エネルゲイアとキーネシス

アリストテレスが提唱した「エネルゲイア」と「キーネシス」。
エネルゲイアはプロセス重視、キーネシスは結果重視と単純化して理解すると、感性的な部分が重要な芸術活動はエネルゲイア的、ロジカルな部分が重要なビジネス活動はキーネシス的と整理できそうです。
SINIC理論において、現在(2021年)は「最適化社会」の仕上げに向かっており、来たるべき「自律社会」への萌芽の段階にあると言えますが、ビジネスや社会システムで主流であったキーネシス的価値感観からエネルゲイア的価値観が必要になってきたのかもしれません。
最適化社会の価値観は資本主義と何とか折り合いを付けており、SDGsなどのような新しい価値観が資本主義システムに組み込まれるようになってきました。
しかし、この現象はかなり無理があるとも言え(エクイティの利益最大化と社会的便益の向上を両立するのは極めて難しいため)、エネルゲイア的に瞬間瞬間を味わうことの積み重ねによることが社会的便益向上につなげていくことの方がこの現象への適合性は高いと思えます。
これは行動のスタイルで言えば、ロジカルな行動よりも感覚的な行動が、最近の社会への適合性が高いのかもしれません。
ビジネスでの成功はこれまでロジカルな思考に優位性があり、社会的に成功したとされる人々はそのようなビヘイビアで生きてきたと思います。
個人的には、そこから脱却して感覚的なビヘイビアに切り替えることは抵抗があると思いますが、コロナパンデミック(科学的な対処方法が明確でない)、Z世帯の新しい感覚(お金やストイック労働に価値を見いださない)を見ると感覚的、エネルゲイア的な行動への変化が必要なのかも知れないと感じます。

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