね。


【寄付で運気アップ】

あるとき、スタッフの間で不運が続くときがありました。交通事故に遭って入院したり、病気になったり、物が壊れたり。あまりにも続くので「お坊さんを呼んでお祈りをしてもらおう」ということになりました。お坊さんにランチを振舞い、お祈りをしてもらうことで運気を上げるのです。

やろうと決まってからは早かった!いつもの仕事の数倍のスピードです。日程を決め、食事を手配し、事務所の大掃除をし、スタッフそれぞれがお金を出し合いお坊さんを呼びました。お祈りをしてもらった後は、すっかり不運は止みました。

夫が交通事故に遭った後も「どこかに寄付したほうが良いよ」と周りの人からアドバイスされました。寄付という良いことをすると、良いことが還ってくるんですね。


【スーパーで寄付】

ミャンマーでは、6月から新学期が始まります。5月にはスーパーマーケットで、文房具や制服、リュックサック、お弁当箱など、学校で使う物のセールが開催されます。レジの近くに「余分に買いましょう!」という看板と箱がありました。「少し余分に買ってこの箱に入れてください。スーパーが孤児院に届けます」ということらしいです。

「買ってもらう量を増やしたいだけでは?」と私なんかは思ってしまいますが、ミャンマーの人たちは素直なようで、たくさんの文房具が集まっていました。寄付する孤児院はどこか不明でしたが、スーパーが責任を持って届けてくれるという信頼はあるようです。

お金ではなく、商品を自分で選んで買う方式なので、寄付する側は「自分が選んだ」という感覚があって、満足度も高いのかもしれません。日本でも、ブックサンタだと好きな本を贈れて人気がありますよね。


【寄付ボックスで大喜び】

昨日はスーパーに寄付ボックスが設置されていたことを書きましたが、子どもたちの通っている学校にも寄付ボックスが期間限定で設置されました。新品の文房具などをボックスに入れ、孤児院に寄付するそうです。

うちの子も「寄付ボックスに何か入れたい!」と言ってきました。ちょうど薬局でサプリメントを買ったのですが、色鉛筆セットをおまけでもらえたので、それを寄付することにしました。

色鉛筆を持って行った日は帰宅するなり、「色鉛筆が良すぎて、寄付ボックスから取りたいくらいだ!と友達に言われた」と大喜び。毎日、寄付ボックスを覗いては喜んでいる子供たちが可愛いなぁと思いました。


【宝くじで寄付集め】

「バイクやスマホが当たるよ!何枚買う?」とスタッフから宝くじを勧められました。こちらの人は、宝くじ好きが多いです。私は「宝くじは損する」と思っているので普段は買いません。しかし、「僧院に講堂を作るための寄付を集める宝くじだよ」と聞き、1枚買いました。お金を払い、名前と電話番号を伝えると、番号が入った半券をもらえます。当選すると電話が来るそうです。

バイクやスマホの当たりは数口のみ。あとはハズレなので当たる確率はとっても低い宝くじ。それでも、皆こぞって買っていました。バイクが当たったらラッキーだけど、ハズレだったとしても、寄付をして徳を積むことができていますから。

日本の宝くじも、収益の約40%が地方自治体に収められ、高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設改修などに使われているそうです。ある意味、地域の暮らしへの寄付です。でも、日本で宝くじを買うときに「ハズレても寄付になるからいいや~」とはあまり考えませんね。何のために使われたか、見えづらいからかなぁ。


【病院で寄付】

ここ3日、扁桃炎で寝込んでおり、連載を2回お休みしました。昨日は病院に行ったのですが、「そういえば病院で寄付をすることもあったなぁ」と思い出しました。

ミャンマーでは、赤ちゃんの予防接種は無料で受けることができます。5種混合とか、MMRなどの、生後数か月から1歳半までの間に受けるものです。公立の子ども病院に受けに行きます。受けられる曜日が決まっていて、その日はたくさんの親子が集まります。風船売りなども現れて、お祭りムードです。

