会計は言語

「会計は言語」。発生した事象を金額を使ってコミュニケーションする手段である「会計」。
言語には、会話でのコミュニケーションもあれば、文字によるコミュニケーションもある。
文字によるコミュニケーションに相当するのが「仕訳」。「仕訳」は、会計の主流な流派とも言える「複式簿記」のもっとも基本的なコミュニケーション単位。

ケリーは、会社から給料をもらう。金200,000円也。
(借方)ケリーの銀行口座 200,000 (貸方)給与収入 200,000

これは、お金が動くのでわかりやすい。人間の活動は、お金の動きが伴うものが全てではない。
例えば、PTAの活動。
(借方)PTA会議出席 5,000 (貸方)活動エネルギー 5,000
例えば、家事労働。
(借方)家事労働 6,000 (貸方)ファミリー価値 6,000

マンガでドラマにもなった「逃げ恥」。家事労働が見えない価値であることに対しての問題提起。
お金が動くことで価値を表現する、貨幣価値社会である現代であることから、あのような表現になる。
お金以外での価値表現が数値化されるならば、上記のように「仕訳」での表現も可能かであるし、「会計」で表現することもできる。

2020年のパンデミックにより、エッセンシャルワーカーの重要性と貨幣価値での価値量(お金による労働対価)が低すぎることが明らかに。
SDGsも全てを貨幣価値で表現するのが難しい世界。
お金によって表現できないと「会計」の出番は少なくなるのが元凶。

「会計」をもっと柔軟なコミュニケーションツールとして活用することは、SINIC理論(https://www.omron.co.jp/about/corporate/vision/sinic/theory.html)における「最適化社会」以降に必要な社会科学的技術ではないだろうか。

貨幣価値を超えた価値を「会計」によって表現することで、貨幣価値に変わる新たな社会的価値を利用した経済や金融の実現が可能となり、家事、エッセンシャルワーカー、SDGsといった新たな社会課題の解決に資するだろう。

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