皆でリターンを準備

地球市民の会のミャンマー事業スタッフが書くミャンマーにまつわるエッセイ。第81回は鈴木が執筆しました。

※この記事は、地球市民の会のミャンマー復興支援基金に10万円以上ご寄付いただいた方、継続ご寄付いただいている方(Mサポ会員様)への限定記事となりますが、寄付者以外の方でもご購入いただけます。売上金は地球市民の会の活動のために使わせていただきます。

※Mサポ会員様には記事内容をメールでお送りいたしますので、note上でご購入いただく必要はありません。


タンボジセンターへ

先日、タンボジセンターに行ってきました。タンボジセンターは、地球市民の会が運営しています。ミャンマーの高校生たちが寄宿し、昼間は学校に通いながら、朝夕は循環型農業の勉強をしています。将来の農村リーダー育成のため、①学校教育、②農業・畜産、③生き方セミナーの3本柱で研修を行っています。今年から、日本語にも力を入れて、タンボジセンターに生活する3年間の間に日本語検定のN5やN4をとれるようにもしたいと考えています。

週に1回、学校が休みの日に生き方セミナーをやっています。地球市民の会のスタッフや、タンボジセンターの卒寮生、地域の方々などをゲストに招いて、将来の農村リーダーとなるべく研修をしています。農業・畜産・環境問題・ゴミ問題・リーダーシップ・モチベーション・話し方と聞き方など、ゲストティーチャーが工夫をこらした研修を行っています。

先日は私(鈴木)が生き方セミナーを担当する日でした。何をやったらいいかな・・・と考えていたところ、去年実施したサポートファンディング(ミャンマーの子どもたちに学ぶ幸せを届けたい!)のリターンの準備がまだだったことを思い出しました。皆でリターンを準備することにしました。


ミャンマー名をつける

5万円以上ご寄付いただいた方には、子どもたちがミャンマー名をつけるリターンがあります。対象の方17名の性別と生まれた曜日を私が事前に調べておき、子どもたちに名前を考えてもらいました。

皆で話し合って、名前を考え中!

ミャンマーでは、生まれた曜日がとても重要です。生まれた曜日によって、名前の一文字目を決める習慣があります。例えば、土曜日に生まれた人はナ行から始まる名前をつけます。私は土曜日生まれなので、「ニーラーウー」(ニで始まっている)なのです。

ちなみに、17名の寄付者さんの中で、火曜日生まれの方が7名もいらっしゃいました!41%!!すごい偏り方でビックリしました。火曜日生まれの方は、たくさん寄付をする優しい性格の方が多いのでしょうか。

一文字目が決まる以外にも、いろいろあるようです。ミャンマー語の表(日本語で言えば、50音の表みたいなもの)を書いて、「上から下に下がるのは運気が良くないから、一文字目より二文字目が上がるようにしたほうが良い」とか。「年配のご寄付者さんのほうが多いので、イマドキの名前にするより落ち着いた名前のほうが良いのではないか」などと、ワイワイ言いながら、一生懸命名前を考えていました。

ミャンマー子音字の表。この行は何曜日生まれとか、上から下に下がると良くないとか、単語の意味などを全員で話していました。


お祈りリターン

3万円以上ご寄付いただいた方には、「子どもたちがあなたの幸せを祈ります」というリターンです。寄付者さんへの気持ちを込めてお祈りする動画を撮ることにしました。

いつも、さとおやさんへのお手紙などで「健康でありますように、心豊かでありますように、願いがすべて叶いますように」とたくさん書いてくれているので、簡単にお祈りができるものだと思っていたのですが・・・、予想以上に苦労している子どもたち。まずは原稿を書いて話す練習をしましたが、教科書を丸暗記するような棒読みや早口です。全くお祈りのありがたみが伝わってきません。さて、どうしたものか・・・。

そのとき、私が思い出したのは、高校生のときの演劇の授業。私の通っていた高校では、演劇の授業がありました。そこでやったワークショップがとっても印象に残っています。一人(発表者)が教室の前のほうに立ちます。他の生徒は、教室の後ろ側の壁際に一列に並んで、壁のほうを向いて(発表者に背を向けて)立ちます。発表者が、背中を向いている皆に向かって、伝えたいことを話します(私のときは、好きな歌の歌詞でした)。皆は、心に伝わったと感じたら、発表者のほうを向きます。

左に立っているのが発表者です。

こちらのワークショップをやってみました。最初は、いつもの感じで話す発表者。声も小さく、話がだらだらと長い。誰一人として、こっちを向いてくれません。ここで心が折れそうになりますが、私から「一番伝えたい一言を何度も繰り返してみて」とアドバイス。発表者は、徐々に大きな声になり、誰も見てなくても体全体で表現しはじめ、最後には泣きながら「伝われ!!」という気持ちで話していました。最後には、壁に並んで背を向けていた生徒たちが、笑顔でこっちを向いてくれました。

このワークショップをやった後に、動画を撮影しました。最初の早口棒読みも、気持ちがこもった動画になったような気がします。将来、村のリーダーになったときにも、「伝える力」はとても大切になるでしょう。リターンの準備を通して、伝える力について学ぶ機会ができて、良かったです。


お誕生日会

生徒の一人が9月にお誕生日でしたが、私がタンボジセンターに来る日に合わせてお誕生日会をやってくれました。ココナッツライスとチキンスープ、卵のカレー、高菜漬け。ココナッツライスが甘めなので、高菜漬けが良く合います。そして大きなケーキ!

皆でいただきます!

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