NFTとトレーサビリティ

NFT(非代替性トークン)によるサプライチェーンのトレーサビリティの確保。
これらは転売による価値移転を原作者に還元する仕組みを自律分散的に確立できる。
自律分散的組織(DAO)での、いろいろ課題(事務管理者による中抜き、価値配分方法の専横化)をクリアにした上での著作権や知的財産管理・保護を実現できる。
こういった社会的便益向上効果以外の側面にも注目したい。
英国の現代奴隷法、米国のドットフランク法。これらは人権に配慮しない加工労働や原材料確保をディスクローズする規制により、市民の購買選択による人権保護をサポートする仕組である。
法律で企業の活動を直接規制するのではなく、人権に配慮しない企業の製品は消費者に選択されない、といった自律分散的な人権保護の一つの手法である。しかし、この仕組はサプライチェーンのトレーサビリティを明確にするための社会的コストが多額に要し、本来の目的外の関係者(会計事務所、法律事務所、コンサルティング会社等)の利益獲得に資する結果となっている(そういった規制対応業界のロビー活動があったのかもしれないが)。
NFT等のブロックチェーンテクノロジーを活用した新しい枠組みによって、取引記録のトーサビリティ(流通経路の透明性)を効率的に実現できる。
さらには「新しい資本主義」での課題である「適正な分配」を実現するための「社会関係価値」の把握にもつながる。「社会関係価値」による「社会関係資本」による価値測定は、本来価値を産み出しているエッセンシャルワークへの価値分配(現在は法定通貨交換価値の分配)が低くなってしまう課題の解決にもつながるのではないだろうか。

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