予防接種自体は無料ですが、接種する部屋に募金箱が置いてあります。病院の運営費に充てられるようです。だいたいの人は、いくらかの金額を入れていきます。私も周りの人を見て500円くらいの金額を入れてきたのですが、後で夫から「タダで注射してもらったんだから、もっと入れれば良かったのに」と言われました。外国人にとっては、この辺の感覚が難しい!次からは、少し多めを意識してお金を入れるようにしました。


【寄付をするとお得な時期】

今日は、「海外の寄付事情」セミナーでした。インドネシア・ミャンマー・オーストラリアの寄付事情を聞けて楽しいイベントでした。その中で出てきたのが「寄付をするとお得な時期がある」ということです。

イスラム教では、ラマダンの時期に寄付をするとより良いそうです。また、仏教では11月に僧侶に寄付をすると、いつもよりも徳がたまるレートが良いと考えられています。その時期に合わせて寄付集めをすると集まりやすいそうです。

日本でも、一粒万倍日などあるので、似ているかもしれません。ご自身のラッキーナンバーの日などに寄付してみると良いことがあるかもしれませんね。


【福利厚生は寄付ツアー】

ミャンマーの企業では、社員のモチベーションアップのために、社員旅行に行くこともあるようです。Facebookでたまに写真を見かけます。人気の行先は、パゴダ(仏塔)や僧院、孤児院など。社員皆でお坊さんにランチをお布施したり、孤児院で食事を振舞ったりするのが人気のようです。

会社からの寄付と、社員一人一人からの気持ちの寄付を合わせているようで、まるでマッチング寄付ですね。企業が稼いだ利益は寄付で循環させ、社員のモチベーションアップにも、企業のイメージアップにもつながる素晴らしい方法です。


【今よりもっと寄付できますように】

地球市民の会では、ミャンマーの子どもたちが教育を受けられるように奨学金を支給しています。奨学金を受けている生徒から「今よりもっと寄付できますように」と言われたことがあります。「奨学金が足りないから、もっと金額を増やしてほしいということ??」と思ってビックリしてしまいました。

直訳すると「今よりもっと寄付できますように」ですが、意訳すると「益々のご発展をお祈りいたします」という感じのようです。ミャンマーでは、お金持ちになって、たくさん寄付をすることが喜びだと考えられているので「今よりもっとお金持ちになって、もっと寄付ができるようになって、徳を積めるようになるといいですね」という意味で言われているようです。

とっても純粋な気持ちでお祈りしてくれているのに、「足りないということか!?」と、一瞬怒りそうになった自分が恥ずかしいです。


【同僚と一緒に寄付】

地球市民の会では、高校生が3年間寄宿して農業を学ぶタンボジセンターを運営しています。やる気はあるものの、経済的に高校進学が難しい子を対象にしています。タンボジセンターに入れるのは、1学年につき6名の狭き門。当然、選抜試験で落とさざるをえない子もいます。

ある年のこと。ミャンマー人スタッフたちが「落ちてしまったあの子も、どうにか高校に通わせてあげたい」と言い出し、カンパを募り始めました。スタッフ全員がそれぞれ決めた金額を1年間、給料日に集めてその子に寄付することに決まりました。うちはそんなに高給でもないのに、すごいなぁと思います。

その子は、その寄付金をもとに、別の施設から高校に行けるようになりました。日本のNGO団体の支援からはこぼれ落ちてしまった「スキマ」を、ローカルスタッフたちが埋めてくれたのでした。


【献血も寄付の一種】

ミャンマーには、日本のようにシステマティックな献血制度はありません。輸血が必要になったら、家族や知人から血液型が合う人を探すか、「血液寄付者グループ」に連絡をして来てもらいます。

町には「血液寄付者グループ」がたくさんあります。ボランタリーに運営されている組織で、献血したい人が名前・電話番号・血液型などを登録しておきます。もし輸血が必要になった場合は電話が来るので、病院に行きます。輸血が必要だった人の家族から、卵やお菓子などのお返しをもらえるそうです。

