私が育休MBA を勧めない理由

私は新卒で入社した会社で営業職を経験し、4年目で管理職になりました。管理職を1年経験し、自分の妊娠をきっかけに管理職から一旦離れました。その際に当時の上司から MBA を受講してはどうかというお誘いを受け、私自身も育休をキャリアのブランクとしたくないと思い MBAを取得することに決めました。ただ子育て、出産との両立となると通学は難しいのでオンライン制の大学院に行くことを決めました。

マーケティングやアカウンティング、組織行動論などビジネスの基礎となるような知識や case study などを通じて、経営に必要なスキルを2年間徹底的に学びました。

実際に MBA を受講してよかったなと思うことは多面的・長期的・本質的に物事を考えられるようになったことではないかと思います。日常生活の事象に関して、別の方向から見たらどうか、10年後どのようになっていそうか、本質的問題は何なのか、というように一つの事象でもより深く考えれるようになりました。これは、卒業後実際に仕事をしていて活用シーンが度々あるので、MBAの学びはためになったと思います。

ただ、子育てをしながらの MBA は今振り返っても本当にきつかったです。授乳中に講義動画を見たり、抱っこひもで子供をあやしながらレポートを書いたり、子供を寝かしつけ「やっと寝た~」と思ったら飛び起きてパソコンに向かい、ディスカッションをしたり…思い出すとゾッとします。

私は出産前は子供よく寝ると聞いていたので、おむつ替えとミルクをあげる以外は、自分の時間があると勘違いしていました(昔の自分を殴ってやりたいw)。実際は出産して数か月は頻回授乳で寝不足、おまけに子供は寝ない、そして何よりもかわいいので一緒にいたいのです。結果、寝てる以外はほぼ何もできないことが分かりました。最初は勉強したいのにできない葛藤で苦しんでいましたが、生後3か月くらいから割り切って、寝たらやろうというマインドに切り替えたら気持ちが少し楽になりました。ずるずるやるより短時間で集中し勉強するほうが私にはあっていました。そして、2年間なんとかやり遂げ、卒業論文のプレゼンテーション選抜と優秀成績賞をいただき卒業することができました。

育休中に MBA を取得してすごいとか思われたり、扱われたりするんですが、私は育休中にキャリアアップをするために学びをする風潮を推奨しているわけではありません。むしろ、決してお勧めはしません。

なぜかと言うと自分自身、MBAを取得するためにすごい辛かったんです。育休って子供のためにあるのに子育てに集中していないことに自己嫌悪になったり、精神的にも体力的にも無理をして両立をしたり、夫にも子供にもいろいろと負担をかけていたと思います。そのため、これから育休中に何かをしたい人には自分の無理のない程度で本当に学びたいことをするということをお勧めします。子育ってそれだけでもとっても大変で十分に学びのあるものですし、私はMBAよりもたくさんの充実感と学びを得る経験でした。

もちろんご自身がMBAを取得したいと思うのであれば応援しておりますし、何か情報が欲しいという方は気軽にご連絡いただければと思います。誰の参考になるかわかりませんが、自分の記録としても書いておきました。