当会のローカルスタッフも「血液寄付者グループ」に登録しており、ときどき「献血に呼ばれたから抜けます」と早退することがあります。半年以上間が空くと、「最近呼ばれていないので、次回は呼んでください」とグループに催促に行っています。お金を使わなくてもお役に立てる献血を、できるだけたくさんしたいみたいです。


【寄付でお金持ちになる①】

あなたが気軽に寄付できる金額はいくらでしょうか?友人のクラファンに寄付するとき、いくらくらい寄付していますか?実は、その金額が「あなたの基準の金額」なのです。

私の友人は、いつも3,000円を寄付していました。 逆に言うと、3,000円以上寄付した経験がありませんでした。自分の周りを見てみると、身に着けているアクセサリーも3,000円。自分が仕事としているコーチングでは、1時間分の料金を3,000円に設定していました。

あなたの基準の金額はいくらでしょうか?いくらまでなら気軽に払って、気軽に受け取れていますか?明日は、金銭感覚を上げていく方法をお伝えします。


【寄付でお金持ちになる②】

小学生にとっては1,000円が大金ですが、すごいお金持ちだと100万円は誤差という方もいます。お金持ちになろうと思ったら、金銭感覚を少しずつ上げていくと良いはずです。そのときに使えるのが「寄付」です。

いつも3,000円を寄付している人は、思い切って5,000円や1万円を寄付してみてください。1万円に慣れてきたら、3万円、5万円と寄付額を無理のない範囲で少しずつあげていきます。払える金額が上がると、稼げる金額も上がっていくはずです。

3,000円が基準だった友人は、その後1万円の寄付をしました。そして今では、コーチングを1時間1万円に値上げして上手くいっています。信じるか信じないかはあなた次第ですが、寄付しても損するわけではないので、試してみてはいかがでしょうか?


【ありがとうは禁句】

ミャンマーでは、お坊さんに寄付をすることが多いのですが、お坊さんは寄付を受けても決して「ありがとう」と言いません。お坊さんがありがとうと言ってしまうと、せっかく徳を積もうと思ってした寄付の効力が無効化されてしまうらしいのです。むしろ、寄付をする側が「受け取ってくれてありがとうございます」という気持ちで寄付をしています。

ミャンマーでは、お坊さんが寄付を受け取り、それを困っている人に再配分する仕組みができています。お坊さんは、NPOみたいな存在。困っている人を助ける活動をしてくれているお坊さんありがとう、私も寄付と言う形で支えることができて嬉しいです。そんな感じなのかもしれません。


【恩返しの寄付】

大学生のころ、BAJという団体に大変お世話になりました。毎週木曜日の午前中は新宿の事務所に友達と3人で通ってボランティア活動。夏休みには、ミャンマーの僻地の現地事務所に数週間お世話になりました。

何もできない大学生に毎週やることを準備したり、ミャンマー僻地までの移動許可を申請したりするのは大変なことだっただろうと、今ならよくわかります。今、ミャンマーでNGO活動をしている私があるのは、BAJのおかげなのです。

そのBAJが30周年記念にクラウドファンディングをしていると聞きつけ、寄付をさせていただきました。周年記念は、恩返しのきっかけになっていいですね。地球市民の会の40周年記念クラウドファンディングでも、昔のインターン生や元スタッフが寄付をしてくれたり、応援メッセージを寄せてくれました♪


【人の名前で寄付】

夫のお父さんが亡くなったとき、夫はお父さんの名前で孤児院に寄付をしていました。また、大きな災害があったときは、お母さんの名前で寄付をしたこともありました。

寄付を誰名義でするかが意外と大事なようです。寄付をしたときの徳が貯まる先を指定する感じでしょうか。寄付するついでに親孝行にもなっていいですね!

日本だと、認定NPOへの寄付は控除になりますから、一家の稼ぎ頭の名義にしたほうがお得になる場合がありますよね。学校建設の看板に名前が入れられるリターンでは、親が寄付して看板には子どもの名前を入れてもらうようなケースもあります。


【サンタという発明】

人は、寄付や贈与を受けると「お返しをしなければならない」と思ってしまう習性があります。せっかくもらっても、「返せない・・・」と後ろめたく思ってしまう気持ちを、「贈与の呪い」と呼びます。「寄付を集めるのは苦手」という方は「お返しをできないから」と考えてしまうのではないでしょうか。

サンタクロースは、贈与の呪いを回避する素晴らしい発明です。クリスマスにプレゼントをもらって「サンタにお返しをせねば・・・」と思い詰める子どもはいません。素直に受け取って、素直に喜べていいですね。


【寄付で自己分析】

いろいろと寄付をしていると、自分の寄付の傾向がわかってきます。「有名な団体のほうが信頼できる」と思う人もいれば、「大きな団体は寄付がたくさん集まりやすいから、自分は小さい団体を支援したい」という人もいる。子ども、環境、女性、国際協力、貧困、ジャーナリズムなどなど、いろんな分野がありますね。クラファンみたいなお祭りが好きなのか、毎月こつこつマンスリー寄付をするのか、ドカンと高額の寄付をするのか。

私の場合、小さい団体を応援したい派で、国際協力分野へ寄付することが多く、クラファンとマンスリーはバランスよくやっています。寄付をまとめることで、自分が願っている未来の世界がどんなものか、少しずつ見えてきますね。


【正直に生きるための寄付】

クラウドファンディングを実施する際に、「良かったら寄付をお願いします。難しい場合はシェアだけでも嬉しいです」という手法が一般化しています。「寄付をお願いします」が言いづらい場合は「シェアお願いします」だけのことも。個別メッセージを受け取ったほうは、なんとかしないとと思うので、とっても効果がある方法です。

私の場合、寄付せずにシェアをするのが自分のポリシー的に難しいです。皆にシェアしたくなるような素晴らしいプロジェクトだったら、まずは自分が寄付するはずだからです。シェアだけするのは嘘をついている気持ちになります。

なので、シェアをお願いされると「寄付+シェア」をするか、まったく何もしないかのどちらかになります。寄付一つ、シェア一つでも、自分に正直に生きたいのです。


【寄付でわかる自分の願い】

お買い物の傾向で自分の願いがわかると思っています。やたらとコスメを買ってしまうときは「綺麗になりたい」、本をたくさん買ってしまうときは「頭が良くなりたい」、キッチングッズを集めてしまうときは「料理上手になりたい」。買っただけで満足して、実際にはなかなか道のりは遠いのですが。

寄付の場合も、自分の願いがわかりますね。私の場合、今年は知人のクラファンを応援するために寄付をたくさんしていました。「誰かから応援されたい!」という願いを持っていんだなと思います。

2022年は子ども食堂と国際協力系に寄付することが多かったです。特に12月にたくさん寄付をしていて、「サンタになりたい気分だったのかな?」と思います。生まれる環境は選べないのでなんとかしたいという想いが強く、貧困家庭や途上国支援に惹かれます。

2021年はミャンマー支援と自分がベンチマークにしたい団体への寄付が中心でした。「ミャンマーをどうにかしたい、寄付を集められるようになりたい」という気持ちが強かったみたいです。


【寄付社会をつくりたい】

寄付月間の個人企画として実施してきた寄付にまつわる連載も最終回です。最初は「そんなにたくさん書くことあるかなぁ?」と思っていましたが、いざ書こうとするとけっこう湧いてくるものですね。気軽な気持ちで続けることができました。お読みいただきありがとうございました。

私は、寄付することが当たり前な社会を作りたいと思っています。自分が何か困ったときに、誰かを頼れるような社会であってほしい。「寄付社会」の逆は「自己責任社会」だと思います。生まれる場所・環境・能力などは選べない。選んだ覚えのないことにまで「自己責任だ」と言って個人に責任をとらせようとするこの社会を、少しでも変えていきたいと思っています。



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